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第3話:酸欠からのボス、そして氷結へ

 第3話てす。




 ──次の日。


「……おお?何ですかね、これ?」


 自身のステータスや装備を再確認した後、第一階層の階段を降りていくと、数分で第二階層へたどり着いた。

 第二階層は、第一階層のように親切にプレート表記はされていなかった。


 ただ、雰囲気が明らかに違うことだけは分かる。


(何か……おかしい。雰囲気……いや、違う。もっと、根本的な何か……。こんな時に…………頭に靄がかかったみたい。……あ、そうだ、あのスキルを)


「『状況判断』」

「あ、それ新しく覚えたスキルですよね!!」

「ええ」


 未来(みく)は、第一階層で手に入れた宝石によって得たスキルを発動する。



──

【スキル名】状況判断(lv.1)


【効果】周囲の環境が数値として現れる。

──



「……これは、まずいかもしれないわね」


 『状況判断』によって、未来(みく)が得た結論、それは──


「……この階層、酸素が不足しているわ。山の頂上みたい」




          ***




 第二階層。

 このフロアは、『酸欠エリア』である。


 最初は大した問題はないのだが、だんだんと気付かないうちに苦しくなっていき、最終的には魔物ともまともに戦えなくなって死に至る。


「……じゃあ、早くこの階層をクリアしないと、どんどん苦しくなるってことじゃないですか!!酸欠で死ぬなんて絶対嫌です!!絶対苦しい!!」

 愛花(あいか)は、顔を青くして叫ぶ。


「落ち着いて、愛花(あいか)。ここは新しいスキルを使いましょう。三河(みかわ)くん、お願いできるかしら?」


「おう。任せろ。──『コントロール・フレア』!!」



──

【スキル名】コントロール・フレア(lv.1)


【効果】炎属性の魔力により、自身の周囲の環境を変化させる。

──



「あ、なんか違和感が無くなった気がします!!!!」

「──本当に酸素不足が解決されているわね。大体三河(みかわ)くんから半径10mくらいまでの範囲といったところかしら」

「じゃあ、行こうぜ。とっとと強くなりてーからな」

「そうね、早く強くなって帰りましょう」



 3人は階層攻略を開始した。


 攻略から約2時間。

 その結果、第二階層に出現する魔物の全貌が見えてきた。



「dasj;fdgsjfdiiあ゛う゛ぇ゛?」


 その一つが『エンペラ―・オーク』。

 豚のような見た目だが、サイズが圧倒的に大きく、その体格に見合う棍棒を手に持っている。

 この魔物は、全員lv.75以上となっており、一般人は何もできずに一瞬で粉粉の肉片に変えられてしまう威力の物理攻撃を放つ。

 知能が低いため、団体行動はできないが、群れて襲ってくるためかなり厄介な敵である。



「『アイス・ショット』!!」

 だが、未来(みく)はそれをものともせずに魔法で確実に仕留めていく。


「おらぁっ!!!」

 また、龍太郎も自身の魔力で構成されている炎の剣を豪快に見えて繊細にに振るい、魔物を仕留めていった。


「回復は任せて下さい!!」

 疲労した仲間を治癒するのは愛花の役目だ。


 なんやかんやでバランスが保たれているいいチームである。


(……こうしている間にも、夜川君はどんどん先へと進んでいっている。たとえ追いつけなくても、お荷物になることだけはごめんよ!)

 再び気合を入れる。



 そして1時間後、彼らは第二階層を攻略した。




          ***




 第二階層と第三階層の中間地点である階段にて。


「──さて、今日は是非とも未来(みく)の昔話を聞かせて下さい」

「そうね。じゃあ、私も夜川(よるかわ)君関係の話をしましょうか」




          ***




 またその次の日。

 今度は第三階層を攻略しようと階段を降りていくと、今度の階層は構造が違った。

 階段のすぐそばは小さなスペースになっており、その端に大きな門が構えている。


「『ボス・フロア』って書いてありますね。……まぁ、あからさまですけど……」

 愛花(あいか)は身震いしながら、さりげなく未来(みく)にしがみつく。


「じゃあ、行くわよ!!!」


 未来(みく)が扉を開けると、一気に視界が開かれる。



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っdsfasdfjlakdfhaslddgffpfar?!!!!!!!!!」



 咆哮が響いた。

 

 フロアは広大で、その中心部に巨大な魔物が鎮座している。

 魔物は、ドラゴン、ゴブリン、機械が全身に不均等に混ざっているような見た目をしており、体表は青い。



「……っ!?や、やばいですって、あれ!!めっちゃ気持ち悪いです!!」

「落ち着いて愛花。『感知』!」



──

【種】『バイオレンス・ドラゴン』


【レベル】100


【種ランク(世界基準)】S(国単位の危機)


【種ランク(異世界の英雄基準)】普通

──



(……思っているよりは強くないわね。……まぁ、こう思えるのは私たちが異世界の英雄だからなんでしょうけど……)

 未来(みく)はひとまず安堵する。


 現在、3人のレベルは、愛花(あいか)が101、未来(みく)が108、龍太郎(りゅうたろう)が105であり、回復役の愛花(あいか)でも『バイオレンス・ドラゴン』のレベルを上回っている。


(……ただ、見た目は本当に気持ち悪いけど)




「──ぐあ゛っぐあ゛っげげげaaaaaaaaaaaaadddd」


「……うっ……!?」

 愛花(あいか)が急に口を抑えるような動作をする。

「……あれ……見て下さい……やばいです……」



「あれ?……あ……」


 愛花が指差した先には、人間がいた。

 いや、正確には、つい最近まで『人間だった』ものだ。


 バイオレンス・ドラゴンは、まだ肉が残っている、人間と思われる死体を口に含み、咀嚼していた。

 また、その足元には、同じようにまだ生きていた面影のある死体を並べ、踏み潰していた。



「……っ」

 目を背けたくなるような光景に、思わず冷や汗を流す。


 おそらく、彼らも自分達と同じようにこのダンジョンを挑戦しに来た者たちなんだろう。

 そう思うと、何とも言い難い気持ちになってしまうのは仕方のないことだろう。



「……倒しましょう」

「……まじですか……そうですよね……倒さないと帰れないし……」

 未来(みく)と愛花は、目の前の光景を見るたびに顔色が悪くなっていた。

 そんな中、意を決して二人が戦おうとした直後。



「──二人がやらねーなら俺が倒しちまって良いか?『気合』『炎剣』」

 龍太郎が、スキル『気合』と『炎剣』を発動した。このうち『炎剣』は、このダンジョンにて手に入れたスキルで、名前の通り炎でできた剣を生み出すことができる。

「じゃあ、お前ら二人はそこで見とけよ。おらぁ゛っ!!!!!!!」


 龍太郎が剣を振り下ろした瞬間、辺りに絶叫が鳴り響いた。




          ***




「よし、じゃあ、次の階層行こうぜ~。今日はもうワンフロアくらい行けるだろ」

「……そうね」


 バイオレンス・ドラゴンとの戦闘は、龍太郎一人が炎剣を振りかざしたことであっけなく終了した。


 また、このフロアを出る際、3人で手を合わせた。

 亡くなった人も少しは報われたと思えるように、祈った。




          ***




 そして次なる舞台は、第四階層、氷結エリア。

 3人は気持ちを入れ替えて、そのフロアへと入っていった。




 -第3話 完-

 お読みいただきありがとうございます。


 第3.5章は、第7話で完結し、そのまま第4章へ進みます。

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