第1話:絶対死の迷宮
第3.5章になります。
この章は短めで、10話くらいで終わる予定です。
今日はもう1話投稿しようと思います。
──これは、平がレメディに派遣された直後の物語である。
「……来たわね」
「ですね」
愛花たち三人は、裏ギルドを経由して最難関のダンジョンへと挑もうとしていた。
ダンジョン名は、『絶対死の迷宮』。
このダンジョンは、通称では『死への切符』とも呼ばれている。
「……いやー、しかし結構遠かったですねー」
『絶対死の迷宮』があるのは、ハント王国の王都から約200km離れた北東部の村だ。
このダンジョンは、約数千年前からあったとされており、挑戦しようとするものを例外なく屠ってきた。
それに加え、入るとダンジョンの入り口が塞がれ、出ることができなくなる。(この世界のダンジョンは、クリアしないと出られない仕掛けが施されている場合がある)。
そのため、一度入ったらもう二度と戻ってこれないという意味で『絶対死』の迷宮と名付けられたのだ。
「……まぁ、こんなところでずっと話していても意味ないから、さっさと入りましょうか。二人とも、準備はいいかしら?」
「ええ、大丈夫のはずです」
「おう、問題ね」
「じゃあ、行きましょう。私たちが少しでも夜川君たちに追いつけるように」
***
─第1階層─
「……あ、あそこ見て下さい!プレートに何か書いてますよ!」
「あ、本当じゃん」
「──『即死エリア』って書いてあるわね……」
第一階層は、入口から直接つながっており、これまで幾度となく攻略を試みてきた冒険者たちを一瞬にして殺してきた。(この世界の人間はこの情報を知らないのだが。)
「……っ!?愛花、後ろ!!!!」
「え?……わ!?????!!!!」
立山が愛花に注意を促した直後、愛花の後ろには、突然球体が迫ってきたが、間一髪でそれを躱す。
「……即死エリアって、こういうことですか……やばいじゃないですか……」
愛花は顔を青ざめる。
「……慎重に行きましょう」
「おう」
────1時間経過。
「愛花!しっかりして!!」
「……ひぇぇ……ごめんなさい……!」
「……」
3人は現在、第一階層を突破するべく奮闘していた。
第一階層は想像していたよりもかなり広く、かなりのペースで進んでいるが次の階層へと進める気配がない。
「……あ、見て下さい!あそこ、何か光ってますよ!!」
そんな中、3人はある光り輝く部屋を見つけた。
「皆さん、ここ、宝箱ありますよ!!!」
愛花は、初めて見る宝箱に興奮し、そのまま部屋へと走っていく。
「……っ、愛花、一人じゃ危ない!!!」
「……あ」
「ちっ!油断すんじゃねー!!」
嫌な予感がした立山と龍太郎は、慌てて愛花を追いかけ、部屋へと滑り込む。
その瞬間、開かれていた部屋の扉が突如として閉まる。
「……あーこれやべーやつ」
龍太郎が呟いた。
お約束の展開を頭に浮かべた。
「……っ!?」
突然、立山が居た部分の床が消滅した。
とっさに反応した立山は、慌ててその場を離れる。
「……これは」
床が消えて空いた穴を見ると、その直下には、プレス機のようなものが動いている様子が見えた。
もし落ちていたら工場で使われていそうな明らかに強力なプレス機が、体を粉砕していただろう。
異世界の英雄としての補正がなければ、死んでいたかもしれない。
また、他にも穴が開いていて、それらの穴の下には高速で回り続けるプロペラのようなものが設置されていた。
想像することすら恐ろしい。おそらく落ちたら体にプロペラが食い込み、そのままカットされてしまうだろう。
「全員固まるわよ!」
危険だと判断した立山が全員が固まることを指示した。
「はい!」
「おお」
そしてその直後、今度は天井から何かが降ってくる。
「……まじか」
「30体はいるわね」
立山は、最近取得した『感知』のスキルを利用し、出現した魔物の情報を入手する。(『感知』スキルはレベルが一定になると、異世界の英雄は取得することができる。)
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【種】『エンペラ―・ゴブリン』
【レベル】60
【種ランク(世界基準)】B(危険)
【種ランク(異世界の英雄基準)】低い
―――――――――――――――――――――
「……」
(……なるほど、油断しなければ大丈夫そうね)
現在の3人のレベルは大体80程なので、レベルだけで見てもゴブリンには負けていない。
それに加えて異世界の英雄としてのステータス補正があるので、普通に戦えば負けることはないだろう。
「……私たちの方が有利だから、慎重に、冷静に戦うわよ!!」
「了解です!」
「おう!!」
──そして、さらにその2時間後。
ついに、彼・彼女らは第一階層を攻略した。
-第1話 完-
お読みいただきありがとうございます。
前書きにも書きましたが、今日はもう1話投稿します。




