番外編10:ランクS英雄の日常 Ver.中田翔
番外編10です。
「──はぁ……だるーー……」
「ショウ様!!!真面目にやってください!!!!」
「おーう……」
俺は中田翔。
ゲーム好きの普通の高校生である。
明らかに普通の高校生とは違う生活をしている親友とは違い、俺は本当に普通の高校生だと思う。
「……仕方ない、やるしかないかー」
俺は一か月前、親友の夜川平らクラスメートと共に、異世界へと召喚された。
現在俺はケース帝国・帝都に派遣され、そこで自身がリーダーを務めるパーティーで活動している。
「『フレイム・バースト』」
「──ギャ!?」
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【名前】中田翔
【年齢】17歳
【性別】男
【職業】炎の勇者/戦闘系/ランクS
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この通り、俺は『炎の勇者』だ。
この世界の人間を守るために、異世界から紹介された。
そんな俺の現在のステータスがこちら。
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<ステータス>
【LV.】142
【HP.】1205
【AP.】1826
【MP.】523
【DP.】364
【魔法属性】 炎
【固有魔法】なし
【固有スキル】
『ゲーム感覚(改)』
任意でオンオフ可能。
相手を殺したときに、相手の死体がゲームのように消えていくように脳が認識する。
また、相手が出血した時その血をデジタル表現にする。
【スキル】
・剣術(LV.10)
・魔法剣(LV.10)
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召喚された時と比べると、随分とレベルも上がった。
「……よし、倒したか」
目の前の魔物が俺の前でゲームのように消えていく。
俺の固有スキル『ゲーム感覚(改)』のおかげだ。
(……ふぅ……)
俺が魔物を攻撃すると、たいていの魔物は一撃で死ぬ。
だが俺は、『血』を見るのが本当に苦手なのだ。
めちゃくちゃ血が出るタイプのゲームは苦手だし、現実で大量の血を見た日なんか、しばらく寝ることすらできなかった。
そんな中、このスキルのおかげで俺は異世界スローライフ(?)を送ることができている。
本当に素晴らしいスキルだ。
俺がどんなに相手を傷つけようが、このスキルのおかげで血を見ることが無くなった。
「……ははっ、こんな生活も、悪くはないか」
「何言ってるんですか!!早く全部倒しますよ!!」
パーティーで団体行動するのは結構大変だけど……。
***
パーティーのみんなと馬車で帝都に帰っていた帰り道のことだ。先程まで俺たちは帝都から少し離れた場所でレベル上げをしていた。
ケース帝国の帝都はなかなか住み心地が良く、びっくりするくらい金回りも良かった。
そんな訳で俺は早く帝都に帰りたかったのだが──
「……ん?」
何やら、外が騒がしい。
馬車が止まった。
「……あー……そういうやつかー……」
どうやら俺たちは、大勢の盗賊に囲まれたらしい。
「──あ?」
外から聞こえる声に耳を傾けると、盗賊たちの要求が鮮明に聞こえてきた。
彼らが言うには、この馬車に乗っているケース王国の王女を寄越せ、とのことらしい。
「──なんだこいつら」
他の国のやつらか?
「……ショウ……様……」
先程までパーティーメンバーとして戦っていた王女(治療役)が怯えていた。
「……はぁ……仕方ないな……終わらせてやるよ」
俺は馬車から出る。
「あ゛?何だてめぇ!!ヒョロガリは引っ込んでろよぉ?」
盗賊団のリーダーと思われる男が、俺の前に現れる。どうやら、こいつらは全員仮面のようなものを被っている。
「……お前がリーダーか……一応言っておく。降伏する意思はあるか?」
「あ゛?舐めてんのか、てめぇ!!?」
「……あー、そう」
(平みたいに、俺だって殺したい訳じゃないんだけどなー。まぁ、俺はあいつほど『できた人間』じゃないんだよ)
俺は俺のために力を使う。
平みたいにはなれそうにないな。
「『魔法炎剣』」
「…………ん!?」
「死ね」
俺が炎を纏わせた剣を一振りするごとに、何人もの盗賊が俺の前からゲームのように消えていく。
実際には死体が転がっているのだろうが。
「──はははっ」
そして数分も立たないうちに、盗賊は全滅する。
命乞いしてきたやつもいたような気がするが、襲ってきた以上は殺すのが、俺の考え方だ。
「……さて……帰るとするか」
俺は、馬車へと戻っていった。
***
『盗賊たちのデータ』
・盗賊たちは皆仮面を被り、素性がバレないようになっていた。
・盗賊の多くは『奴隷』で、洗脳魔法をかけられていた。
―番外編10 完―
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