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第13話:神の領域

 第13話です。




 ──ある日、『それ』を使った者が、突然消えてしまった。


 『それ』は昔から、【転移の魔力石】と呼ばれ、対象者を『神の領域』へと転移させると言われていた。


 『神の領域』──そう、『世界の壁』の外側へ。




          ***




「─────ここは……どこだ……?」


 エキシビションマッチの直後。

 何故か俺はスタジアムからどこかへ飛ばさせられてしまったようだった。


「……」


 辺りは真っ白だ。 

 全てが光に照らされている、と言えば良いのだろうか。


「──あら?こんなところに何故人間がいるのかしら?」


「……!?」


(……全く気づかなかった)


 俺は、突然後ろから話しかけられた。

 振り返ると、目の前には20代くらい(?)の女性がいた。


「……そうですね……実は──」


 戸惑いつつも、ありのままのことを話す。

 何故かは分からないが、この人のことは信用できると思ったのだ。


「──あー!!なるほど!!君、『転移の魔力石』で転移させられたんだよ~」


「転移、ですか?」


「ええ。私はこの世界を管理している女神。ここは『神の領域』だよ?普通、『世界の壁』によってここには来られないはずだからね。」




          ***




「でも、君すごいねー。普通の人間はこの空間に来ると肉体と精神が耐えられなくて死んじゃうんだけどな~」


 目の前の女性──この世界の女神は、そう言った。


「……それはもしかしたら自分が『異世界の英雄』だからかもしれません」

「あー!なるほど!!君異世界から召喚された英雄君か!!それなら確かに強度が高いはずだからね」

「……元の場所に戻る方法はありますか?」


 俺は、一番大事なことを聞く。

 俺が本当に転移させられたのだとすれば、元の場所に戻れるかが重要だ。


「んー?そうだねー、別に私の権限なら簡単に元の場所に戻れるんだけど……」

「……?」

「──久しぶりの人間だしちょっと付き合ってもらおうか!」




          ***




「なるほど。そういう仕組みになっているんですね」


 俺は、女神様と一対一で話をしていた。

 その会話の中で、俺はかなりの情報を得ることができた。どうやら、目の前の女性は本当にこの世界の女神様のようだ。


 ちなみに、女神様でも俺たちをダイレクトに元の世界に戻すというのはなかなかできないらしい。その辺は細かいルールがあるとのこと。

 ただ、なんとかできるか検討してくれるようだ。



「えへへ、やっぱり人間との会話は楽しいな~」


 女神様は笑顔だ。


「あ、そうそう、せっかくだから、何か凄いことしてあげよう!!何かリクエストある?基本的に何でも良いよ?私たちの仲だしね!いくつでも良いよ」


 そんな会話の中、女神様はそんなことを言い出した。


「……なんでも、ですか?」

「ええ。お金でも、チート能力でも、ハーレムでも、なんでも良いわよ?」

「……」


 俺はその言葉に揺れる。

 自分が一番欲しているものが何なのか、考えた。


 その上で、俺は答えた。


「──では、あることができるようにしてもらえますか?」


「うん」


 女神は笑顔で頷いた。



「俺の望みは一つです。俺の願いは────」


 (おさむ)は、自身の願いを伝える。



「……え?そんな事で良いの?」


 女神は、ポカン、という表情をする。



「はい」

「まぁ、良いけどー。じゃあ、その能力をあげるね」

「ありがとうございます」


「じゃあ、せっかくだから、ついでにここに転移する能力もあげちゃうね。いつでも私の話し相手になってね!!」

「あ、はい」

「じゃあね、バイバーイ!!」

「……っ!?」



 気づけば、俺はスタジアムの中央に降り立っていた。




 -第13話 完-

 お読みいただきありがとうございます。


 2日空いてしまいました。やはり私には毎日投稿など無理なのでしょうか。


 pv、ブックマーク等、ありがとうございます!

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