第11話:エキシビションマッチ②
第11話です。
「──さて、俺は次2回戦……というか決勝か」
俺は、一回戦を突破したのでスタジアムの控室にて第二試合を観戦していた。
第二試合は、5年Aクラスの担任『ヨシア』先生と、Sクラスの担任のあの校長の試合だ。
「……あの校長の戦いは初めて見るな」
***
……結論から言おう。
なかなか面白い試合だった。
5年Aクラスの『ヨシア』先生の強力な攻撃を、さらに強力な魔法で粉砕する校長。
かなり強力な魔法だけあって絵になる試合だったのではないだろうか。
また、この学校の校長というだけあって、魔法力はかなりのものだった。
レスト王国一の魔術師、だったか?あのズィガよりもはっきり言って強いと思う。
無詠唱は勿論のこと、魔法の完成度が高い。
おそらくだが、ズィガはこのレスト王国で現役一の魔術師、ということなんだろうな。
もう校長はエキシビションマッチでしか表には出ないらしいし。
「──次は俺の番か」
俺は、決勝が行われるためそのままスタジアムの中央へと向かっていく。
「……ん?」
すると、スタジアムの中央──つまり試合が行われる場所に、何やら真剣な表情で立っている校長『レイト=タイド』の姿があった。
「……こうして向かい合うのは数ヶ月ぶりだな。ヨルカワオサム」
レイトは、平が位置につくと、話始める。
「……謝罪しよう」
「……?」
「私は、お主の実力を測り違えていた。そのせいで、舐めた態度をとってしまったことを、謝罪する」
レイトは頭を下げて謝罪しだした。
「──で、あるから。この試合では、私の本気を見せることを約束しよう」
そして、厳かにそう言った。
「──それでは、試合開始です!!!!!」
***
「──では、こちらからいかせてもらおう。『サンダーボルト』!!!!」
校長であるレイトは、歴代でも数少ない『雷』属性の魔術師である。
異世界の英雄以外、属性は普通限られているためだ。
(……やはり、流石だな)
レイトが発動した『サンダーボルト』は、明らかに威力が他の教員の魔法と威力が異なっている。
また、かなり見た目も派手で、エキシビションマッチにふさわしいものだった。
「──『バリア』」
「……なに?」
平が発動した魔法に、レイトは違和感を覚える。
『バリア』は、光属性の初級魔法であり、この学校の生徒であるならば(光属性の生徒は)みな使える。
当然威力は低く、通常同じ初級魔法しか防ぐことはできない。
だが平は、あえてここで初級魔法を発動した。
これは、魔法構築による威力の差を生徒たちに見せるためだった。
「…………」
「な……!?」
平の『バリア』は、レイトの『サンダーボルト』をいとも簡単に防ぐ。
そして、スタジアムの観客席の生徒、一般客たちはその『バリア』の複雑さ、精密さに目を奪われた。
また、それはレイトも同じだった。
「──今度は私からです」
「……っ!?」
平の魔法構築を見て、レイトは絶句する。その複雑さは、もはや人間の行えることとは思えなかった。
「──『聖なる世界』」
平は静かに、しかしはっきりと魔法名を呟く。
その瞬間、このスタジアムは別世界となった。
「……まさか……この地を自分の世界にしたとでもいうのか?」
レイトは、もはや一瞬何が起こったのか理解出来なかったが、この状況が自分にとって絶望的状況であるということだけは分かった。
「──く……ははは……!!」
そんな中、レイトは何やら笑い出した。
「ん?」
(……?どうしたんだ?)
「──この試合、私の負けだ」
***
「うぉぉぉ!!!?」
「何だあいつ!?」
「校長に勝ったぞ!?」
スタジアムの観客席から、とんでもない量の声援が送られてくる。
(……勝ったのか。まぁ、できる限りのことはやったな。みんなの成長の一助になれたら良かった)
「ヨルカワ先生ー!!!!」
「おめでとう!!!」
観客席の2年Cクラスの生徒……いや、新Aクラスの生徒たちも、俺に拍手してくれている。
「…………」
俺は、一例してからスタジアムの中央から立ち去ろうとする。
──そのときだった。
「……は?」
俺は気がついた時にはすでに、スタジアムから消えていた。
―第11話 完―
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