表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/157

第6話:『2年Aクラスvs2年Cクラス』①

 大変遅くなりました。第6話です。





「──さて、始まりました、第二回戦!!!第一試合は、注目の一戦です!!!なんと本校史上初めてCクラスが二回戦に進出しました!!2年Aクラスと2年Cクラスの対戦です。目が離せません!!!……それでは早速、選手の紹介です。まず先鋒──」


 司会の合図で、選手が入場する。


 2日目担当の司会が、2年Aクラスと2年Cクラスのそれぞれの選手の紹介をしていた。昨日もやったのだが、昨日の試合を全員が全て見ているわけではない。


(……というか、二回戦にCクラスが進出するのって史上初なのか……あいつら、本当に頑張ったな)


 俺は、スタジアムの門の警備をしながら、魔法によるライブ中継で生徒たちの様子を見ていた。

 昨日は警備で忙しく見る暇はなかったのだが、どうやらここからでもライブ中継は見れるらしいので、自分の生徒の試合くらいは見ても良いだろうと思い、辺りの警戒はしつつ、試合の行く末を見守っているのだ。


「……頑張れよ」


 生徒たちには、昨日『お守り』も渡してある。

 できることはやったつもりだ。

 俺は静かに、生徒たちへエールを送った。




          ***




─────────────────────

<2年Cクラス>


 先鋒:セイレ=アビュース


 次鋒:アーロン=ウォーラー


 中堅:シンシア=ハード


 副将:ハウセ=グリンド


 大将:イディア=エンブル

─────────────────────



─────────────────────

<2年Aクラス>


 先鋒:フレイ=バイオレント


 次鋒:テイミー=ピースフル


 中堅:グラウ=スィダン


 副将:アイ=ア=フォート


 大将:フレディ=ア=フォート

─────────────────────




          ***




「──ふふふ、よろしくお願いしますね」

「は、はい……、よろしくお願いします!!」


 先鋒戦は、一回戦と順番は変わらず、2年Aクラスは『フレイ=バイオレント』、2年Cクラスは『セイレ=アビュース』だ。


 ここでもう一度二人の特徴を確認しておくと、こんな感じ。


─────────────────────

 『フレイ=バイオレント』


・赤髪ロングに金目で、レスト王国のバイオレント男爵家の長女。お嬢様的見た目。


・身長は165cmほど。服装は他と同じく制服。


・種族は『人間』。

─────────────────────


─────────────────────

 『セイレ=アビュース』


・茶髪碧眼で、人類の領域に移住してきた父母の娘。


・身長は156cm。服装は制服。


・種族は『獣人(猫)』。 

─────────────────────


 


「──試合、開始!!!!!!」

「……ふふ、小さな獣人さん」


 試合が始まると同時に、フレイは笑顔でセイレにゆっくりと再び語りかける。


「……えっ?」

()()()()()。──」


 フレイは、何やら怪しげな動作を見せたかと思うと、次の瞬間には、魔法を構築していたのだ。


「…………っ!?だっ、【大地よ──】」

「──『ファイア』!!!!」


 そして、すぐさまフレイはセイレに向かって昨日の試合と同じ『ファイア』を発動する。


「……っ『ロック・ウォール』!!!!」


 だが流石は異世界の英雄の生徒と言うべきか、セイレの判断が早い。

 襲いかかる『ファイア』を、『ロック・ウォール』で相殺した。


「おやーこれを防ぎますか……」

 防がれるとは思っていなかったのか、フレイの顔に若干の焦りが生じるが、フレイはそれを悟らせない。すぐさま次の攻撃の準備に入る。


「……っ」

 一方のセイレは、『ロック・ウォール』を使った反動で一瞬体が硬直する(人類の領域においての中級魔法に当たる『ロック・ウォール』は、強力だが発動後3秒間体が硬直するデメリットがある)。


 また、魔法を唱えるために必要な構築の時間は、大まかに言うと3つの要素から導き出せる。



─────────────────────

 ①属性:光、火、水、土、回復、闇の順に構築が早い(この他に、特殊な属性があるのだが、それらの属性を持つのは特殊な人間や魔人などのような存在のみである。そのため、属性による構築の速さは求められない)。

 ②系統:攻撃系、サポート系、防御系、回復系、状態異常系の順に構築が早い。

 ③魔力消費:多いほど遅い。

─────────────────────



 基本的に、人間は生まれつき魔法の属性が与えられ、その属性の魔法のみ使用することができる。

 セイレの属性は『土』、フレイの属性は『火』であり、魔法の速度的に見るとセイレがやや不利といったところである。


「──【炎よ、この手に宿れ。神よ、我に力を与えよ。我、ここに魔法発動を宣言する】『ファイア・ボール』!!!」


 『ファイア・ボール』は、『ファイア』よりも強力な魔法で、人類の領域においては中級魔法に分類される。


「……えっ!?」


 当然、中級魔法は、初級魔法よりも構成が難しいから中級魔法なのである。そのため、構築のための時間も初級魔法の数倍はかかるのが普通なのだ。


 だが──


(……早いです……!?)


 セイレが予想していたよりも数倍早く──初級魔法の『ファイア』とほぼ同じ速度でフレイは魔法を完成させ、セイレに放った。


「……くっ【大地よ】」


 『ロック・ウォール』がまだ生きているとは言え、相手も中級魔法を使う以上、壁が破られてもおかしくはない。そのため、セイレは3秒の硬直状態から解放されるとすぐに魔法を構築し始めた。


 だが、それでは間に合わない。

 

「──ぐ………………ああ!?」


 セイレは、『ロック・ウォール』に穴を開けて襲ってきた『ファイア・ボール』が直撃し、場外へと吹き飛ばされた。




          ***




「──レ──セ────レ─────────セイレさん!!!!!!?」

「…………?……あれ?」

「あ、セイレさん!!目が覚めたんですね!!!」

「……ここは……?」


 セイレは、あたりを見回す。


「……私……」

 どうやら、ここはスタジアムの医務室のようだった。


「──良かったです!!……試合中にかなり吹き飛ばされたんですよ?これくらいの怪我で本当に良かったです……」

「あ……みんなは……みんなはどうなりましたか?」


 セイレは、そのことだけが気がかりのようだ。


「あ、そのことですか?まだ時間もあまり経っていないので試合中です。仲間の試合をこれでみれますよ!」

 セイレが心配そうな顔になっているのを見て、すぐさま試合の中継を流す(魔道具は医務室にもしっかりと設置済み)。


「ポーラ先生……ご迷惑をおかけしました……」

「えっ!?そんなことはないですよ!!──セイレさんは本当によく頑張りました。これからまた次の試合が始まります。仲間の試合、見届けてあげて下さい!!」




          ***




「──さて!!!!!!先ほどは少しハードな試合にはなりましたが、続いては次鋒戦になります!!!!!」



─────────────────────

次鋒戦

『テイミー=ピースフル』対『アーロン=ウォーラー』



『テイミー=ピースフル』

 紫色のショートの髪に、紫色の目が特徴のピースフル伯爵家の長女。

 身長は150cm以下で小柄。服装は制服。

 種族は『人間』。

─────────────────────



 さて、注目の2人だが、2人はかなりタイプが似ていた。


「よ、よろしくお願いします……」

「あ、こちらこそ……よろしくお願いします……」


 2人ともどこか自信なさげな性格で、試合前におどおどとしている。だが、2人とも魔法の腕は確かだ。

 そして偶然にも、この2人は両方とも速攻タイプである。

 その魔法のスピードや正確性、戦術によって1回戦を勝ち上がってきた。



「──試合、開始!!!!!!!」



「──っ!」

「──ふ!」



 2人は、試合開始の合図とともに、一瞬にして魔法の構築を開始する。


 ちなみに、2人とも速攻タイプとは言っても、細かいところで見ると少し戦術は異なる。


 アーロンは、土属性の魔法使い。相手の行動を早いタイミングで土属性の魔法で制御し、相手に反撃の隙を与えないようにするコントロール型の速攻タイプだ。


 一方のテイミーは、珍しい闇属性の魔法使いで、相手が魔法を発動するよりも前に、とにかく相手に攻撃を仕掛け、行動不能にするという、いわゆるスタンダードな速攻タイプ。ただし、闇属性は発動が他に比べると遅いので、腕の見せ所という訳だ。



「【大地よ、この身に宿れ。神よ、我に力を与えよ。我、ここに魔法発動を宣言する】」


 そして、アーロンの魔法構築が完成する。

 この間、2秒。


「『ロック・プリズン』!!!!」


 この魔法は、(おさむ)の元で、とにかく練習した魔法だ。

 本来、土属性の魔法はあまり構築が早くないのだが、必死にこの日のためにこの魔法だけを練習した結果、ついにここまで早く魔法構築をすることに成功したのだ。


「──っ!!!」


 そして、ティミーは『ロック・プリズン』によって包まれ、身動きが取れなくなっていく。



 のだが──



「────え……?」


 気づけば、アーロンの体は、前へと倒れる。


「……な、何が……起きたの……?……まさか……」


 そして、アーロンは見た。

 『ロック・プリズン』の微かな隙間から、伸縮自在な闇属性魔法『ダーク』が、既に自分を捉えていたのを。

 テイミーは、自身が魔法を発動するまでの約2秒間よりも前に、魔法を発動していたのだった。



「……ぶ……ぶおえっ!?……ゔっ……」

 だが、テイミーもまた、かなり無茶をしたようだ。

 アーロンのように倒れることはなかったが、脳が処理に耐えきれなかったのか、スタジアムの上で嘔吐してしまう。

 しかし、それでも彼女は立ち続けた。絶対に負けてはいけないと、心の底から思っているようだった。



「──し、勝者、テイミー=ピースフル!!!!」




 ―第6話 完―

 お読みいただきありがとうございます。


 実に1か月半更新されないままとなってしまいましたが、なんとか3月中に再開することができました。


 これからはまた更新していきたいと思います!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ