第26話:『異世界の英雄』①
第26話です。2日に1回投稿5回目です。
「『エンシェント・フレア』!!!!!!」
セルフィシュは、魔法『エンシェント・フレア』を使用した。
この魔法は、人間が使用することはほぼできないと言って良い。魔人の中でも上位のものだけしか使えない。
「…………」
絶体絶命と思われた平は、1人思考していた。
(……さて、どうしたものかな。確か魔法が通用しないんだよな?……ただ、あいつは『自身を対象』にしたもののみと言っていた。……つまり、あいつを対象にしなければ良いのか?……先程、魔法を使わなければ良いとは言ったが、早速試してみるか)
────『身体機能完全強化』。
平は、まず、『実験』が失敗したときのことを考えて『身体機能完全強化』を使って自身の守りを固める。
そして、次に『実験』用の魔法を発動させた。
「────『暗黒の弾丸』!!」
―――――――――――――――――――――
【魔法名】暗黒の弾丸
【属性】闇/攻撃
【魔力消費】1発辺り:5000
【範囲】自身が認識できている対象(視認する必要はない)
【効果】闇属性の強力な弾丸を発射する。
―――――――――――――――――――――
(対象は────あいつの『魔法』だ)
その瞬間、辺りに轟音が響き渡った。
「────っ!!」
「────なっ!?」
そして、それと同時にセルフィシュと平は衝撃波のようなものに襲われた。
*
(……っ、流石にすごい威力だったな)
平は、『身体機能完全強化』で肉体を強化したことによって無傷だった。
「……どうやら、実験の甲斐はあったみたいだな」
(どうやら、対象をあいつではなく『あいつの魔法』に設定すれば、魔法は無力化されないらしいな)
「────っ、貴様、一体何をした!?」
一方、同じく衝撃波に襲われたはずのセルフィシュだが、平と同様に無傷だった。ただ、動揺は見て取れる。
「…………」
(……どういうことなのだ!?あいつの魔法は何故無力化されない?……いや、確かに魔法を対象にした場合には無力化されない。それよりも、私の『エンシェント・フレア』を相殺するなど……どうなっている!?)
「……なあ、もうやめないか?俺はお前がもうこんなことをしないと約束してくれるなら、俺自身は別にこれ以上戦う必要はないんだが……」
「……っ!!貴様ァ…………いいだろう、どんな手を使ったのか知らないが、それなら本気で叩き潰すまで!!」
平の言葉によって、彼の狙いとは逆にセルフィシュは激怒する。
そして、セルフィシュは最強の魔法を発動した。
「…………貴様……、潰してくれるわ!!『エンシェント・ヘルフレア』!!」
セルフィシュは、今使用できる中でも最上位の魔法を発動させる。
この魔法は、『エンシェント・フレア』の強化版で、触れるだけで一瞬で相手を燃やし尽くし、骨すらも残らないという恐ろしいものだった。そして、弱いものは近くにいるだけで灰になるだろう。
セルフィシュは普段、この魔法を使うことなどほとんどない。
何故かと言えば、単純に彼の『切り札的』魔法だからである。魔力消費は馬鹿にできず、これを使えば自身の魔力は尽きる。
なお、この魔法を通常人間が発動することはできない。上位魔人でも特別魔力の多い者──セルフィシュなどしか使えない。上位魔人より格上の魔人王ですらも、連発はほぼできないと言って良い。
だが、今回は躊躇わずに使う。
そうしなければ勝てないと、セルフィシュの本能が告げていたのだ。
だが────
(────これは少しまずいな。おそらく『暗黒の弾丸では相殺できない。違う魔法を使わなければ……これはどうだ)
「『全てをかき消す光』」
―――――――――――――――――――――
【魔法名】全てをかき消す光
【属性】光/サポート
【魔力消費】対象1つに対して10000
【範囲】対象1つ。どんなものであっても対象に取れる。ただし、自分より『上位』の存在は対象に取れない。
【効果】光によって、存在をかき消す。
―――――――――――――――――――――
(……っ!?何が起きた!?)
その瞬間、セルフィシュが発動した、人間では絶対に再現することのできない古代の炎は、もともとその場にはなかったかのように、消えた。
「──俺の勝ちだな」
そして、いつの間にかセルフィシュの目の前には、その喉元に杖を突きつけた『異世界の英雄』がいた。
―第26話 完―
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