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不殺の賢者〜高校生は不殺主義で異世界を生きる〜  作者: 水坂鍵
第2章:魔の襲来と魔術学校
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第22話:異世界の英雄の無双②

 第22話です。





「──取り敢えず、6521体を含めて、出来る限りやってしまおう……」


 俺の前方には、見渡す限りの動けない魔物たちがいる。

 また、ここからでは見えないがおそらくあと3500体ほどいるのだろう。


「攻撃魔法は……、強そうなのはこの辺か」



―――――――――――――――――――――

〈使用可能な攻撃魔法(一部)〉


 ・聖なる炎(セイントフレア)/魔力消費:500/光


 ・暗黒の炎(ダークネスフレア)/魔力消費:500/闇


 ・完全なる殺害(パーフェクトマーダー)/魔力消費:12000/闇


 ・次元(ディメンション)殺害(マーダー)/魔力消費:50000/闇


 ・聖なる絶対領域/魔力消費:50000/光

―――――――――――――――――――――



 ふむ……。


 何というか……魔力消費が多い魔法の方が強力だろうと思って探してみたが、物騒な名前の魔法が多いな。


「えーと」



―――――――――――――――――――――

 【魔法名】聖なる絶対領域


 【属性】光/攻撃


 【魔力消費】50000


 【範囲】自身から5キロメートル離れた地点までの、指定したエリアに存在する悪。


 【効果】エリア内の悪は浄化され、死亡する。

―――――――――――――――――――――



「…………」

 ……少し抽象的だな。

 そもそも『悪』の定義がよく分からない。これではもしかしたら何かを巻き添えにしてしまうかもしれないな。


「──となると、これか」



―――――――――――――――――――――

 【魔法名】完全なる殺害(パーフェクトマーダー)


 【属性】闇/攻撃


 【魔力消費】12000


 【範囲】視覚で捉えて認識した生物。認識できれば対象の数に制限はない。


 【効果】対象の状態を『死亡』にする。

―――――――――――――――――――――



 次元殺害の方と迷ったが、これもよく分からないので、取り敢えずイメージできそうな方を選んだ。


「さて、いくか。『完全なる殺害(パーフェクトマーダー)』」



「「「「「」」」」」


 俺がその魔法を唱えた瞬間、一瞬にして辺りが静寂に包まれた。

 先程まで、状態異常に陥った魔物たちの大声が響いていたのだが、もはやその声は聞こえない。


「…………」


 俺は『生命探知』を確認する。


「……どうやら、これで7割近くの魔物を倒せたらしいな」


 俺の視界に入っている魔物はほぼ全て死んだようだ。


「──ふむ」


 そして、魔物の多くが死んだことによって、その奥にいた魔物が視界に入るようになる。


「よし。『完全なる光』『究極の暗黒』『大束縛』」


 俺は再び3つの魔法を使用し、残りの魔物も無力化する。


  

―――――――――――――――――――――

【報告】レベルが上がりました


【理由】魔物2980体の無力化により、固有スキル『殺しを嫌う者』が計2980回発動したため。


【レベル】132041→191641

―――――――――――――――――――――



「──よし、これでほぼ全ての魔物を無力化したな」


 『生命探知』により、俺の魔法で無力化されていない魔物はほぼいないことを確認する。

 まだ無力化されていない魔物は、俺からかなり遠くにいるか、偶然視認できない位置にいるかだと思われる。


「『完全なる殺害』」


 取り敢えずこれで、ほぼゲームセットだ。


「──残りの魔物は……あと28体か」


 これからは、一気に叩く。


「殲滅開始だ」




           *




「ぐきゃあぁ!?」


 俺の目の前にいるイカのような化け物(おそらくBランクの魔物の『キングクラーケン』だと思われる)が倒れる。



「……」

 俺は自身の攻撃力を確かめるため、試しに魔法を使わずに護身用の短剣で戦ってみたのだが、割とあっさりと勝ててしまった。


 Bランクの魔物の相手をすると、高ランク冒険者でも死ぬことがあるらしい。


(流石にレベルが10万を超えているだけはあるな。クラスメートも今頃こんな状態になっているのだろうか?)


 そんなことを思いつつ、俺は残りの魔物を『生命探知』によって探す。


「……どうやら、次で最後みたいだな」


 俺は、最後の魔物を倒すため、その場所へと向かった。



「……なるほど」


 そこにいたのは、人型の化け物だった。

 目は4つ、足は2つ。ツノがあり、皮膚は紫色だ。


(……一応人型だからな、話しかけてみるか)


「おい、お前。会話はできるのか?」


 俺はその魔物に話しかけてみる。


「ガァ?シャァぁぁぁ!!!!!」


(ふむ……、まぁ『生命探知』で意思疎通ができないということは分かってはいた。一応声をかけてみたが、この様子じゃどうにもならないな)


 実を言うと、魔物と意思疎通を自動的にできるように『翻訳魔法』が通訳してくれているらしい。

 だから、言語が違っても、理論上は知能が高い魔物ならば会話ができる意思疎通ができる可能性があるようだ。


 とは言え、まだ意思疎通ができる魔物とは会ったことがない。

 ちなみに、調べてみると『ドラゴン』など特殊な魔物は知能が高いらしい。


 どうやら、目の前の魔物にそこまでの知能はないようだった。


「……仕方がないな。……ふっ!」


「がぎゃあァァ!?」ら


 俺はナイフを振りかざした。




            *




「──終わったな」


 魔物約1万匹は、ついに全て倒された。

 俺は残っていた魔物を倒すために海岸沿いまで来ていたのだが、その途中レメディの方から歓声のようなものが上がっていた。


「う゛っ………ボえ……」


(……流石に気分が悪い……)


 だが、街の方から聞こえる歓声が、自己満足だもしても自分を肯定してくれているような気がした。


(…………俺も役には立っているみたいだな)


 俺がこの世界に来たことは無駄ではなかったと、思えた瞬間だった。


「…………」












 ──その直後だった。


「……っ!?」


 俺は、数えきれないほどの魔法たちがまるで流星群のように空から降ってくるのを見た。


 

 ―第22話 完―

 お読みいただきありがとうございます。


 今は割と忙しくないので、どんどん投稿していこうと思います!


 pv、ブックマーク、ポイント評価等ありがとうございます!

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