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不殺の賢者〜高校生は不殺主義で異世界を生きる〜  作者: 水坂鍵
第2章:魔の襲来と魔術学校
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第5話:2年Cクラスの闇

 お待たせしました(待っている人は果たしているのか)。


 第5話です。




「……失礼します」


 俺はついに教室へと入った。



 すると、


「……ほう」

「おお……」

「ちっ……」


 など、様々な声が聞こえてくる。


 なぜ初見で舌打ちされなければならないのかはさておき、俺はまず教室内を見渡した。


 すると俺は、教室の後ろの方に昨日殴られていた女子生徒を発見した。


(……あいつこのクラスだったんだな)


「……はい、では皆さん。初めまして。こんにちは。私が皆さんの担任を任されることになりました夜川です。臨時なので具体的にいつまでこの学校にいるのかはわかりませんが、これからよろしくおねがいします」


 まずは挨拶が大事だろう。


「早速ですが、大事のことなので言っておくと、私は『算術』と『魔術実戦』の授業を担当させていただきます。」


 そして、俺が続けてそう言った瞬間、()()()()()()()()()



(……ん?)


「私は何か間違えましたか?」

 俺はこれから生徒になるはずの人たちに尋ねた。


「えーと」

 すると、女子生徒の一人が手を挙げた。


「あっ、どうぞ」

 俺はその生徒に視線を向ける。


「『算術』と『魔術実戦』って、先生は二つ免許を持っているのですか?先生はかなり若く見えるのですが」

 ああ……そういうことか。この世界でも一人が二教科教えることはあまりないのだろうか?


「ええ。ただ正確にはこの学校の適性検査に合格したという資格の免許です。国の共通免許はもっていません」

 俺は事実を伝えておく。後々問題になっても困るからな。


「えっ、この学校の適性検査に合格したんですか?」

「はい」

 何故か、余計にクラスがざわつきだした。


「……何か?」

「先生、『算術』と『魔術実戦』はこの学校だと合格するのはかなり困難だと聞きます。かなり優秀な成績を収めなければまず合格するのは無理なんですよ?」

「……なるほど」



「……このクラスにそんな優秀な先生が入ってくるなんて……!」

「これもしかして俺たち、()()()()じゃね!?」


 クラス中から喜びの声が上がっていた。


「……まぁ、よく分からないですが、これからよろしくお願いします」




           *




 始めのホームルームが終わり、俺はとりあえず校長室へと向かった。

 生徒の話の中で、よく分からない部分があったからだ。


「……校長先生、生徒たちが言うには、2年Cクラスにはこれまでろくな先生が居なかったらしいんですが、それは狙ってやっていたのですか?」

 俺はストレートに聞いてみた。



「…………」

 校長先生は、その言葉を聞くと、目を鋭くして俺を睨みつけた。


「……だとしたら何だというのかね?」

「いえ、気になっただけです。……あと、この学校についてもっと知りたいので、他の授業の『見学』に行っても?」

「それは構わんが……」


 校長は、俺の方を睨み続けた。


「君をCクラスの担当にしたということを、『理解』することだな。」

 そして、そう言った。




 俺は校長室を出た。


(なるほど……)


 どうやら、『俺』も『そう』だと思われていたみたいだな。

 情報もほとんど出してないし、当然と言えば当然か。



「……確か授業は午後からだったな」


 早速『見学』に行くとしよう。




           *




「えっと、ここの授業は『魔術応用』だったな」


 俺は教員用の授業一覧を見ながら、校舎を歩いていく。


「ほう……」

 授業が見えてきた。

 どうやら、『魔術応用』は校舎の外──元の世界でいうところの校庭で行われていた。


「これは……」


 何というか……これはどうなのか。

 俺自身、魔術には全然詳しくないからあまり偉そうなことは言えないのだが……何というか酷い。


 現在、校庭では2年Aクラスと2年Cクラスが合同で授業をしていて、クラス対抗の魔術合戦のようなものをやっているのだが(『魔術模擬戦』というらしい)、Cクラスの生徒はAクラスの生徒にボコボコにされている。


(これじゃあ、半分いじめだな……)


 俺の魔法はあくまで『異世界の英雄の力』だから一旦考えないようにするが、魔法にあまり詳しくない俺でもCクラスの生徒が上手く魔法が使えていないことなら分かる。


 2年Cクラスには落ちこぼれが多いとは聞いていたが……、これは少しまずい気がする。

 これは、何か手を打たなければならないかもしれないな。

 俺は、次に2年の他のクラスの授業を見に行くことにした。




 この学校には1年から5年まであり、それぞれAクラス、Bクラス、Cクラスがある。

 この3クラスは成績順になっており、Aクラスが一番上で、Cクラスが一番下らしい。


 ただ例外があって、学校に『超』がつくほど優秀だと認められた生徒は、特別に『Sクラス』に入ることができるんだとか。


「……やっぱり、Cクラスがダントツで成績が良くないな」


 魔術だけではない。

 『算術』、『魔術理論』などの学問もだ。


 俺が見た限りでは、この学校では成績不良者の救済措置がない。当然補習塾のような施設もないわけで、これでは落ちる者はどんどん落ちていくことになるだろう。



 それに、少し気になることがあった。

 Cクラスには、身分が高い者がほとんどいない。

 平民や、没落貴族、奴隷階級などのどこか問題(この言い方は正しくないかもしれないが)を抱えている生徒が多い。


 これが何故なのかは何となくは分かる。

 単純に受けてきた教育が違うのだろう。



「……やるしかないな」


 せっかくだ。俺も本気でいく。

 2年Cクラスは俺の担当なのだから。



 ー第5話 完ー

 お読みいただきありがとうございます。


 今私生活が最も忙しい時期なのでなかなか更新できませんが、もう少ししたらまた週2回以上更新できそうです。

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