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不殺の賢者〜高校生は不殺主義で異世界を生きる〜  作者: 水坂鍵
第2章:魔の襲来と魔術学校
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番外編2:1学期期末テスト①

 番外編2です。




夜川(よるかわ)君、ちょっと良いかしら?」


「……?委員長、俺みたいなのに何か用か?」




 1学期の終盤。

 2週間後に1学期期末テストが行われる。

 そんな時に、突然学級委員の立山が話しかけてきた。



「ちょっと、こっち来て」

「あ、ああ……」


 俺は、委員長に人気のない廊下へと連れられた。



「で、何だ?」

「……勝負よ、夜川君」

「え?」

「期末テスト……私と点数、勝負よ」


 そして俺は、何故か委員長から期末テストの点を競い合うことを要求されたのだった。


 ……何故?



「何でだ?」

 分からなかったので聞いてみた。


「貴方にわが校の顔の一人になってもらうためよ。」

「?」

「貴方、頭は良いくせにいつも手を抜いて適当にやり過ごしているでしょ。私はそれが気に食わないわ。そして、それは学校側も同じ」


 

 それはつまり……


「学校側からの圧力か」

「否定はしないわ。学校側は、成績が非常に優秀だと認められた証である『特待生』として入学した夜川君が、入学後それほど優秀な成績を取っていないことに苛立ちを覚えているそうよ」


 ……特待生は学校においてあらゆる面で『安く』済むから、受験したんだけどな。

 まさかこんなことになるとは……。


「……でも、学年で50番以内には入ってただろ。それじゃだめなのか?要項には最低基準がそれくらいって書いてあった」

「……はぁ……だめに決まっているでしょう?あなたは特待生なの。特待生は最低でも学年10番以内は取らないとだめ。そもそも、バイトを掛け持ちし過ぎなのよ」

「はぁ……じゃあ、俺はどうすれば良いんだ?というか、結局何で委員長と勝負するんだ?」



「それはね……」

 立山はここで、少し含みを持たせた。


「これは言わば学校からのメッセージよ。『何としてでも、活躍してもらう』というね。……生徒会長から言われたわ。『次の期末テストで、夜川(おさむ)に勝負をしかけろ』ってね。そしてこうも言っていたわ。『校長は苛立っている。学校の規則上、夜川の特待生を取り消すことはもうできない。だから、何としてでも夜川には好成績を取る人間になってもらう。そのためには手段を選ばない』」


 学費が一番安く済む学校を選んだだけなのに、こんな面倒なことになるとは。


「そして、今回勝負するにあたって、当然『賭け』が学校から用意されたわ」


 立山が言う。


「賭け?」

「ええ。もし、今回の期末テストの総合点、私に貴方が勝てば、なんとこれから学校でのあらゆる料金が、夜川君だけタダになるそうよ」

「……?」


「ただし、私に五科目以上負けた場合」

「……負けた場合?」

「これから卒業まで、一切バイト禁止よ」




           *




 大変なことになった。

 バイト禁止、か。

 それならもう学校辞めるしかないな。



 ただ、委員長って確か学年2位だよな?

 学校側は俺が絶対勝てないと思ってこの勝負を仕掛けているようだ。


 バイト禁止になったら、勉強に専念するか、辞めるしかなくなる。

 どちらにしても、学校にとってプラスなわけだ。

 勝てばタダになるというのも、絶対に勝てないと思っているが故の提案なんだろうな。



 うん。……仕方がない。


 いつもはあまり勉強は頑張らないようにしているんだが、今回だけは頑張ろう。




           *




 ──そして、期末テスト当日。



「夜川君、準備はどうかしら?」

 立山に声をかけられた。

「……まあ、なんとかなるはずだ」

 俺はそっけなく答える。


「始め!!」

 試験監督の合図で試験が始まった。




 


 ー番外編2 完ー

 お読みいただきありがとうございます。


 今週は、もう一回更新したいと思っています。一話ずつが短くてすみません……。


 下にあるポイント評価の星印、ブックマーク等、ありがとうございます。

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