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第19話:殺せない賢者、新メンバーとの初依頼をこなす②

 第19話です。





 ギルドを出て40分ほど経ったころ。


「着いたな」

「ええ、着きましたね」

「ここで間違いないんだよな?」

「はい。オサムさんには一切地図を渡していないので間違いないです」


 俺たちがたどり着いた場所──王都地下下水道は、俺の想像とは異なった場所だった。


「下水道って言うからにはもっとこう……汚くて臭いところを想像していたんだが……」

「とても下水道には見えませんね。流れてる水も綺麗です」


 俺たちは確かに地下下水道にいるわけだが、そこを流れる水は下水道とは思えないくらい綺麗だ。


「もしかして魔法で浄水とかしてるのか?」


 臭いも特にしない。本当に下水道か?


(この世界の水道のシステムがどうなっているのか良く分からないからな……。帰ったらミレイアさんに聞いてみるか……)


 ちなみにこの世界、というかこの国には水道が存在する。

 かつて召喚された異世界の英雄によって、魔法による水道が作られたんだとか。おそらく研究系の職を持った英雄が作ったのだろう。


「まぁ、思ってたより良い状況だから良しとしよう。それより、大毒ネズミを探すぞ」

「はーーい」


 俺たちは、王都地下下水道の奥へと進んでいく。

 しばらく経ったとき、


「!」


 "それ"は急に現れた。


「意外と大きいんだな」


 俺たちの前に現れたのは、簡単に言ってしまえば大きなネズミだ。確かに大毒ネズミの名の通りなのだが、大きいネズミとか、そう言うレベルではなかった。

 ネズミなのだから、大きいとは言ってもそこまでは大きくないだろうと勝手に思いこんでいたのだが、多分高さは3メートルくらいある。


 そして、大毒ネズミにはツノがあるようだ。

 身長3メートルくらいのうち、ツノは10分の1くらいだろうか?

 もし元の世界で歩いていて偶然こんなのと出会ったら、トラウマになっていたかもしれない。


("スーパーダーク")


 俺はいつも通り、スーパーダークで相手の目を封じた。

 いろいろ試してみた結果、この後に使う束縛の効果を高めるためにはまず最初にスーパーダークなどの技で目を潰しておくことが大事のようだった。本来束縛そのものにはあまり強い効果がないが、スーパーダークと組み合わせると、相手をほぼ完全に無力化できるというわけだ。


("束縛")


 そして、俺は相手の動きを止めるために"束縛"を放った。

 ちなみに今、束縛のレベルは2に上がっている。



──

 魔法名:束縛レベル2


 効果:低ランクの魔物の身動きを取れなくさせる。レベル1よりも成功率が上がる。


 魔力消費:10


 属性:光/状態異常

──



『相手を無力化することに成功しました。"殺しを嫌う者"を発動しますか?』


 この世界のシステム?が話しかけてきた。


(ああ)



──

 報告


 レベルが上がりました!


 1251→1271

──



(えげつないくらい上がるな……)


「無力化したから一気に頼む」

「おうっ」

「分かりました!」


 そう言って、龍太郎と委員長が大毒ネズミにトドメをさした。


(なんとか倒せたな……)


 俺の目の前には、大毒ネズミの屍が転がっていた。

 生き物を殺したという罪悪感と、鼻を突くような血と臓物の臭いで、俺は体を屈めたくなったが必死に耐えた。


「確か大毒ネズミの討伐で、持ち帰るのは耳だったよな?」

「はい。確かそうだったはずです」


 じゃあとりあえず耳を取ろう、とついこの前までの俺なら言っていただろうが、俺は新たな魔法を獲得した。


「『異空間収納・改』」


 俺が『異空間収納・改』を発動すると、目の前の3メートルを超える大毒ネズミの死体が俺の手元に吸い込まれた。


「えっ……」


 みんな驚いているようだな。

 それもそのはず。この世界には本来ここまで大きな物を入れることのできる収納魔法は存在しない。


 この世界の『異空間収納』は、せいぜい手提げバッグくらいの容量しかないため、魔物を討伐したら討伐証明部位だけをそこに入れるのが普通だとミレイアさんが言っていた。


 しかし、俺はレベル400を超えたときに『魔法創造(マジック・クリエイト)』の魔法が使えるようになったことで、自分に必要な魔法を創造できるようになった。


 時間があまり経っていない上に、作ってみて分かったが魔法を作るのはかなり難しいので、まだそこまで魔法を作れてはいない。でもとりあえず必要な魔法を作っておこうと思いこの『異空間収納・改』を作ったというわけだ(ちなみに、元からある魔法を改良して新しい魔法を作ることの方が、完全オリジナルの魔法を作るよりも簡単である)。


 いずれは、意思のある相手は殺さずに完全に無力化できるように、それ用の魔法を作れたら良いと思っている。


「よし。これで一匹目の討伐完了だな。次いくぞ、どうせなら手分けしよう。今くらいのやつなら別に手分けしても問題なさそうだからな」

「……今さらっと新しい魔法使いましたね」

「あ、ああ……そうだな……」


 ……ん?

 何故愛花は怒っているんだ?


「ランクめぇェ、!!!!!不平等過ぎるゥゥゥゥゥゥゥ!!!……わたしだってぇぇぇ、私だって頑張ってるのに……」

「あ……悪い」




            *




 結局、戦力のバランスを考えた結果2チームに分かれることになった。


 Aチームは、俺とミルスさんとルックたちだ。

俺が無力化しつつ、ミルスさんがトドメをさすという感じだろうか?

 Bチームは、愛花、龍太郎、委員長で、龍太郎と委員長が攻撃、愛花が回復という感じらしい。


 ちなみにチームは愛花と委員長が決めた。委員長いわく、俺なら非戦闘員2人がいても全く問題ないとのことだ。本当ならミルスさんはBチームに入れようとしたらしいが、俺が殺せないのを考慮してくれたようだ。


 ということで、AチームとBチームは、それぞれ別の方角へと向かったのだった。

 ちなみに、『収納魔法・改』は俺しか使えないので、Bチームは耳を切り落とすことになる。


「それにしてもオサム殿、さっきの魔法は一体何ですか?」

「ああ、あれか。あれは俺が朝悪夢で目が覚めたときに改良して作った魔法だ。普通の収納魔法なら前から使えたがそれだと容量が小さ過ぎる。結構頑張った結果かなりの容量の収納魔法が出来上がった。魔物の死体は別に買い取ってもらえるからな」

「魔法を改良……?よく分からないですが、異世界の英雄なら可能なのでしょうか?」

「異世界の英雄全員が可能かは分からないが……でも多分みんなできる」

「そんなものなのですか……!」


 そんなことを話していると、奥に大毒ネズミが見えた。

 まだこちらには気付いていないようだ。


「あっ、いたな。ミルスさん、後ろの2人を頼む」

「あ、ああ!承知した」


 俺はルックたちをミルスさんに任せると、目の前の大毒ネズミに一気に近づいた。

 

「スーパーダーク!!」

「ぐアッアッ!?」


 ネズミとは思えないような鳴き方だが、それは置いておいて俺はいつも通りの魔法を使用する。


「束縛!!」


 これで目の前の大毒ネズミは、ただのでかい置き物と同じだ。



──

 報告


 レベルが上がりました!


 1271→1291

──



「ミルスさん、お願いします」

「!!」


 ミルスさんと俺が入れ替わる。

 俺はルックたちを保護しつつ、ミルスさんを見守る。

 スーパーダークや束縛の効果が切れないとも限らないからな。


「大丈夫そうだな」


 ミルスさんの剣が煌めいた。

 見事大毒ネズミの息の根を止めたようだ。

 ミルスさんが戻ってくる。


「やりましたよ、オサム殿!」

「そうだな。じゃあ死体は俺が収納しておく」


 こうして、俺たちは無事大毒ネズミを倒したのだが、少し引っかかることがあった。


(確か大毒ネズミは一匹一匹がゴブリンと同じくらいの強さだが、そのかわり大量にいるんだよな?今のところ二匹しか見ていないんだが……。何か起こっているのか……?)


 ミレイアさんの説明を聞く限り、ここまで見ないのは少し妙だと思いつつも、俺たちは先へと進んだのだった。



 ー第19話 完ー

 

 お読みいただきありがとうございます。


 皆さまのpvやブックマーク、ポイントなどが励みになっております。ありがとうございます。


 こんな時期ですので、皆さま体調には十分に気をつけてください。


 これからもよろしくお願いいたします。


 

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