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公爵令嬢は♡姫将軍♡から♡降魔の巫女♡になる  作者: 変形P
第2部 ザカン学園編
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078 ドロシアと♡芸術♡

帝都に帰って来た日の夜は、夕食後、ノルドール王国の話とおみやげで盛り上がった。


「ボルランツェル王国も牧草地が広がるだけの寂しい風景だけどね、ノルドール王国はそれ以上に荒漠としていたわ」


「おいしい食べ物はありましたか?」と聞くロルネ。


「狩猟で捕った何かの動物の干し肉とイモの葉っぱしかなかったの。料理屋とかは、あるのか知らないけど行かなかったし」


「ただ、毛皮が安く手に入りましたよ」とライラが言った。


「このまま敷物にできそうですし、服に仕立てることもできそう」


「すべすべしていい毛皮ですね。・・・バネラの下袴でも作ったらいいですね」とペニアが言った。


「何で下袴なのよ?」とバネラ。


「ちょうど股間に貂の顔がくるように縫います。バネラがスカートを脱ぐと、大爆笑ですよ」


「そんなことをしたら、芸人としては大受けするでしょうけど、女としては終わりよ。・・・バネラが良ければそれでもいいけど」と言って私は笑った。


「何で私がはくのよ!?ペニアがはきなさいよ!」と怒るバネラ。


ニェートは骨で作った笛に興味を示した。


「これでピッピッと吹きながら寸劇をすると、テンポがいいかも」


「私が笛を吹きながら、木魂こだま術を使うという演出もいいかも」とスズも言った。


みんな、ネタ作りに熱心だね。


翌朝は学園の授業周期の第4日で、バネラたちの授業がない日だ。私たち遠征組も次の周期から授業が始まるので今日はお休みだ。


そこで朝からのんびりしていると、昼食後にミラスが尋ねて来た。ターニャも一緒だ。


「ドロシア!」駆け寄って来て私に抱きつくターニャ。


「ターニャ、会いたかったわ」


「私もよ。・・・それにドロシアの活躍はお兄様から聞いたわ。ついに第6形態(シクススモード)を会得したのね!?」


「え?ええ。・・・あら?」私はミラスたちと一緒に来た4人の中年男性に気づいた。


「あの4人は誰?」


4人のうち2人は台座の制作者らしく闇の教主(アルシェヴェク)の魔笏が入っている金属の箱のサイズを測って帰って行った。


残りの2人のうちの1人は、以前ザカン学園で私のことをのぞき見していた男だった。もう1人は初めて見る顔だ。


「あの2人は画家と彫刻家だよ」とミラスが教えてくれた。


「彫刻家には銅像を作ってもらうために呼んだんだ。ついでに肖像画も描かせようと思って宮廷画家にも来てもらったんだ」


「そうなんですか?・・・でも、この家で銅像と肖像画を作るんですか?」


「そうだよ。だってドロシアがモデルなんだから」


「ええ〜!?」と私は叫んだ。横で話を聞いていたバネラたちも驚いていた。


「何で私がモデルなんですか?」


「だって、闇の教主(アルシェヴェク)の魔笏を踏みつけて封印する銅像だよ。ドロシア以外にモデルの適任者はいないじゃないか」


「そ、そんな・・・」この年で自分の銅像を作るなんて、自己顕示欲が強いように思われて恥ずかしい。


「とりあえず粘土で型を作るから、モデルをよろしく」


バネラたちがくすくす笑った。「ヌードモデルかしら?」なわけないよ!


「それから前に父上が言っていただろ?ドロシアの絵巻物を作らせようって。そこで宮廷画家に話を通していたんだけど、遠征が重なってのびのびになったんだ。だからこの際一緒にデッサンをしてもらうことになったんだ」


以前、ザカン学園でのぞかれていたのは、絵のモデルを見ておこうとしていたのか?


「すごいじゃない、ドロシア!」とターニャは大喜びだが、


「じゃあ、さっそく着替えて」と言われた私は大変だ。


「何に着替えるんですか?」


「もちろん、あの頭飾り(ティアラ)胸飾り(プラストロン)と杖を持った格好だよ」とミラスに言われ、着替えをしに2階へ上がった。


私が軽甲冑ライトアーマーを来て、ドロシアン・プラストロンとダネラル・ティアラをつけ、将軍職杖ジェネラル・スタッフを持って1階に下りると、画家と彫刻家はスケッチの準備をしていた。何でも、肖像画も銅像も1日ではできないので、スケッチを何枚も描いて、後は自分のアトリエで作業を進めるそうだ。


最初から最後までつき合わなくていいのは助かるが、この日の私は1階のエントランスの真ん中でポーズをとらされ、身動きすることを禁じられ、2人の執拗な視線を感じながら何刻か過ごした。


初めはターニャやバネラたちも興味津々だったが、単調な作業だったので途中で飽きて2階に上がって行った。階上からときどき笑い声が聞こえる。ターニャに芸でも見せて楽しくやっているのだろうか?


ミラスは義務感からかずっと立ち会ったが、やはり飽きたのか、途中から階段に腰かけてうとうとしていた。


「とりあえず今日はここまでです」と彫刻家が言って私はやっと解放された。


体中が痛い。


「製作は我々のアトリエで進めますが、ときどき確認のためポーズをとってもらいに来ます」


2人はそう言い残して帰って行った。


「ご苦労様」とミラスがあくびをかみ殺しながら言った。


「上で休憩しましょう」とミラスを誘って2階へ上がる。


居間でミラスに腰かけてもらうと、ターニャが笑いながら近寄って来た。


「あ〜、おかしい。ドロシア、あなたの道化師は腕を上げているわね」


「そう?・・・何を見せてたの?」と、ターニャと一緒に来たニェートに聞く。


「お嬢様がいなかった間にバネラさんたちと考えた語り芸だよ。お嬢様も見る?」


「疲れたから、今はいいわ」


「モデルは終わったの?」とターニャが聞く。


「ええ、私のポーズのスケッチをして、衣装や装身具の細かい点を記録して、帰って行ったわ。後はある程度自分のアトリエで仕上げてくるんだって」


「そう?すぐにはできないのね。残念だわ」


そう言ってからターニャは私の新しい装身具の頭飾り(ティアラ)を見た。


「これが新しい神具ね。デザイン的に古い分、時代の重みを感じるわ」


私はダネラル・ティアラを外してターニャの頭につけてあげた。


「いいの、私につけて?」


「今は危険がないから大丈夫よ。・・・確かにターニャにはもっと繊細な今時のデザインのティアラの方が似合いそうね」


ターニャは私に頭飾り(ティアラ)を返した。


私はそれをライラに渡し、さらにドロシアン・プラストロンも外して渡した。スニアに胸当て(クィラス)小手ガントレット軍靴ブーツを脱がしてもらっていると、ミラスが室内にいるのを思い出した。


服を脱いだわけじゃないからいいやと思ったが、ミラスは顔を赤くしていた。


「ドロシアが軍靴ブーツを脱ぐとき、ミラス様がじっと見ていましたよ」とバネラが囁いた。


「そう?服を脱いだわけじゃないから、足くらい見られても平気だけど」


「おじょ・・・ドロシアも隙が多いんだから」とロルネがくすくす笑った。


スニアに柑橘シトラス茶を淹れてもらう。ミラスとターニャと一緒に飲む。


「明日はお休みで、あさってから授業を再開するのね。補習を頑張って、早く遅れを取り戻さなくっちゃ」


そんなことを話しながらお茶をすすっていると、スズとニェートが盤上戦戯シャトランジを始めた。


「ほう、あの子たちも盤上戦戯シャトランジをするんですか?」と聞くミラス。


「ええ、私の『軍事』の勉強用に買ったら、みんながはまっちゃったみたいなんです。ミラスはお強いんでしょ?」


「私も嗜む程度ですよ」とミラスが言った。


私はその言葉が謙遜なのか事実なのか確かめたいと思った。


「私のメイド長のライラはけっこう強いんですよ。ミラスとどっちが強いかしら?」


「ほう、そうですか?なら一手お相手してもらいましょうか?」


「ライラ!」私はライラを呼んだ。


「何でしょう、お嬢様?」


「ミラスと盤上戦戯シャトランジを打ってみて。もちろん本気でね」


「そ、そんな、おそれ多い」逃げ腰のライラ。


「ねえ、ミラス、ライラと打って、買った方が相手に何でも要求できるってことにしない?もちろんライラが負けたら、私がミラスの言うことを聞くわ」


「それはおもしろいですね」にやりと笑うミラス。やはり自信がありそうだ。


「ライラ、本気で打ってね。もしライラが負けたら、私がひどい目に遭うから」


「ひどいことなんかしませんけど・・・」とぶつぶつ言うミラス。


私がライラを言いくるめると、


「わかりました。勝つ自信はありませんが、お嬢様のために頑張ります」と言ってくれた。


盤上戦戯シャトランジの盤を広げて駒を並べるミラスとライラ。世紀の一戦にみんなが集まって来た。スズとニェートも盤上戦戯シャトランジの途中で見に来た。


「では、先手でどうぞ、ライラさん」にこっと微笑むミラス。


「は、はい・・・」顔を赤くするライラ。男性に免疫がないので不利だ。


「ライラ、私のために頑張って。私をミラスの手に渡さないで」ライラに囁く。


「は、はい!お嬢様をお守りします!」ライラの士気が高まった。


一方のミラスは、「別にドロシアに変なこともしませんよ」とぶつぶつ言っていた。


2人の真剣な打ち合いが続く。駒を取ったり取らなかったり、2人の考えがよくわからない。


「ねえ、どっちが強いと思う?」と私はターニャに聞いた。


「私にもわからないわ」と答えるターニャ。


「なかなかお強いですよ、ライラさんは。でも、ドロシアを賭けているのですから、負けられません」


いや、言うことを聞くとは言ったけど、私を差し出すとは言ってないよ。


「ライラ、私の貞操の危機を助けて!」


「お嬢様は渡しません!」と言ってライラが駒を進めた。


その駒を取るミラス。「ああっ!お嬢様、ごめんなさい!」と叫ぶライラ。


「どうしたの?間違えたの、ライラ?頑張って!」あわててライラを応援する。


「お嬢様は渡しません!」駒を進めるライラ。


ミラスがにやっと笑った。「その手は悪手ですよ、ライラさん」


ミラスはライラが進めた駒を取った。「次で終わりですよ」


そのときライラが別の駒を進めた。「王手シャーマット!」


「え?」あっけにとられるミラス。


「え〜と」ミラスの目が盤上をくまなく見回す。そして頭をがくっとうなだれた。


「僕の負けです。まいりました」


「え?ライラが買ったの?」私はライラに抱きついた。


「すごいじゃない、ライラ!さすがは私のライラだわ!」


照れ笑いをするライラ。「それでは失礼します」と言ってライラは下がって行った。


「だめねえ、お兄様は」と容赦ない追撃を放つターニャ。


「ドロシア、私の完敗です。何でも言うことを聞きます」


「え?」・・・そう言えば、ライラが買ったら何を要求するかを考えていなかった。


「ドロシアが望むなら、はずかしめも喜んで受けます」


「い、いえ、そんなつもりはないんだけど」


・・・どうしよう?


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前作の「五十年前のJKに転生?しちゃった・・・」を公開中です。
こちらを読まれると本作の隠れ設定が理解できます。
よろしくお願いします。
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