プロローグ2
「ん?」
ぽかんと口を開ける真輝に女性を視線をやる。
瞬間、前のめりの姿勢で食い入るように真輝を見つめた。
「お?おおおおおお???」
「!?」
「お主…わしが見えているのか?見えるのか?」
「え、はい…てことは!やっぱり!幽霊ですか!!」
「なんでじゃ!違うわ!!」
「いや、だって聞き方的に見えちゃいけない系なのかと…」
「…確かに。いや、でも幽霊ではないぞ!神様じゃ!」
「え…」
頭の異常を確認した方がいいだろうか、などと失礼なことを考えていると顔に出ていたらしい。
「なんじゃその顔は!どこもおかしくはないぞ!」
「だって自分のこと神様って…やばい人以外いなくないですか?」
「本物の神もおろう!そうでなければ、神はどう言えばいいのじゃ?」
「まぁ…そう言われると…そうなんですけど。」
納得しかけて、ふと思う。
「ていうか…そもそも、神様ってそんな会えるものじゃないですよね?」
「そうじゃな」
「見えるものでもないですよね?」
「そうじゃな」
「じゃあ…あなたが本当に神様だったとして私、何で見えるんでしょうか?」
「それはわしにも分からん。わしはずっと座っておったよ。お主が参拝に来たのも見ておった」
やはりそのときは見えなかった。
声が聞こえるまでは姿は見えなかった。
と、すると。やはり…
「神様…なんですかねぇ?」
「そう言っておろうが!…まぁ信じずとも良い。それよりもお主にお願いがある!!」
やはり前のめりの姿勢である。
目を輝かせ、期待の眼差しには嫌な…いや、面倒な予感しかしない。
「わしの呪いを解く手伝いをして欲しいのじゃ!!」
こういうときの予感は不思議と当たるものである。
真輝は思った。
早く帰りたいがために近道などせねば良かったと…いつも通りの道を歩いていれば日常が待っていたのに。
ふぅ、と小さく息をつき目の前の神様を見つめる。
相変わらず期待の眼差しが痛い。
しかしまぁこれもまた何かの縁だ、と思い話を聞く真輝。
「…分かりました。神さまのお願い事、叶えます。」
木々の合間に覗く初夏の青空と、蝉の鳴き声が印象的だった1日から真輝の長い夏は始まった。