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第27話 地底魔城を作ろう

 リリーナが指をパチンッと鳴らし、いつもの服装へと着替える。

 そして、俺の方へとゆっくりと歩いてきた。俯いてるためその表情は窺い知れないが、きっと怒ってらっしゃるはず……。わっ……話題を逸らそう!!


「りっ……リリーナさんっ? おっ……おはよう!! 元気? ちょっと朝の散歩に出かけたら、偶然にも人族と出会っちゃってさ! モーニングエンカウントってやつ? いやー、参っちゃったよ、あはっ……あはは!!」


 ごっ……誤魔化せたであろうか?

 するとリリーナは歩みを止めず、そのままポスンっと俺に寄り添ってきた。

 あっ……あれっ?? 予想とだいぶ違う……。


「心配させないでください……」


 おふっ……せ、セーフ? セーフなのか? しかし、なぜリリーナは俺にくっついてきたのだ?

 辺りは悲鳴で阿鼻叫喚してるし、リリーナはくっついてくるし、まさにカオス!!

 悪魔の俺があえて言おう!! ここはカオスであると!!


 俺が安堵に包まれていると、いきなりリリーナの目がキュピーンと光り……。



——バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、ズドォォォーン!!



「ぶべらぁぁぁぁーーー!!! 瞬獄◯ぅーー!!」


 リリーナがくっついてきたのでセーフかと思いきや、いきなり暗転フルボッコ技を喰らわされた。これ、俺じゃなかったら死んでるぜ?

 なんという悪魔!! 悪魔と書いてリリーナと呼ぶ! まさにこのことだな。


「マスター、次勝手に外出したら、これで済みませんからね?」

「……ふぁい」


 うん。もう勝手に出かけるのはよそう。マジでやられるかもしれん。


 そうこうしているうちに、集落にいた人族たちはあっという間に撤退していた。

 もっと早く逃げろよ。そしたらリリーナに捕まらなかったのに。そして無謀にもリリーナに挑んできた聖騎士たちは、リリーナの爪剣に一瞬で切り裂かれ絶命した。

 つか、あの爪剣ヤバいな。【フロストの指輪】のせいで氷属性が付与されて切れ味が恐ろしく上がってる。これからは、なるべくリリーナさんを怒らせないようにしないとな。


 そして俺はリリーナに引きずられながらダンジョンへと戻っていった。







「で、何があったんですか?」


 俺はソファーの前に正座し、リリーナに取り調べを受けていた。ちなみにソファーにはエリーとルルが座り、美味しそうにケーキを食べている。いいなー、俺も寛ぎたい……というか、そこ俺のポジションなんだけど?


「そうじゃぞ。ヨルシアはこのダンジョンの主なのじゃ。無計画に外へ出るのはよくないぞ? 理由(わけ)を話すのじゃ」


 うむ。どうやら俺に味方はいないようだ。ふっ……、理由を話せか。ニ人から離れて自由になりたかったとは口が裂けても言えんな。ルルは我関せず嬉しそうにケーキを頬張っている。そんなに美味いのだろうか?


 とりあえず俺は、少し脚色し今朝起きたことを説明した。


 散歩に出かけたらゴブリダに会ったこと、ダンジョン前に結界が張られていたこと、そして森が開拓され人族の集落ができていたこと、最後に冒険者や聖騎士を討伐したことを報告した。


「かなり人族たちに目をつけられていますね」

「そうじゃのリリーナ。ヨルシアが五日前にあの強面の冒険者を倒したのもマズかったかもしれん」

「ふわぁぁ、ご主人様は強いのですね!!」


 そんな奴倒したっけな? もう覚えてねーや。


「エリー様、あれから冒険者の手荷物を調べたのですが、どうやらプラチナランクの冒険者だったようです。もしかしたらそれが原因で聖騎士まで来たのかもしれませんね」

「かもしれんの。しかし、そうなるとこのダンジョンも、もっと強化せねばマズいのぅ。勇者クラスがやってきたら耐えられぬぞ?」

「はい、ですので三階層にそろそろ例の物を作ろうかと思っています」

「おぉーー!! リリーナ、それは誠か!? DPは足りるのか??」

「はい! 今日でやっと10万Pを超えました!」

「なぁ、二人でいったい何の話をしてるんだ?」


 なんだろう? この仲間外れ感? 俺、拗ねちゃうぞ?


「マスター、やっとできるんですよ!! 地底魔城が!!」


 さっきまでの不機嫌もなんのその。リリーナがめっちゃ嬉しそうだ。機嫌が直って良かった。

 にしても、地底魔城? はて、なんぞや? 説明してもらおうか。







「さて、マスターが予想通り地底魔城を知らなかったので説明致します」


 リリーナの説明によると地底魔城とはマスタールーム守護特化型のフィールドダンジョンのようだ。ちなみに地底魔城作成は一回きりの限定品となる。

 どのように形成されるのかは、その土地の特性によるらしい。火山にあるダンジョンなら、溶岩が周囲を囲う地下都市型、雪山なら雪原に囲まれた氷の城。様々だ。

 ダンジョンの広さも直径で5キロほどあり、かなりの広さを誇る。


 それよりも、特筆すべき点は地底魔城を所有すると、魔族や魔物達の就職案内先に指定されるのだ。DPガチャを使用しなくても配下が増える。

 そしてダンジョンマスターの魔王襲名時に必要な項目の一つでもある。まぁ、俺はなりたくないから関係ないけど。


「なるほどなー。だから、リリーナはDPをあんなにも節約していたのか」

「そうですよ!! 凄く苦労したんですからね!!」

「リリーナ、マジでありがとうな! リリーナがウチに来てくれて本当に良かったよ。俺だけだったら無理だったわ!」

「わっ……わかってくれればいいんです」


 リリーナの顔が赤くなり俯いてしまった。照れているのだろうか?


「それじゃ、パパッと作っちゃうか?」

「お主は相変わらず軽いのう。地底魔城の作成はどのダンジョンマスターも涙を流して喜ぶものなんじゃがなぁ」

「よそはよそ、ウチはウチ! 気にしないとこが俺の長所! と、いうわけで【地底魔城】作成!! ポチっとな!」



——ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………ガコンッ!!!



 今までで一番長く大きな地響きだった。【101960】もあったDPが一瞬で吹き飛んだ。


 地鳴りが落ち着いたと思ったら周りの景色がガラリと変わる。教室くらいの広さだったマスタールームが大きな映画館くらいの広さまで拡張されていたのだ。


 すげぇー!? ナニコレ、ナニコレ!? リリーナたちも声を大にして驚いていた。


 正面にあるモニターも映画スクリーンくらいになり、映像も更に分割され細かく表示されている。

 そして部屋は吹き抜けになり一階席、二階テラス席とわかれていた。ニ階テラス席にある、両側の階段から一階席へと降りられるようだ。


 一階にはオペレーター席が60席あり、各テーブルには小型モニターや通信機器が置いてあった。

 なるほど。オペレーターを増やせばもっと細かい指示が出せるようだ。今でもリリーナが一杯一杯になりつつあるから、早いうちに募集をかけなければ。じゃないと彼女がパンクしてしまうかもしれない。


 二階テラス席には、この部屋で一番立派な机と黒革の椅子があり、その机にはダンジョンコアが内蔵されていた。ダンジョンコアからは立体的にダンジョン見取り図が表示されている。

 ちくしょう、無駄にカッコいいな。そして黒革椅子の両脇にもオペレーター席がある。きっと、ここにはリリーナとエリーが座るんだろうな。

 二階テラスからは一階席や大型スクリーンモニターがよく見えるので、この黒革の椅子が俺の定位置となるな。一気に広がるセレブ感! いいねー!!


 とり急ぎ三階層へ続く階段を、二階層の一番奥に作成して三階層を完成させた。


「よしっ、完成! なぁ、早速だからニ階層から降りて新しい城を見てみないか?」

「マスター、いいですね!」

「うむ、楽しみなのじゃ!」

「うわぁー、うわぁー! 私も楽しみです!!」

「じゃ、転移するからみんな俺に掴まってくれ」



——転移!!



 俺たちはニ階層下り階段へと転移した。久しぶりのドキドキ感。

 さて、地底魔城どんなんできたかなー!? 楽しみだ!


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