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デビダン! ~目指せダンジョンニート物語~  作者: バージョンF
1章 ダンジョンマスター爆誕編
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第11話 初めての魔物召喚

「いいですか!? 魔物は勝手に増えません!! ゴブリダさんたちの件は特殊です」


 なるほどな。あいつら勝手に増殖したり、植物モンスターの苗を拾ってきたりしてたんで、魔物ってそういう感じに増えるのだと思ってた。


「ゴブリダさんたちはあなたに忠誠心があるから、生まれてくる子供もあなたの眷属にしてますが、本来こういう状況になる事例は非常に稀有です! だからちゃんと魔物召喚してください!!」

「あの……リリーナさん、魔物召喚ってどうやるんでしたっけ??」

「本当になんであなたがダンジョンマスターになれたんですか!!」

「まぁまぁ、それは置いといてまずは魔物召喚をやろうよ!」

「全く……。じゃあ、まずはダンジョンコアの魔物ガチャの欄を開いてください」

「あぁ!! あったあった! これこれ。回すんだよな! 思い出した!」

「ちょっと待ってください! ガチャには10DP、100DP、1000DPとありますが、DP消費が高いガチャほど、位階ランクの高い魔族や魔物を召喚できます。今回はどれを選びますか?」

「とりあえず、DPあるし1000Pでいいんじゃね?」

「本当、いい加減ですね。ただ、二階層には地底湖がありますので水棲族ガチャにするのが無難です。そしてフリーランス登録をしてる魔族や魔物が眷属として召喚されますが、出るのはCランクが最高です。それ以上の魔族を加えたいのであれば眷属面接をするしかありません。しかし、そんな上級魔族がこんな田舎ダンジョンに来たいとは思わないので諦めるしかないですね」


リリーナさんが、サラッとディスってくるが聞かなかったことにする。


「ほいほーい。とりあえず回すか……オラァァァァァ!!」


 足元に魔法陣が浮かび上がる。



――ピカァァァァーーー‥ポンッ!!



【クリアスライムが眷属に加わりました。】



 魔法陣の上に、プルプル震える半透明の大きなグミが現れた。バランスボール並みの大きさだな。

「スライムか……。うーん、悪くないけどできれば学校を卒業した魔族がよかったな。よしっ、もう一回っ!!」

「ダメですっ!!」

「えー、もう一回だけ! ねっ? もう一回だけ回させて!!」

「絶っっ対ダメです!! DPあと11900Pしかないんですよ? まだ回せるかもしれませんが、そういって身を破滅させるダンジョンマスターが世の中には腐るほどいます。今回はこれで我慢してください」


 なんて厳しいんだろう。これが秘書官が魔界のお母さんと称される所以か……。


「それにクリアスライムはCランクの魔物で、種族こそ違いますが私と同じ位階です。あなたよりもずっと格上の魔物なんですよ?」


 なっ……なんだと!? 本当にスライムより下になってしまった……。

 くそぅ、それならばこれから彼のことをスライムさんと敬称を付けよう!! うん、問題なしっ!!


「で、スライムさんは何ができるのだろうか?」

「すっ……スライムさん? あなたにはプライドってものはないのですか? このクリアスライムの特徴は擬態ができることです。擬態し隠れて獲物が通りかかったところに強烈な酸の攻撃をする奇襲型モンスターです」

「おお、スライムさん強いんだな!」

「ただ、クリアスライムの特筆すべき点は別のところにあります。……人間を吸収すると分裂を行います」

「怖っ!!」

「だから冒険者を倒せば倒すだけクリアスライムは増え続けるので、正直、大当たりのモンスターです」

「あれ、褒められてる?」

「モンスターを褒めてるんです!! 勘違いしないでください!!」

「じゃあ、とりあえずスライムさんには地底湖でゆっくりしてもらおうか」

「そうですね。魔素も濃いですし住むにはいい場所だと思います」


 スライムさんを送り出すと、鼻歌を歌ってるような気がした。気に入ったのだろうか? よし、これで仕事終了だな! 風呂入ろう!!


「で、どこ行くんですか?」

「いや、仕事したから風呂入って寝ようかと……。」

「却下です! これからあなたの戦闘訓練をします!! 文句は言わせませんよ! ただでさえ位階が低いのですから、そうやって努力してゴブリダさんたちのように進化してください!!」

「いや、そういうの興味ないんで風呂行ってもいいですか?」

「駄ー目ーでーす! ほら、早くトレーニングルームに行きますよ!!」


 あっ……悪夢だ。仕事が終わったらトレーニングだと!? 俺は呪われているのか!? リリーナさんが無理やり俺をトレーニングルームへと押し込む。


「じゃあ構えてください! 気を抜いていると怪我しますよ?」


 なんでこいつはこんなにやる気なのだろうか? テキトーに相手するか。

 んっ? あれ? リリーナが消え……。



――バチコォォォーーン!!



「ぶべらもらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 リリーナの拳が、俺の顔面にクリーンヒットする。

 顔を狙うなんて酷いっ! 鬼、悪魔っ!

 つか、ちょっと待って…………、りっ、リリーナ速えぇぇー!! まったく見えんかった!!


「……なんで、まともに喰らうんですか? いくら強いと言ってもガードしないと死にますよ?」

「ちっ……違う!! リリーナがいきなり消えたからっ!! 見えなかったんだ!!」


 何故かリリーナが青筋を立てている……。ちょっ……ちょっと待っ……。


「もういいです。どんどん殴りますから。死にたくないなら前みたいに避けてください」

「ひでぶぅぅぅぅぅぅぅーーー!!!」


 リリーナの右拳が俺の顎に綺麗にヒットした。その動作はまるで残像を残し某格闘ゲームのアッパーをしながら飛び上がるようなものだった。

 なんつー攻撃力。あれ? 俺、マジで死にそうだ。意識が走馬燈のように俺の頭の中を物凄い速さで駆け巡る。まじかー、シャレになんねーわ。


 あまりのダメージに、そのまま俺の意識はブラックアウトした。


「えっ? ちょっと、冗談ですよね? ……返事してください!! マスタ……」




 目を覚ますとベッドの上だった。

 あいたたたた……。まだダメージ残ってるし。あの女、手加減しろよ。気絶しちまったじゃねーか。下手したらガチで死ぬところだったぞ!?


 んっ? でも、これってサボるチャンスなのでは?

 うん、二度寝しよ! ひゃっふーーー!!


 寝ようとした矢先、寝室のドアが開き水桶を持ったリリーナが入ってくる。

 おっふ……オワタ。オキナケレバヨカッタ……


「あっ……、その……さっきはごめんなさい」


 あれ? 様子がおかしい? ゴメンナサイ? どういう意味だろう? 新手の殺人予告なのだろか?


「もしかして、ずっと調子悪かったのですか?」


 調子が悪い? こいつは何を言っているのだろう?

 

「いや、調子悪いというかお前が本気出すから! すんげぇスピードだったぜ」

「何を言ってるんですか!? スピードは昨日とほぼ同じです!! むしろ身体が固かったから、若干遅いくらいです!」


 あれで遅いのか? やっぱ上位魔族は違うな。手加減されて殺されるなんて笑えない。


 ……あっ! つか、これサボれるパターンじゃん。


「やべぇ、忘れてた。実は朝から調子悪くてな。だから見えなかっただけかもしれん。熱あるかもしれないから、しばらく横になるわ! おやすみー、起こすなよ」

「嘘つけっーーー!!」


 ソッコーバレた!? なんで?


「そんなバレバレな嘘、よく平気でつけますね!! あなたの神経どーなってるんですか!? 信じらんないっ!! 人が心配してるのにっ!!」


 リリーナさんが俺を心配だと!? それこそ信じられん!!


「……もういいです。ステータス見せてください。それで全て解決しますから」

「ぜっっっったい、嫌だっ!!」

「なんでですか!? もう私はあなたの眷属なんだから見てもいいじゃないですか!!」

「えっ? そうなのっ?」

「そうですよ!! だからステータスを見せてください!!」

「でも、それとこれとは別だから」



——ジャキンッ!!!



 リリーナさんの爪が刃へと変化した。

 目がマジだ。これは見せなきゃ殺られる……。


 そしてリリーナの無言の圧力に負け、俺はステータスを見せることにした。


やっと明日ステータスオープン(*゜∀゜*)

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