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エピローグプロローグ
数年前の爆破事件で廃墟となったキリスト教の教会。一脚のボロボロになったベンチに福本伸也は腰掛けていた。屋根の隙間から月の光が差し込み、あたり一面を淡く照らし出す。伸也の手にはグロックが握られていた。
「遅かったな」
突然、伸也は口を開く。
「これでも急いで来たのよ」
女の声が伸也の耳に入る。
「嫌な運命だな。そう思わないか、さつき」
さつきと呼ばれた女はクスクスと笑いながらデザートイーグルの銃口を伸也に向ける。
「仕方ないわよ。あの日から私たちは分かれたようなものだからね。伸也兄さん」
女は伸也の事を兄と呼ぶ。
「そうだな。だからここでケリをつける。最初で最後の兄妹喧嘩だ。どちらが死んでも恨みっこなしだ。俺は俺の正義を、お前はお前の正義を」
伸也も手にしていたグロックの銃口をさつきに向ける。静寂が空間を支配する。
「最期に一つだけいいかな?」
「なんだ?」
最期の会話、そして響き渡る銃声。
全ては三ヶ月前にさかのぼる……。
完全に自己満足で正直スマンカッタ。