第二章…衝撃発言…
夏との待ち合わせ場所は、いつも決まって『旭ヶ丘公園』の大時計前だ。
「ヤバいな、完全に遅刻だよ…」
7時26分、大時計前到着…集合時間は7時10分だ。
そこには疲れた様に座り込んでいる夏がいた。
「…夏ッ!ワリィ。遅れた。」
『夏』とは『海藤夏』…俺の友のつかない友達だ。
「いつもの事だけど時間守れよ…」
軽くため息を吐く夏…
しかし俺は気にせず明るく話しかける。
「まぁまぁ。気にすんなよ♪じゃあ今からジョグ行こうぜぃ♪」
ジョグとはジョギングの事。
「はぁ…。仕方ない、行くか…」
走り始めて気が付く。
夏が普段と違う。
軽く切り込んで話をする。
「なぁ、夏?何か今日のお前変じゃないか?」
「別に。いつもと同じだろ?」
やっぱり違う。
「いや!絶対におかしいッて。だって何か元気ねぇし!遅れた理由だって聞いてこねぇし…」
「そうかぁ?…」
そこからは二人とも黙りこんでしまった。
そして、8時丁度に大時計前に帰ってきた。
「…ハイッ!終わり。」
ジョグが終わった。
でも、夏はまだ変だ。
「なぁ。お前、ホンットに大丈夫なのかよ!?走ってる時はずっと上の空だし…悩みでもあんのか?」
また、ため息をついて夏が喋りだす。
「はぁ…実はさぁ…」
「あぁ。実は?」
「俺…実は………………好きな人ができた!」
??…………………
一瞬、思考が停止した。
…!!
30秒後、ようやく理解できた。
そして口から出てきた言葉はこれだった。
「マジかよ!?…………………誰?」
かすれた様な声がでた。
かなり無神経だと思うがその一言しか言えなかった。
「実は、C組の……」
夏は、やっぱり変だ。
いつもの夏なら、絶っ対『そんな事聞くなよッ!』ってツッコむのに…
夏はそのまま話だした。
「…C組の、春野さくら…なんだ。」
……!!
この、夏からの急な衝撃発言に、俺は言葉を失った。
そしてやっぱり今日は大変な一日だと思った。