第一話「村」
これはプロローグでつけるべきだったんですが書き忘れてましたすいません。
暗くじめじめした夜だった・・・。ラオルは窓越しに暗く冷たそうな空を見つめ続けた。
「ねえ母さん、雨があんなに降って畑枯れないかなあ?」そう一言言うとラオルは小柄な体で椅子から飛び降りると、料理の鍋のシチューをかき混ぜているカイネに歩み寄った。
「そうねえ・・・この雨が降り続いたら枯れちゃうかもねえ?」鍋をかき混ぜつつもラオルをみる。
「ええーー?どうにかできないのお?」
「うーーん、自然に枯れちゃうからねえ・・・ラオルはどうすればいいと思う?」カイネの質問にラオルは俯いて考え始めた。それを見ていたクデアは笑いながら言う。
「はっはっはっは!!そうだなぁラオルにはまだ早いなあ」クデアのその言葉にラオルは頬を膨らませじだんだを踏んだ。
「そんなことないよ!!ぼく明日から11歳だよ?!考えられるもん!!」ラオルの中では考えれてなかったことでさらに怒りがこみ上げていた。
「そうかあ・・・ラオルも11歳だなあ・・・」
「うん!!もう11歳なんだからなんでもかんがえられるんだよ!!」
「ふふふ・・・大きくなったら嫌な事だってあるのよ?ラオル?」カイネは意地悪にそう呟いた。その言葉にラオルはちっとも動揺せずに続けた。
「そんなことないよ!!おおきくなればなんだってできるんだよ?掛け算ができたり、父さんの言ってる危ないものでだって遊べるし、それにみんなのために働けるし!!」
「ラオルは早く働きたいのか?はっはっはっは!!」クデアがちゃかすとラオルはまたじだんだを踏みクデアを睨みつけた。その時だった。
ドンドンドン!!玄関の扉が激しく打ち付けられる、それに対してクデアは警戒しながらも扉を用心深く開け始めた。
「わあ!!」三人の男が雨の中激しくなだれ込んできた、一人の男はここの村の長ニデレだった。そしてもう二人は村人のカニアとラオルの友達のネトラだった。
「大変だクデア!!軍人の奴らが来たんだ!!」カニアが大声を響かせる。
「馬鹿者!!まだそうと決まったわけではない!!奴らの飛行船らしきものが見つかったのじゃ、一緒に見てきてはくれぬか?クデア」長はカニアをたたくとクデアを見た。
「わかった・・・見てみよう・・・」
「父さん?軍人のやつらがきたの?」ラオルが不安げにクデアを見る。
「そうきまったわけじゃないよ、もしなにかあったら母さんをまもってくれよ?ラオル」
「うん!!!」ラオルが部屋中に聞こえる声で頷いた。
「・・・・いこうか」
「ああ・・・・」そう呟くと四人の男たちは玄関から何事も無く姿を消した。