夢から醒めたら
この世界は、『廃墟』である。
全ては流されるままに動き、この先も止まることはないだろう。
私の意思はあってないようなものだ。
時は進み、塵となり、やがて全ては無くなるだろう。
私には何も無い。
手足も、目も、感覚も、何も。
こうなるとまいってくる。
自分の区切りが付かなくなるし、何が本当なのか分からなくなる。
どこまでが自分でどこからが他人か、考えたことはあるだろうか。
他人と手を繋いでいても、私は私だ。
『自分』という輪郭があるからこそ、私は生きていた。
意識の中で生きるというのは辛いことだ。
何も見えないし、何も分からない。楽しみもないし、自由もない。
今はいつだろうか。
そろそろ、終わるだろうか。
死んだ後はこんな感じなんだろうか。
この状態が永遠に続くのだろうか。
この夢から醒めたらどうなるのだろうか。
全てが分からない。
でも、全てを作るのは私だ。
当たり前や常識なんてものは無い世界で、全てを定義するのは私だ。
急に眩しくなってきた。
とてつもない光の強さ。正直耐えられない。
しかし、不思議と心地よかった。
夢から醒めたのだ。
全ては決まってしまった。
痛みはない。全ては完全に回復した。
終わりは、私の手で決められるのだろうか。
始まりは、私の手で決めたのだろうか。
これから私は、世界について流されるままに生きるのだろう。
とても気分がいい朝だった。




