5話 冒険者試験①
メルさんからおおまかな冒険者になるためのレクチャーを受けた。
次は採取、探索、狩猟の適正検査だ。
これをパスしないと、その類の依頼を受けられない。
気合入れていくぞ!!
〜10分後〜
(なんだこれ?)
どれから受けてもいいらしいので、簡単と言われた順に採取→探索→狩猟で受ける事にしたが、最初からつまずいた。
エントランスの端の方の席に座らせられたおれの前には、植物が積まれている。
それらをクレピス草、ハーラー草、パラライ草、ヒュプノ草と書かれた箱に正しく仕分けするのが試験だ。
見た目と匂いで4種類に分けることはできたが、どれが何か分からない。
全部オルビス特有の草っぽい。前世の知識は役に立ちそうもないし、おれの鑑定スキルは自分専用だ。
仕方がないので獣人の鋭い感覚を頼りに頑張る。じーっと見つめたり、クンクン嗅いでみたり。
カウンターの向こうにいるメルさんや、冷やかしの冒険者たちが微笑ましそうにこちらを見ている。
5分ほど頑張ったが、何の成果も得られない。
これ以上粘ってもだめそうだ。
お腹も空いてきたし諦めてリーナさんから貰ったパンでも食べ...あれ?食べて体内に取り込んだら自己鑑定が効くんじゃないか?
ヘルプさん、どうですか?
《摂取したものは自己鑑定の効果範囲となります。》
よっしゃあ!
さっそく一部をちぎって食べてみる。
異世界に来て2度目の食事は草だった。
むしゃむしゃ、苦いけど、ごくん。
《自己鑑定》!
ハーラー草。頭痛、吐き気を引き起こす毒草。
毒草?!おれ食べちゃったよ!
《万能血により解毒されました。異常ありません》
あって良かった万能血!!
「君、大丈夫かい?!」
試験官が心配そうに聞いてくる。
「大丈夫です。おれ丈夫なんで!」
「そうかい?辛くなったらすぐ言うんだよ。ハーラー草、パラライ草、ヒュプノ草の解毒薬は用意してあるからね?お金も取らないからね。」
解毒剤が用意してあったのか。
まぁおれみたいに敢えて食べなくとも、誤って口にいれてしまう可能性はあるもんな。
「本当に大丈夫なんで!続けますね!」
そうして、おれは4種すべての草を試食して、無事に試験を乗り越えた。
周りの冒険者がドン引きしている。
「採取試験合格おめでとう!」
次は探索の試験だ。
ちなみに終わった後、試験官がおれを心配して解毒薬を各種一瓶ずつくれると言うので、有難く受け取った。
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クレピス草 ポーションの原料となる薬草。
ハーラー草 弱い頭痛、吐き気を引き起こす毒草。
パラライ草 手足の末端を短時間痺れさせる麻痺草。
ヒュプノ草 軽い眠気を引き起こす眠り草。
反応いただけたら幸いです。
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