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獣人転生 犬獣人は癒しの女神を癒せるか?  作者: 雪
一章 タカンの街

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27話 魔力

たっぷり時間をかけて選択した。


「魔物の攻撃を受けます。」

「(チェッ)分かった。都合の良さそうな魔物を探してくる。ちょっとここで待ってろ。」

そう言うと、師匠は森の中へ入って行った。


うーーん。

師匠が選んでくる魔物かぁ。

こ、怖っ…


5分後、遠くから戦闘音が響いて来た。

うわぁ、ヤバそう…


そして、さらに10分後。

師匠は戻って来た。

『遅くなった。』

獣化してる!

『おまえにはコイツの攻撃を受けてもらう。』

背負ってるのは何だ?

師匠は赤茶色の毛の大きな獣を背負っている。

《火熊の成体です。》

師匠が危険だって言ってた奴!


『ふぅ…」


「構えておけ、起こすぞ。」

「いきなりですか!?」

「そうだ。実戦で相手は待ってくれない。行くぞ〜。」

「わ、分かりました!」

構えろって言われても、もうガントレットは着けてるし、ファイティングポーズを取るだけだ。


師匠が火熊の尻を蹴飛ばした。

「グガァ!!」

ひえ!

あ、でも師匠よりは怖くないな。


火熊は、蹴飛ばされた方を睨みつけるが、いたのが師匠だと分かると逃げ出そうとした。

「おっとそういう訳にはいかないな。ふん!」

師匠が火熊の後ろ足を掴む。

「グアッ?!」


師匠は火熊の足を引きずり、逃さない。

火熊は抵抗を試みたが、全く効かないことを認識したのか大人しくなった。

その大人しくなった火熊をもう一度蹴り飛ばしておれの前へよこした。


火熊は最初は意味が分からないようだったが、おれを見つけると正しく認識したようだ。

『こいつは倒せばその先に逃げられる』と。


「来るなら来い!」


こっちの戦闘意思を感じてか、突進して来た。

「ガルァ!」

鋭い爪を剥き出しに振るってくる腕。


おれはバックステップで避ける。

スピードは同等だ。

(って、避けちゃダメだった!)

チラッと師匠を見ると、特に不満そうな気配はない。

(あれ?避けてもいいのか?)


「ガアアア!」

「うおっと!」

攻撃が苛烈になった。

(魔力がこもってない攻撃は避けていいって事か?ルプさん、魔力がこもっているかどうか分かるか?)

《攻撃を喰らえば分かるかもしれません。》

おれが感じられない物は、おれの中のルプさんも観測できない。


「来い!」

師匠の一撃に比べれば大したことない!…はず。

(ルプさん、頼みます!)

《おまかせください。》


ガントレットとルプさんを信じて攻撃を受ける。

「ぐうっ」

衝撃で吹き飛ばされたが、耐えられないレベルじゃない。

(無事だ…でも魔力も感じないな。ルプさんどう?)

《何も観測できませんでした。》

(魔力がこもってない攻撃だったらしいな。)


それから10回ほど攻撃を受けたが、おれもルプさんも魔力も感じられない。

疲労だけが蓄積されていく。

逆に火熊はまだまだ元気だ。

さすがは魔獣。


《主様を舐めているのかもしれません。》

(え?)

《魔法を使う程の相手じゃないと判断している可能性があります。》

なるほど…と言う事は!

「じゃあ、ちょっとこっちからも行くぞ!」


「ガア!」

(ふっ!)

スピードは同等。

なら、デカい向こうは良い的だ。


大ぶりになっていた火熊の攻撃をかいくぐり、体を捻って腹を殴る。

「連撃掌!」 

「ゴァ!」

デカい火熊の身体が持ち上がり、悲鳴が上がる。


(ぐふっ)

その代わり、こっちも体勢を維持できずに背中から地面に直撃してしまった。

(重たいっ!)

《背骨に異常ありません。》

良かった!


その場から跳び去り、火熊を見つめる。

「グルルル…」

これで警戒されたな。

『ガアーーーーーー!』

火熊の毛がところどころ燃え始めた。


一気に火熊が突進して来て、爪を振るう。

「っ!」

咄嗟に避けてしまったが、爪が当たった地面から火が吹き出している。

(火魔法!これを受け止めなきゃいけないのか。まあ、やるしかない!)

《待ってください!ガントレットで受け止めるべきです!》

(それで良いのか?)

《火熊の攻撃は地面に伝わって残っています。ガントレットでも魔力は伝わるかと。》


「グルルルルル!」

火熊はさらに苛立ったのか、もはや全身が燃えている。

さっきの攻撃を受けとけば良かった…

師匠は…うわぁニコニコしてる。


おれの意識が一瞬師匠に向いたのを察したのか、火熊が攻撃を仕掛けてきた。



(両手か!)

ぶんっ!

まずは左手を避け、

右手の攻撃を両手のガントレットで受け止める。

ガーン、グンっ!


一瞬だけ受け止めたが、踏ん張り切れずにまた吹き飛ばされた。

《魔力を観測。》

(良し!こっちは熱くてそれどころじゃなかったよ!)


ただ火熊の方は良くなかったらしい。

身体が燃え盛ってる。


《体内の魔力を掌握しました。》

「えっ!」

全身の不規則な力が、一定の方向に綺麗に揃ったのを感じた。

整ったみたい。


始めての感覚に驚いたが、火熊は待ってくれない。

バゴッ

地面が抉れる音が聞こえ、また突進して来た。

(さっきより早い!)

《後ろ足に魔力の集中を感知。》

走力を上げたのか。

なら、おれも足に魔力を込めれば避けられる!


《いえ、後ろ足に集中した分、手の魔力が薄くなりました。迎え撃ちましょう。》


え!い、いや、ルプさんを信じる!

《ありがとうございます。では、右手に魔力を、》

「連撃掌!」

《あっ!》


おれの連撃掌は、火熊の両手を最初の2撃で弾き、残りの3撃で顔面を叩き潰し、吹き飛ばした。


ただ、おれの左手は2撃目で壊れていた。


「うおぉーーー!」

勝利の雄叫びではない。

(痛たたたた!)

《すぐに魔力を集中させ、治癒を!》

左手に魔力が集中したのを感じる。

(血も集まってる?)

《万能血と魔力を集めて回復力を上昇させています。》

どんどん痛みと腫れが引いていく。


ついでに師匠も集まって来た。

「まさか火熊をやっちまうとはな。2、3撃受けさせたらおれが後を引き継ぐつもりだったんだが倒すとは思ってなかったぞ。」

「なんとかなりました…」

「魔力はしっかり感じたな?というか、身体強化を一瞬で覚えたみたいだが…」

あれが、身体強化だったのか。


「覚えちゃったみたいです。(ルプさんが)」

「そりゃいいな。左手のダメージを見ると、まだ完全に使いこなせてないみたいだが、すぐ出来るようになるだろう。なんにせよ、よくやったぞ!」

「ありがとうございます!」

おぉ、師匠に褒められた!


《すでに完全です。》

(うん?)

《すでに身体強化は完璧です。最後の攻撃は火熊の攻撃をかわし、右手の撃掌一発で倒すように推奨するつもりでした。まったく、主様はせっかち過ぎます。》

あー、おれが全部の攻撃を正面から迎え撃ったから、左手の魔力が不足しちゃったのか。

(まあ。おれがルプさんを信頼し過ぎちゃったな。今後は連携を高めよう。)

《ふぅ。仕方ありませんね。》

ルプさんも納得してくれたみたいだ。


「今後はさらに磨きをかけます。」

「そうだな。じゃあ左手が回復したら身体強化を使いながらの戦闘に入るぞ。」

「了解です!」


《主様、レベルが上がりました。》

どうやら火熊が力尽きたようだ。

反応などいただけたら幸いです。

誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。

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