2話 女神の声は死神属性
リーナさんに着いて礼拝堂に入る。
「ここが礼拝堂です」
前世でやっていた有名RPGの教会みたいな感じで、木でできた長椅子が二列。一列に5個ずつ並んでいる。
正面には長い髪をした1.5mぐらいのギリシャ神話みたいな衣装の美しい女性の石像が、少し高い位置に設置されていた。
見てると落ち着く感じがする。
リーナさんがシスターモードに入る。
「あの正面にある像が女神メルティス様です。女神様は、このオルビス世界を創られた創造神の娘神と言われています。
人間種も亜人種も守る生命と癒しの女神様で、今は私達の魂を天界へ運んでくれるとも言われています。」
この世界はオルビスっていうのか。
魂を送るか……なんだか異世界転生とかさせれそうだなあ…
「生まれて初めて礼拝堂という場所に入ったんですけど、落ち着く感じがしますね」
「あ、実はわたしも昨日から不思議な感覚があるんです!もしかしたら女神様が見ていらっしゃるのかも!」
リーナさんが目を輝かせている。
「じゃあ、さっそくお祈りをしましょう。目を閉じて像に向かって気持ちを込めるだけで大丈夫。」
言われた通り目を閉じる。
とりあえず死にそうな所を転生できた奇跡に感謝をしてみる。
その時、閉じているにも関わらず視界が白く染まり出し、声が響いた。
⦅来たか!⦆
聞き覚えのある声が響き、おれの意識は引っ張られていった。
ーーーーーー
⦅もう目を開けて大丈夫じゃぞ⦆
まぶしさが落ち着いてきて、優しい声が響いておれは言われるがまま目を開けた。
永遠に続いている白い空間。
そこに礼拝堂の女神像によく似た女の子が立っていた。
ただ石像よりもっと幼い。
また異世界に来たよ!
しかも目の前の少女って…
⦅済まんかった〜!⦆
いきなり少女に謝られる。
「あの、もしかして女神様ですか?」
名前は…なんだったか。
⦅うむ…そうじゃ。我は女神。名前はメルティスじゃ。ここは天界。お主に謝る事があって魂だけ呼び出しておる。⦆
本物の女神様!天界!声が頭に直接響く!
⦅テンションが高いの〜。怒っておらんのか?⦆
「死んだと思ったら女神様に異世界ですから…怒る?」
それにしてもテンションが上がったとすぐバレた?名前も釘をさされたし…もしかして心の声が?
⦅うむ。聞こえておる。あの事故の時の悪口も聞こえておった。⦆
事故の時?…あっ!
「あれは咄嗟の事で、本気では…」
⦅分かっておる。驚いただけで怒ってはおらん。⦆
ふぅ。心の広い神様でよかったナー。
⦅本心は聞こえておるから、お世辞も意味ないぞ?⦆
うっ、じゃあさっそく。
「女神さまは何を謝るために呼んだんです?」
⦅あー、実は...お主は我が声をかけなければ助かっていたと思うのじゃ...⦆
!?
⦅我は創造神様と違って運命までは読めぬ。
しかし、あの時おぬしの魂は死に抗って強く輝いておった。
それを眺めていたのじゃが、おぬしが突然悪口を言い始めてついツッコんでしまっての…
我の癒しの声で魂が落ち着いて、死に抗う力を失い、おぬしはそのまま逝ってしまったのじゃ….済まなかった!⦆
「分かりました。不可抗力なんですよね?なら仕方ありません。」
なんか、すんなり許せた。
まさか女神の声が死神の声になるとは…
⦅死神はよさんか。この声はあらゆる苦痛を和らげる癒しの声なんじゃぞ?
今お主が衝撃的な事実に落ち着いていられるのも、この声の効果もあるはずじゃ。⦆
確かに自分の死の原因を知っても冷静でいられるな。
悪い事しても相手に怒られない声とか、ちょっとずるい。
⦅ずるくなどないわい。この声のおかげで多くの者達が心安らかに逝っているのじゃ!…しかも創造神様には効かんし…⦆
やっぱり死神だな…
反応などいただけたら幸いです。
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