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獣人転生 犬獣人は癒しの女神を癒せるか?  作者: 雪
一章 タカンの街

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24話 魔牙

「勇者ってもう決まってるんですか?!」

「5年前に決まって発表されたわよ。今はまだ修行中だと思うわ。」

もう勇者が決まってて、それでもなお、メルティス様は魔王に勝てないと判断してるのか。


「勇者ってその時の最強の人が選ばれるんですか?」

「うーん。それは女神様にしか分からないんじゃない?」

勇者より強い存在もいるなら心強いんだけどな。


「でも、少なくとも小人国は、“闇を切り裂く10万年に1人の希望の魔術師”って言ってるわね。」

「はあ…」

○○年に1人とか、元日本人からするとちょっと胡散臭く感じるんだよな。


「ちなみに前の勇者の肩書きは分かりますか?」

「前は分からないけど、4代前は人間種だから知ってるわ。世界を照らす太陽の化身 1万年に1人の剣捌き だったはず…ん、あれ?5000年だったかしら?1万年は8代前?」

「あ、大丈夫です。だいたい分かりました。」

これは実際に見てみないと信用できないやつだわ。

本当に10万年に1人の強さなら、数百年前の勇者のバハルを超えてるはず。

「いろいろ教えてくれてありがとうございます!」


リーナさんとの話を終えて、おれは指名依頼の話を聞きに、領主様の館の前まで来た。

(領主の名前って何だっけ?)

《ヴァイロ・タカンです。》

(さんきゅー!)

「失礼、守衛さん。タカン様に指名依頼の件で、冒険者ユウキが来たと伝えていただけますか?」

「君がD級冒険者?確認させてもらってもいいかな?」

「どうぞ。」

冒険者カードを渡すと、待機所へ去って行って、今度は2人で戻って来た。

「確認ができたので、こちらの案内係と一緒に向かってください。」

「よろしくお願いします。タカン家の執事長をしておりますサバスと申します。」

おしい!あと一文字でセバスだったのに…


「こちらこそよろしくお願いします。」

「ユウキ様、館の中では武器の使用は禁止されておりますのでお気をつけください。抜剣は敵対行為とみなされ排除対象となります。」

「分かりました。」

大丈夫。おれはガントレットが基本武器だからな。


「それでは、こちらでヴァイロ様がお待ちです。」

「はい。」

客室に通された。

「よく来てくれた。ユウキ殿。」

「いえ、こちらこそ指名依頼を頂けるほど信頼していただきありがとうございます。」

この街は獣人に比較的優しいらしいし、丁寧に対応しとこう。

これからも群狼はこの街で活動するだろうしな。

「ほぉ、若く強い獣人であり、礼儀も正しいとは。ますます今回の指名依頼は君に相応しいだろう。」

なんだ、なんだ?

すごい褒められるぞ?

カジルとの決闘の時はかなり睨んできてたのに。

逆に怪しく感じて来るんだが?


「単刀直入に言おう。魔牙という獣人至上主義集団を潰して欲しい。」

「まが?」

なんだそれ?MAGAじゃないよな?


「魔牙。魔法を使える獣人のみで構成された集団だ。彼らは獣人の地位を、再びかつてのように偉大なものにしようとしている集団だ。」

まんまMake Animal Grate Againじゃないか!

転生者じゃないだろうな…

「一獣人として聞かせていただきます。それの何が問題なのでしょう?」


「彼らが目指しているのが、かつての獣人国ならば問題にはならなっただろう。しかし、彼らは勇者バハルがいた他種族を下に見ていた頃、つまり初期の獣王国の地位を目指しているのだ。」

魔牙は馬鹿のようだな。


そんな事をすればかつての焼き増しにしかならない。

また5種族と戦争になる。かつてより格段に弱った今の獣人に勝ち目はないだろう。

むしろ敗戦して、さらに地位が悪くなるだけだ。

おれがせっかく地位を上げるために頑張るつもりなのに…


「なるほど、確かに潰すべきだと思います。でも王都周辺なら王都の冒険者なんかがいるはずでは?」

何もおれを指名する必要がない。


「確かに王都には人間種の戦力がある。しかし、魔法を使える獣人達を人間が殺せば、獣王国やこの国の獣人が反発する。特にタカンの街は獣人が多い。出来ればこの問題は獣人同士で解決して欲しい。」

「なるほど…でも何でおれなんです?アーサーさんの方が適任では?」


「魔牙は王都や周辺の森に潜伏し、盗賊活動を行っているのだが、逃げ足が早くなかなか尻尾が掴めない。アーサーや獣王の牙のメンバーは名前も顔も売れ過ぎてて捜査はしにくいのだ。」

「おれはまだ有名じゃないから連中の警戒をすり抜けられると?」

「そういう事だ。」

うーん。受けてもいいけど、王都の人達が情報を掴めないのに、おれ1人で対処できるとは思えない。

「どれぐらい規模なんです?」

「判明しているだけで15人以上だ。」

「無理です!」

そんなに大勢の魔法使える獣人に襲われたら確実にやられる!

《相手がカジル程度なら主様なら制圧ならば可能です。》

そうかな?

(全然自信ないんだけど…)

《今のステータスでも充分に可能です。アーサー殿に魔法の指導を受ければさらに容易となるでしょう。ただし盗賊の捕縛となると失敗する可能性があります。》


「何も君1人に頼む訳ではないぞ。」

あ、そうなのか?良かった…


「群狼を使ってくれて構わない。今は君がリーダーなのだろう?カギル以外は名売れていないはずだ。手伝ったメンバーにも報酬は払う。」

あー…群狼はしばらく使わない予定なんだけどなぁ。

しばらくカギルに任せるって宣言したばかりだし、すぐにやっぱり何人か使うと言ったらすごく恥ずかしいぞ。

「群狼はしばらく使えないんですよね…怪我明けも多いですし…」


「なに。そうなのか…今朝見た時は元気そうだったが…」

「見た目はそうなんですけど、まだ体力が…」

「そうか…だがそうなると厳しいか?他に協力者はいないのかね?」

獣人の協力者となると師匠とニーナぐらいか?

どっちも勝手に動かせない。

ルプさんの言う通り戦力的に問題なくても、捕まえるとなると不安が残る。


「この件、もう少し考える時間をいただけませんか?」

「かまわない。だが被害が大きくなれば王都の騎士団が動くだろう。その事を念頭に入れておいてくれ。」

「分かりました。数日中に答えを出します。」

「うむ、頼んだ。」


まずは明日アーサーさんに相談だな。

反応などいただけたら幸いです。

誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。

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