17話 ヘルプさん
舞台は整った。
あとはカジルに勝てば群狼の件は片付くだろう。
今日のところは動ける群狼のメンバーを狩猟、採取修行、教会手伝いに振り分けて一旦お開き。
おれはギルドのいつもの寝床に戻った。
ふう。
ハードな一日だった。
おれは目を瞑って話しかける。
(ヘルプさん?起きてますか?)
《常に待機しています。》
(え、たまに休みとか与えた方がいい?)
《不要です。》
(そうなんだ…)
本当に大丈夫なのかな?
これは女神様に聞こう。
《…》
(どうしてカギルをボロボロにしたんだ?)
《主の命を守るために必要と判断しました。》
それって、おれの内部の情報だけじゃないよな?
自己鑑定のヘルプ機能を超えてる気がする。
(それは何から判断したんだ?)
《主が入手したカギルの情報と主のバイタル情報から算出しました。》
薬草のように、おれが体内に直接取り込んだ情報はヘルプさんも吟味出来るのは知ってる。
ただ、
(おれが見た視覚や嗅覚の情報も、内部に取り込んだ情報として自己鑑定の効果範囲になったのか?)
そこまでは以前はできなかったはずだ。
《はい。主のステータス上昇により感覚が鋭くなり、視覚や嗅覚から得られる情報がより多くなったためかと考えられます。》
なるほどな。
ヘルプさんじゃなくて、おれが成長したからか。
(今後はヘルプさんは、おれが見たり聞いたりした情報から、相手のステータスや脅威度も予測出来るって事?)
《その通りです。しかし、あくまで予測ですので、鑑定スキルに比べると正確性は落ちるかと。》
(いや、それでも大助かりだよ。)
相手の見た目から力量を予測するって熟練の武道家とかじゃないと無理だと思う。
それでも全てが分かる訳じゃない。
だから鑑定スキルは便利なチートスキルなのだ。おれはそれを擬似的に再現出来るようになった。
(それで、カギルは殺さないとダメだと予測される程の脅威だったのか?)
《…》
あれ?
《分かりません。》
(え?)
《カギルの危険度が不明であったため、可能性の排除に移行しました。》
おいおいおい!
(それはマズイよ!)
危険になる可能性があるってだけで排除してたらキリが無いぞ!
《カギルの危険度は高いと判断しました。しかし原因が不明でした。》
(ん?ステータスから予測したんじゃないのか?)
《はい。排除しなければ主が危険だという結果はだたのです。しかし、その原因が不明です。》
ステータスじゃないなら何だ?
何がヘルプさんにそう判断させたんだ?
…覚悟か?
おれは狼牙を食らう前、カギルの覚悟に恐怖した。
ヘルプさんはカギルの覚悟を感じ取った?
ヘルプさんって感情があるのかな?
これはも女神様案件だな。
(ヘルプさんがおれを守ろうとして動いたってことは分かった。)
《その通りです。》
(だけど、今後は曖昧な判断で人を殺そうとしたらダメだ。)
覚悟や殺意に反応していたら、本当にキリが無くなってしまう。
《了解しました。》
よし、これでヘルプさんの事はひとまずいいかな。
あとは明日から1週間、冒険者とし動く。
《その前にステータスを確認することをお勧めします。》
(ステータス?分かった。)
前回からレベルは上がってないはずだけど...
《自己鑑定》
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名前 ユウキ・イトウ
年齢 16
種族 犬獣人
レベル 8
状態 健康
体力 A
攻撃 C−→C
魔力 D+
防御 B+
精神 B+
素早 C−
【スキル】
《頑丈》《万能血》《言語理解》《自己鑑定》
《気絶耐性》
【称号】
《転生者》《天界に到達せし者》《G級冒険者》
《群れを率いる者》
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なぜか攻撃が少し増えた。
お!スキルと称号も増えてる!
《気絶耐性》かぁ
そういや、この世界来てから何度も気絶してる。
耐性つく程だったか。
あるとちょっとカッコ悪い気もするけど、おれ的には助かるな。
リーナさんとは、気絶するような無茶はしないって約束してるし、気絶しない無茶なら約束破ったことにはならないはず...
称号の《G級冒険者》はともかく、《群れを率いる者》は群狼のせいだろう。
この称号って群狼をカギルに返したら消えるのかな?
少なくとも《G級冒険者》の方はランクが上がったら変わるはず。
称号に集中すると効果が浮かびあがって来る。
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《群れを率いる者》
群れからの忠誠心に応じてステータス向上
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なるほどな。
攻撃が少し上がったのはこの効果か。
上昇値的に、そんなに忠誠心はなさそう。
捧げられても困るけど。
これで今日やるべき事は終わった。
明日から白の群狼と、自分のレベルアップのために、がんがん狩りをしよう...
今度こそおれは明日へ向けて眠りに入った。
反応などいただけたら幸いです。
誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。




