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獣人転生 犬獣人は癒しの女神を癒せるか?  作者: 雪
一章 タカンの街

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18/23

15話 上級冒険者

サブタイトルをつけるかもしれません。

今後もよろしくお願いします。

教会に着いて、最初は森の木剣に会いに行くことにした。


リーナさんに教会の一室に案内される。

来るまでにすれ違う狼獣人達へ、アーサーさんが指示を出す

「お前ら、動けるメンバーはすぐ礼拝堂へ行くように伝えてくれ。カジルは絶対だ。」


おれを知ってる人には会わずに済んでよかった。

今カジルに会ったら面倒くさい。


コンコンッ

「どうぞー」

「失礼します!」


中には5人。

ベッドの上で胡座をかいてる狼獣人の女の子がニーナさんだろう。

あとはセロンさんと、知らない男女がいる。

パーティのメンバーなんだろうけど、耳を見ると2人ともたぶん人間種じゃない。

もしかしてエルフ?


「ユウキ君!無事だったんだね!!」

「はい!おかげ様で助かりました。」

「君がうちのニーナを助けてくれたんだね。僕も礼を言うよ。」

「私からも礼を言うわ。ありがとう。でも本当に若いのね…っと、アーサーはデカいから、全員はちょっとキツいわ。私達は部屋の外で待ちましょう。」

「そうだな。」

「デカくて悪かったな!」

エルフっぽい2人が出ていった。


「……」

「ニーナ?どうした?」


ニーナがおれを見つめて動かないんだけど…

「…信…ら…な…」

「え?」


「んーん。何でもない。こんなに若いなんて思わなかったの。ありがとう!君は命の恩人だよ!」


何が気になったんだ?

それにしても、おれが誰かの命の恩人かあ…

「そ、そうかな?勝手に群狼から戻る条件を付けちゃって迷惑じゃなかった?」

「迷惑な訳ないよ!あたしは狼獣人だけど、戦闘が苦手でさ、だから採取専門の森の木剣に入ったの。なのに無理やり群狼に入らされて大変だったんだから!」


今は元気そうだけど、カギルもニーナはボロボロだって言ってたな。

「そっか、迷惑じゃなくて良かったよ。それにこっちこそ、最高級のポーションを使わせてしまってごめ…


「そんな事はない!!」

「セ、セロンさん?」


「僕は…大馬鹿者だ!クロススラッシュが君の首に当たりかけた時、僕は止めるべきだった!、奴が狼牙を使うと言った時もだ!!」

そんなに気にしなくても…


「僕は…僕は…ニーナが戻るかもしれないと言う期待で、君を見殺しにしかけた!冒険者失格だ…」

「セロンさん…」


「最初はすぐに止めるつもりだったんだ。決闘を受けたって事実だけ作ればいいと…だけど、君が奴に勝てそうだと思ったら、止められなくなった…最高級のポーションだって死んだら何の意味もないのに…!!」

「…」

「君は命をかけて格上の冒険者と闘った。死にかけてもなおカギルを殴り飛ばした。なのに僕は、安全な位置から致命傷を受けた君を止めただけだ!」


やめてくれ…

覚悟が無かったのはおれも一緒なんだ。


「僕はいつだってそうだ!逃げてばかりだ。闘いから逃げて採取をしてる。群狼から逃げるように君を隠した。群狼にニーナが連れて行かれた時だって…僕は連れ戻そうとしなかった…」

「リーダー…」


アーサーさんがセロンさんの肩を掴んだ。

「そこまでにしとけ、セロン。お前はニーナが連れて行かれてから、それ以上狼獣人達が巻き込まれないように最善を尽くしていた。そうだろ?」

「…だけど、立ち向かえなかった。同じC級冒険者なのに。ユウキ君は1人で立ち向かったのに!」

「はっ、それこそ気にすんな。人間と獣人じゃ考え方が違う。ユウキぐらいの歳の獣人は死ぬような無茶してなんぼなんだよ。特にユウキは無茶なやつだ。比べるなよ。」

「そうだよリーダー。そんな事言ったら、獣人なのに戦闘が苦手なあたしなんてもっと意気地なしだよ?」

「意気地なし…」

「あっ」

ニーナさん!?


「僕は…」

「引退するなんて言うんじゃねえぞっ!!」

うぉっ!

アーサーさんの怒声は怖い。


「っ、だけど…」

「それこそ逃げだろうが!お前、引退の責任をユウキに負わせて去るつもりか?」

「そんなつもりは…!」

「なら続けろ。これからも色んな冒険者を助けてやればいい。……いずれ、おれはイアラを抜いて、この街の獣人冒険者のトップになるつもりだ。」

「!?」

「お前は、マスターを抜かせば既に人間の冒険者のトップだ。ギルドはお前が申請すればすぐにでもB級に上げる準備も出来てる。」


「は?」

「最高級ポーションの素材を集められる冒険者はそうはいない。エルフと獣人を纏められる人格も申し分ない。他の冒険者達からの信頼も厚い。断る理由がない。」

「アーサー、何を言ってるんだ…」

「覚悟を決めろと言っているんだ!B級になれセロン。」

「僕は…」

「おれもすぐに追いつく。」

「ちょっと、考えてさせてくれ…」

「早めの返答を期待してる。」

「あたしはリーダーを応援してるよ!それに、木剣はあたしの居場所。解散なんて言わないでね?」


「え〜っと、2人とも?とりあえず、ここは教会だから静かにしてね?」

あ、リーナさんがちょっと怒ってる。

「お、すまん」

「す、すみません!」


おれとリーナさん、アーサーさんは部屋を後にして、今度は礼拝堂に向かう。

群狼達が待ってる。


「ユウキすまなかったな。良い機会だったんで、セロンを焚き付けるのに利用しちまった。」

「いえ、平気ですよ。僕もセロンさんが引退するなんて嫌ですし。」

「そう言ってもらって助かる。あいつは自分を過小評価してる。ただの臆病者がC級になれる訳ないのによ。」


上級冒険者は、おれが思ってたより凄い人達だった。

カギルもただのチンピラじゃなかった。

大勢の狼獣人達を束ねる覚悟を持ってた。


()()()()ではなく、同族だろうと()()()()だったけど。


リーナさんも、アーサーさんも、セロンさんも、皆んなおれを買い被り過ぎだ。

どこかでヘルプさんがいるから、死ぬことはないと思ってたから無茶できた。

実際、助かったのはヘルプさんのおかげだ。


しかも、おれは攻撃で気絶したんじゃない。

ヘルプさんの声を聞いた瞬間、安心して気絶してしまったんだ…

おれの中身はただの平和ボケした地球人だ。


だけど、みんなはそんな事は知らない。

おれが死ぬ覚悟を持って戦ったと思ってる。


おれは、皆んなの期待に応えられるのか…

反応などいただけたら幸いです。

誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。

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