10話 冒険者
熊獣人のアーサーさんに森に連れられ、冒険者の狩猟試験で無事に角ウサギの狩りに成功し、2人は帰路につくのだった。
あっという間にタカンに着いた。
途中でいくつか馬車を追い抜き、行きに見かけたキリンの獣人さんに声をかけ、小腹が空いて干し肉を齧りながら走って、行きの半分の時間で着いた。
それでも、狩りの疲れ<ステータス上昇の恩恵、
なので疲れてない。
ゲームの始めたてに、レベルアップが早すぎてスタミナを使いきれない現象になってる。
生身だとこうなるんだな…
もっと狩りをしたかったが、夜の森は危ないからとアーサーさんに止められた。
「獣人は狩りに夢中になりがちだ。引き際を間違えないようにな」
そういえば、まだ試験中だった!
もうすっかりタカンの街はおれの帰る場所だ。
まだカードを持ってないが、アーサーさんが新人冒険者だと言えば門番は通してくれた。
ふふふ、次から1人でもここを通れるのか〜。
「こいつはユウキ、幼く見えるが期待の新人だ。」
「ほー、アーサーが期待する新人か。頑張れよ〜」
「はい!頑張ります!」
よしよし、どうやら門番までは悪食の評判も届いていないようだ。
どうせ付くならもっとカッコいい2つ名がいい。
今度リーナさんと相談しようかな。
結果報告のためにギルドへ向かう。
そういえば、
「アーサーさんは2つ名はないんですか?」
新人のおれにもう付きそうなぐらいだし、上級冒険者なら持ってそうだが…
「ん?あぁ、悪食を気にしてるのか。はっはっはっ!」
くっ一瞬でバレた。
「そうだな。おれはパーティでタンクをしているから炭鉱街の大壁なんて名がついてる。」
「おーー!」
まともだ!
「裏じゃギルドマスターの肉壁とか言われている。」
「えー…」
おれの中のマスターの株は旧下落だ。
「はっはっ、本当に肉壁にされてる訳じゃないぞ?ギルドの仕事を押し付けられたるだけだ。」
マスターってまともな人じゃなさそうだな。アーサーさんの恩人らしいけど。
「ギルドへの報告はおれがやっておくから、ユウキは解体場へ行って獲物を渡して来るといい。」
「わかりました。」
ギルドの前で分かれて、解体場へ足を運ぶ。
「すいませーん!解体をお願いしたいんですけど!」
ヌッとスキンヘッドのおっさんが奥から出て来た。
「初心者セット…坊主がアーサーの腕を食いちぎったとかいう悪食のユウキだな? 袋の中身は角ウサギか?」
噂が出回るの早過ぎだろ。
あんただってある意味坊主のくせに!
おっと、礼儀正しくしないと。
噂を払拭するのだ。
「僕はただのユウキですよ?中は角ウサギ6匹です。」
「ほ〜。坊主のくせに本当に敬語が使えるとはな。正直疑っていたんだが、噂は本当だったんだな。」
なに!?噂の信ぴょう性が増した!?
もう取り返しがつかなくなって来たぞ。
「今回はギルドが解体料を受け持つ。ただし5匹はギルドの物、残りの1匹がお前の分だ。ウサギ肉はいくらあっても困らないから残りもこっちで買い取ってもいいし、素材を返してもいいが、どうする?」
「入れる物がないので全部買い取ってください。」
さすがにパンが入ってた紙袋にウサギの死体は入れたくない。
「了解…そうだな。全部坊主が狩ったんだな?」
「ええ。そうですけど。」
「なら一番デカい角ウサギを坊主の分につけといてやる。銀貨4枚と銅貨5枚だ。アイテム袋はこっちがギルドに返却しといてやる。」
最初に狩った1m超えの奴だ!ちょっと高く売れた!
「おれは解体屋のジョーだ。今後もよろしくな」
「よろしくお願いします。ただの勇気です。」
この世界の硬貨の価値は、だいたいこんな感じ
鉄貨1枚=10円
銅貨1枚=鉄貨10枚=100円
銀貨1枚=銅貨10枚=1000円
金貨1枚=銀貨10枚=10000円
白金貨=金貨100枚=100万円
銀貨4枚と銅貨5枚ならだいたい4500円。
あの角ウサギはデカめで肉も多かったから少し高めに売れたようだ。
明日からはウサギ狩りになりそうだ。
ちなみにギルドの食事は1人前が銀貨1枚。
昨日の夕食はおれの分が2人前で銀貨2枚、アーサーさんは10人前も食べてたので金貨1枚を支払っていたので、2人で1万2000円のそこそこ高級なディナーだった。
〜
解体場を出てエントランスで待つ。
ワクワク
これから冒険者カードがもらえる。
お、アーサーさんとメルさんの話が終わったようだ。メルさんが手招きしてる。
「お待たせ〜はい、これがユウキ君の冒険者カードよ。3種とも合格おめでと!」
おー!!
おれの名前が刻まれた、金属製のカード。
3つのマークが刻まれていて、採取、探索、狩猟の全てが受注出来ることを示している。
それぞれのマークの下の星は1つなので、まだ全てG級しか受けられない。
「各種依頼を成功させたらギルドでカードの裏にポイントをつけるわ。一定のポイントが貯まったら種ごとにランクがアップして星を増やすの。冒険者ランクは一番高い種類に合わせるから、1つでも上がったら、F級になれるわ。まずはG級依頼を10個こなせばF級に上がるから頑張って!上のランクになるとカードの材質も変わるから楽しみにしてね〜」
狩猟がAランクになれば、採取や探索がG級のままでもA級冒険者となる。
ただし、採取と探索の依頼はG級しか受けられない。
「おめでとう。これてユウキも冒険者だ。」
「ありがとうございます。ちょっと感動です。」
「そうだろう。おれも炭鉱奴隷から冒険者になった時は感動だったよ…」
「もっと強くなれるよう頑張ります!」
「ユウキは何か目標があるのか?」
「命の恩人がいまして…強くなって恩返しがしたいですね。あとは精神力を上げて、アレを覚えたいです。」
「なるほどな。強くなる理由があるなら強くなれるさア。おれは少しギルドの仕事がたまってるから、アレの訓練は1週間後でどうだ?」
「了解です!」
「じゃあ、1週間後の朝にここで待ち合わせだな」
「楽しみにしてますね!」
こうしておれは、しばしアーサーさんと別れるのだった。
ーーー現在のステータスーーー
名前 ユウキ・イトウ
年齢 16
種族 犬獣人
レベル 3→8
状態 健康
体力 B→A
攻撃 D→C−
魔力 D→D+
防御 B→B+
精神 B→B−
素早 D→C−
【スキル】
《頑丈》《万能血》《言語理解》《自己鑑定》
【称号】
《転生者》《天界に到達せし者》
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角ウサギを匹にするか、羽にするか、悩みました。
そんなくだらない所を考えるのも楽しい。
反応いただけたら幸いです。
誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。




