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私の初恋は終わった…はずですが?  作者: あかさたなっちゃん


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8/13

8 ご褒美に

新学期が始まった。


昨年は夏以降色々あったけど、冬休みにリフレッシュして、マリンは気分上々、いい出だしだった。


卒業試験では8位と、上位10位以内に入ることが出来て、廊下に張り出された。


「マリン!凄いじゃない!!」


「サーヤだって5位で流石だわ!相変わらず凄いよね!」


「まぁねぇ〜。そうだっ!!今日お祝いに放課後にカフェに行かない?」


「いいわね!賛成〜〜!!」


サーヤは万年上位をキープしている優等生。流石は伯爵令嬢である。私はいつもギリギリ10位に届かず、今回初めて上位に入ることが出来た。


伯爵家の侍女になる為にと、冬休み明けから時間をみて、伯爵家での勉強会が始まったのが、今回の結果に繋がっている。


今までは自領への研究に力を注いでいたが、今度は伯爵家に恥じないように知識を広げて学んでいる。

伯爵家が専用の教師も手配してくれて、感謝しきれない程である。


最初は申し訳なく感じていたが、侍女となって伯爵夫人と一緒に行動していく際に、知識不足で仕事に支障がでてはいけないと言われ、一生懸命学ばせて貰っている。


もともと勉強は嫌いではないので、新しい知識はとても楽しい。子爵家以上に伯爵家としての知識やマナーをマスターする為に、今は努力している最中。


伯爵夫妻もサーヤもルート様も優しくて、とても良くしてくれる。

働き出したら恩返しと思って、精一杯勤め上げようと思う。


一生懸命に打ち込むことがあると、ダンの事が気にならなくなった。

視界の端にたまに映り込むこともあるが、ダンは相変わらず、リリアン伯爵令嬢と一緒に過ごしているみたい。

それを見ても、胸が疼くことはなかった。

思っていたより、自分が大丈夫になっていて、逆にビックリする。


――笑って過ごすことが出来て、本当に良かった。


当時は苦しくて押しつぶされそうな想いだったけど、今では嘘のように心が軽い。


何より持つべきものは親友だわ!

学園生活での何よりの宝物はサーヤだと言える!

一生大切にしていこうと思う。


「マリン、行きたいお店とかある?」


「うーん…それじゃ〜【ミランジョ】がいい!!」


「えっ…!!…マリン。それって、あのお店?」


「そう!あのお店!」


「私は良いけど、……大丈夫なの?」


「ええ!サーヤとの大切な思い出に塗り替えたいの!!だって素敵なお店なのに、嫌な思い出の場所にしたくないの。…サーヤ付き合ってくれる?」


「っっ! そういうことなら!もちろんよっ!!」


サーヤがガバっと抱きついてきた。

私も抱き返した後に、一緒にうふふと笑い合った。



☆☆☆☆☆



サーヤが朝の時点でお店に席は確保するように手配してくれていた。


放課後サーヤとお店に着くと、店の前に、何故かルート様がニコニコしながら手を振っている。


「やぁ!マリン嬢!お祝いって聞いたから、ご一緒してもいいかな?」


「…………地獄耳め」

サーヤが隣で何か呟いたが、上手く聞き取れなかった。


「えっ?」


「ううん。何でもないわ。さっ!行くわよっ!」


サーヤが私の腕をとり、腕組みをしてお店の中に入っていく。後ろからルート様が、ヤレヤレといったポーズを取りながら、ニコニコと着いてくる。


席に着いてメニューを見ながらワイワイするのも楽しかった。


サーヤはガトーショコラとアールグレイを、ルート様はチーズケーキと珈琲、私は悩んだ挙句、1番最初に来店した時に食べた思い出の品を頼んだ。




「ん〜〜っ!!おいしぃぃ〜~!!」


お店名物のアップルシナモンパイを、口にいれるとパリっとしたパイの食感と、ねっとりとした食感のアップルの酸味とキャラメルの甘味、シナモンの風味が絶妙なハーモニーを奏でている。


思わず頬に手をあてて、ほぅ……と溜息が漏れる。


――やっぱり美味しい…また食べれて良かった。


マリンがウットリと美味しそうに食べる姿を、ロジヤータ姉弟はニコニコと眺めている。


「ルート様も年度末試験で1年首位だったそうですね。おめでとう!!みんなでお祝い出来て嬉しいわね!」


「マリン嬢!ありがとうございます。マリン嬢もおめでとうございます。みんなでご褒美ですね」


「うふふ。私しあわせ者だわ。ここに、サーヤとルート様と一緒に来られて、本当に良かった……」


――美味しいご褒美と大切な人達


素敵な時間を過ごして、またこのカフェが好きになれた。

お読み頂き、ありがとうございます。

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