11 控室
「マリン嬢」
背後から声がかかる。振り向くと、そこには…
「――ルート様?」
何故ここに彼が?
ここは、卒業生のパートナーの控室。身内か婚約者だけが居るはずであって、ルート様はサーヤの…?いいえ!サーヤにはカルビン様がいる。
それならば、婚約者の立場で?でも、彼は誰とも婚約してなかったはず。してたら、伯爵家に入り浸っている私が知らない訳がない。
じゃぁ……!!そっか!!生徒会役員だわ!!
な〜んだぁ…、そっか!それで控室にも出入り出来るのね。
ホッとした……。ん?どうしてホッとしたんだろう、私?
「生徒会のお勤めですか?ご苦労様です」
ニッコリ笑顔で、労を述べる。
「いいえ。今日はパートナーとしてです」
―――えっ!?パートナー!?
それって、婚約してる人が卒業生にいるってこと?
ドキっとして、胸の奥が少しモヤっとした。
「そ、そうなのね。私も父を探さなきゃなので!それじゃ〜!!」
そう言って、その場をイソイソと離れようとした時、ガシっと腕をルート様が掴んだ。
「待ってください、マリン嬢!」
「ほぇっ?!」
ビックリして、変な声が出てしまった!
「くふっ」
ルート様も口に手をあてて、少し赤くなっている顔を背け、笑いを堪えている様子だ。
っっ恥ずかしい!!
「な、なんでしょう?私、急いで父を……」
「くくっ!す、すみません。あまりにも可愛らしかったもので、その、あの、…えっと……」
ルート様が何やら吃り始めた。そんな事、今まで1度もなかったことなので
「ルート様、どうしたんのですか?」
心配になって、下から仰ぎ見る。
具合が悪くなってたら大変だっ!!
すると、ますますルート様がの顔が赤くなっていった。
大変っ!!熱があるのかも!?
「熱が!?大丈夫ですか?誰か呼んできますねっ!」
そう言って、入口にいるスタッフに声を掛けに行こうとする。
「だ、大丈夫です!すみません!具合が悪いわけじゃないないんです」
じゃぁ…いったいどうしたのだろう。
ふぅ〜はぁ〜…っと、ルート様が深呼吸したのが分かった。それと同時に、とても真剣な顔になったので、私もゴクリと喉を鳴らして、その様子を見守る。
「マリン嬢、今夜のパーティーですが、貴女のお父上からパートナーを譲って貰いました」
えっ……、!…??!!ええぇぇぇ!!?
ど、ど、どういうこと??
ルート様は今なんて?!
ぐるぐると頭を回転させても、私の頭の中では解決出来そうにない!!
「えっと……!?今、なんて?」
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