中学生の縄プレイ
青葉大輝との順調そうにいくように見えた恋愛は
青葉大輝のある行動によって、
プツンと、ある日突然終わってしまう。
それが、縄事件。
中学生のわたしには、
アダルトな事が分からなかったので、
それが起こった時、
なにが起こったか分からなくなって
「ひぇーーーーーー。」となった。
始めて、
両想いになりそうだったところが…
一変した。
ある放課後、
突然、テンションが上がってしまった
青葉大輝は
そこそこ、放課後人が残っている所で
郁子に
「自転車の荷台を括る縄で
郁子を縛り付けたら、どうなるか??」と聴いてきた。
じっさい、仕掛けようと
そぶりを見せたことで、
わたしの脳裏には、
「虐待」のひとことがチカチカして、
いてもたってもいられなくなってしまった。
家で縄で縛られた事はなかったけれど
精神的に、それに近い状態だったことから
「虐待しんどい」の
二語が出て来て
なんだか、
平常心どころではなくなってしまったのだ。
ほんとうは、理解していた部分もあった。
「男は強いんだぞ。」という
思春期なりの主張で、
大事になるような、なにかではなかった、と。
でも、純粋な好意を
郁子が怖がった事で
歪んだものに見えてしまった。
客観的に、
アウトローな路線の話だったことで
なおさら難しかった。
恋愛経験の浅さから
相談先が無く、
焦った郁子が、うっかり、
副担任に相談を持ちかけた事で
恋愛に発展することなく、
無事色んな事が終了してしまった。
年頃の男の子の、
女より強いを表現する方法は
今でも、解釈がむずかしい。
…めちゃくちゃ、ぎくしゃくした関係性は
その後、6年間続いた。
そして、好調だった成績も
親のしあわせを願わないひとことで
かき消されていった。
「あんたの成績が伸びることより、
家の家事が片付く方が大事。」…
なんで、自称進学校に進学したのか、分からない。
家の事情を
あとから知ることになる郁子にとって、
【進学校にいるのに、勉強しなくて良い。】
おなじ重さの注文を、
同時にぶつけられる事は
とても、むずかしいことだった。
【家事をした後、勉強しなさい。】
家事で消耗するじぶんにとって、
両立しろ、の話は、難し過ぎた。
片道10分の通学距離なら分かるけど
片道40分の距離。
なにもかも、聴いて欲しいは
しんど過ぎた…。
通学・家事の合間に
勉強がねじ込む隙間はなかった。




