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好きって、いえない  作者: 燃え燃えきゅん
序章
3/6

親友も知らない3つの恋

相澤莉奈が知らない

郁子の中学時代の恋愛は3つある。




郁子は、じぶんのことを押し黙って、隠すタイプ。



相澤莉奈は、

じぶんの感情の限界が来ると話をしてくれるタイプ。



言い訳だけれど、

親友に話をしていないことが、ズルいとか、ではなく



「郁子が聴くこと」の需要が長かった影響で、

郁子が喋ることなく、

相澤莉奈が喋ることの方が圧倒的に、多かった。





ひとつ目は、

郁子が「斉藤拓真」と「相澤莉奈」を知らない

13歳の頃の話。



この時。



郁子の家の事情が何もなければ

王道コースで付き合って、普通に別れて

学生時代の青春を謳歌…。の予定だった。



そして、それが、成就されていたら

郁子の学生時代は、進路は、

すべて、違ったものになっていたに違いなかった。



郁子にも、当たり前の青春が用意されていたように

思えた時期もあったのだ…。



 

【家の事が気になり過ぎて、

ふつうに、「付き合おう」って。「言えない…。」】




小学生から、上がっただちで

付き合うとか、考える事が出来る訳もなく。



まして、雑誌の読み過ぎで、


「親に知られたら、

好きな人との関係を断たれてしまう。」



それを思うと、手も足も出なかったのが13歳の恋。



恋とも呼べなかったけれど。



郁子は、ずっと、鈍感だったので

青葉大輝が、好意を寄せていることに

一切気づかなかった。



良い季節だった。

なにもかもが、最高な時期って

ああいうことをいうんだろうなってくらいの、明るめの青春。



鈍感な郁子もある時、気づく。



席替えで、席が横になると

なんとなく、距離感が近いなって。



郁子は、よく、朝読書の時間に、青い鳥文庫を読んでいた。



ふと、気づくと、

青葉大輝も

朝読書の時間、青い鳥文庫を読み始めた。


なんだろう。この違和感。



いつもより近い距離感と、会話のテンポと。



始めて、じぶんの興味があることを

真似してくれる存在が出来たことで


死にたがり病だったわたしのこころは

少し、安定感を持つことが出来るように変わっていた。



死にたがり病を隠している。


それは、言わなくても

【健全な人に好かれれば、治るのかもしれない。】




そんな、淡い期待が、ともっていった。




不思議と、その時は、相手のことが分からなかったから、

ただ、真似してくれる相手に

依存することはなかった。



それが、また、安心に繋がっていた。




(なんで、なにも言ってないのに…)


「こんなじぶんの事好きになってくれたんだろう。」



死にたがり病で、

自己肯定感が低かったわたしにとって、


なにも言ってないのに、なにも話してないのに

好いてくれる状況が、よく分からなかった。


けど、いい感じに思えていた。



成績も好調だった。



いきたくもない学校。

でも、家にいる事を考えれば逃げ場…。



学校に興味関心を

青葉大輝が、持たせてくれた事で


テスト前には、週末出勤するほど、

学校に、よく通っていた。



でも、週末にも通ったのは、この13歳の時、1回きりだった。









だれも気づいていないけれど、

互いにしかわからない距離感が

居心地の良さを作り始めていた。




それでも、鈍感すぎて、

何もわかってない郁子は、急に、誘われた。



冬に行われた、クラス会に。




郁子の中学1年の時のクラスは仲が良かったので、

秋のスポーツ大会が終わると、

「クラス会」が開催された。



「クラス会は、先生抜きで、ボウリングをやろう!」



幹事の提案から、クラス会は「ボウリング」に決定した。


女子と男子で、班はわけるようだったけど

おなじ日におなじ場所で合流する予定らしい。





親は、気にした。


年頃の女の子が遊びに行くと聴いたら、

異性関係の話があるのではないか、と。




そして、同時に、わたしも心配した。



若干良い距離感の青葉大輝は

私服で、遊びに来るのかなって。



わたしも、クラス会に出るような

パリピなタイプではなく、

青葉大輝も、その一人だった。



けど、当日。ドキドキした。で、すれ違った。



そして、その日をさかいに、

なんとなくの疑いだった

青葉大輝の好意は、

確証を持つように変わったのだった。




「クラス会」の

つぎに、確証を持った出来事が

もうひとつ。



それは、「クリスマス会」。


クリスマスだから、

それぞれ、なにか持ち寄って

クリスマスプレゼント交換しよう。



仲の良いクラスで、プレゼント交換。



郁子は正直、いやだった。



プレゼント交換の品は、

育ちの良さや家柄がすぐバレるからだ。



「断れるものなら、断りたい…。」



考えに考えた末、

郁子は、手持ちがなにもなかったので

ミサンガを編んで持っていくことにした。




現代じゃ、ありえないと

言われるかもしれないけれど


家が裕福でないと、

なにも持っていない事で


プレゼント交換用のプレゼントさえ

買うことが出来なかった。




そして、ミサンガなら、

まだ、小学校から上がりたてで

クラブで手芸をやっていたレベルの作品くらいは

許される




ミサンガくらいししか、

金銭的にも用意出来るものが無かったからだ。




結局、その珍な品物、ミサンガは

青葉大輝の友達の品になったのだけど、


わたしの耳元には、

青葉大輝が欲しがってる事が届いていた。




(なんで、こんな家庭環境が

あんまり良くなさそうに見える品を

欲しがってくれるのだろう。)




この疑問に答えてくれる人はいなかったけれど。



家庭環境の優劣がわかりやすくなってしまう

そのミサンガの件を

郁子は、あまり喜べなかった。



恥ずかしいと思っていたことが

さらに、恥ずかしくなる。

恥ずかしさの倍増だった…。




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