序章 中学生の恋愛
序章。
郁子の中学時代の恋愛の骨格といえばーーー。
じゃかじゃん ! ! ニコラ…セブンティーン…女性限定アイドル…
その当時、流行っていたものは、ある程度知っていたから、
ふつうに話が出来る子なら。
いまどきのふつうに可愛い子で、彼氏がいてもおかしくなかった。
「言えないなぁ。」
学校じゃ、絶対に言えない。死んでも言えない。
そんなの見てるなんて、言えないくらいには、猫かぶり上等。多重人格上等。
「言えないなぁ。」と思っている
当時のじぶんが選択していたのは、図書館の窓際社員。
2年間、窓際社員をやって、
散々、わがままでお嬢様っぷりを発揮して、
最終的に、図書委員長にまで出世した。
「なにが好きなの?」
学生時代、
じぶんのことが分からなくて、
じぶんの好きなものを答えられなかった。
じぶんの事が分からなさ過ぎて、
なにが、じぶんか分からなかったから選んでいたもの、
それが、本。
「デルトラ・クエスト」や「ハリー・ポッター」が
バイブル本だった。
だから、当時、いちばん恐れていた質問は
じぶんのことを聴かれることだった。
じぶんのことをダイレクトに聴かれると
経験したことがないから、分からないことが
たくさんありすぎて、閉口する癖がついた。
と、思っていた。
ふつうだったら、経験したことがある事が、ない。
それは、小学生時代の重症のアトビーが原因でもあった。
図書委員時代。つまり、郁子の中学時代。
無理やりにでも、人格を作ってないと、
家で生きていけなかった。
家で生きてけないという事は
学校が逃げ場ということ。
おとなになって知る事になる、それを毒親家庭(病気)というと。
この毒親家庭(病気)の影響で、
恋愛✖️毒親。進路✖️毒親。兄弟✖️毒親。人生✖️毒親。…
なんでも、毒親の影響で作られた郁子の人生の基盤。
「お金がないと、子どもを産んではいけない。」
「好きな人に好きって言ってはいけない。…
好きって、言えない。」
固定的な思想が、後に、すべてを狂わせる事になる。
「好きな人には、好きって言っておかないと後悔する」
地元の喫茶店のおじちゃんの
当たり前のことばが、
どうも刺さらないくらいには、
いまの若い子には
「好きな人に、好きっていう」が
難しいのかもしれない。
そんな、中学・高校時代の基盤は、
強情で、時に、物凄く脆かった。
郁子の中学時代の性格といえばーーー。
努力家・まじめ・頑張り屋。
まじめ過ぎて、人生楽しくなくて、
小学校の頃から、ずっと、常に、死にたがりだった。
この死にたがり病が、
後に、郁子の学生時代の恋愛をより
複雑なものにしたことは、まちがいなかった。
死にたがり病を発動すると、
「あっちが好きなのに、こっちとうまくいかせなければ…」
みたいな、生存本能から逃げ癖を身につけるようになっていた。
辛いことがあると、ひとに逃げる。
逃げ癖をわかってはいるけれど
止められなかった。
結末から見ると、好きな人はひとりなのに
「好きじゃない人が、好きなように映る」
これが、当時、何人に相談しても
「郁子って、素直じゃないよね。」の
一言で返され、余計、混乱したものだった。
「好きじゃない人が、好きなように映る」
じぶんにとって、重要なことが分からない。
ぼやけてしまう。
じぶんにとって、当たり前の思想が
当たり前でないことに気づいたのは随分とあとだった。
一方で、いちばん大事な恋愛の記憶だけは
毒親から、守り抜いて
安全な場所にコツコツと保管し続けていった…。
小学生の頃に、
親に愛されなくなった辺りから、
死にたくないのに、死にたいと思わないと、やっていけない。
こんな感情ばかり、ひとりで抱えており、
「小学生の頃に、
新しい兄弟が出来ると、上の子は愛されなくなるよ。」
おとなになってから、エセコンサルタントに言われた一言で、
長年、なんで愛されないのか、
疑問に想っていたことが解決した。
エセコンサルタントにつぎ込んだお金の中で
毒親問題を解決した一言は、
「兄弟に愛情を奪われた子。」
この一言で、色んな事がスッキリしていった。
学生時代の郁子は、
なにも、言わなければ、関わらなければ、ふつうの子。
でも、郁子と依存関係になった事がある
中学時代の同級生、相澤莉奈は、
郁子の本来の性格でない化け物の正体をよく知っていた。
親との関係がうまくいっていない事で
他人に依存するタイプだと。
相澤莉奈と郁子は、中学生時代、なんでもよく話す仲だった。
家のこと
流行りのこと
同級生のこと
恋バナのこと…
もっぱら、話の中心だったのは恋愛の話だった。
狭い、狭い、あの押し潰されそうな空間の中で
こころが満たされる
女の子を感じれるような魔法のような、
雑誌にあるような、漫画にあるような、なにか。を
ふたりとも、青春に、信じていた。
たしかに、なんでも話はしたけれど…




