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モノローグ3

「ようこそいらっしゃいました、北小路様。再びお迎えできて光栄でございます。何かございましたら本日は私たちに何なりとお申しつけくださいませ」

 北小路様たちは到着予定の15分前の17時45分にお屋敷にやってきた。

「やぁ久しぶりだね。エマさん。それから皆さんもお元気そうでよかった」

 格式の高いお家柄の方と聞いていたが、それを感じさせないくらいに北小路の旦那様は丁寧に挨拶を返してくださった。

「お荷物をお運び致します。本日はご宿泊と伺っておりますので、客室を3部屋ご用意しております。後ほどご案内させていただきますので、まずは応接室へお越しください」

 メイド長がテキパキと荷物を預かり、私に渡す。

「あぁその子がアリサさんかい?」

「はい、そうでございます」

メイド長から挨拶を促され、一歩前へ出た。

「アリサ・ラングトンと申します」

「初めましてアリサさん。今日はよろしくね」

 柔和な笑顔が印象的な人だった。

「星奈、挨拶を」

「・・・初めまして」

 奥様の後ろに隠れていた長い黒髪女の子が顔を覗かせて拙い英語で挨拶をしてくれた。

「初めまして、星奈様」

 私は挨拶を返し、星奈様の持っていたキャリーケースを受け取った。

「アリサ。荷物は客室へ運んでおいてください。それでは旦那様がお待ちですので、ご案内させていただきます」



 私は言われた通りに事前に決められていた3つの客室にそれぞれの荷物を運び入れると同時に、ベッドメイキングなどに不備が無いかの最終チェックをしてから部屋を出た。

 今日はメイド長が北小路様の対応に付きっ切りになるので、夕食の担当を私とエリーゼが任されていた。

「ささ、今日は一段と腕を振るわなくっちゃ」

 むん!と気合いを入れなおして私はキッチンへ入った。

 本日のメニューは予め決まっており、鴨肉のソテー、ポテトの冷製スープ、サラダとデザートだ。

 北小路の旦那様はどうやら鴨肉のソテーが好物のようで、以前から使っている同じレシピで作るらしく、今回私はサラダとデザートを作ることになった。

 この屋敷に来てもう8年になるので料理もだいぶ板についてきた。

 さすがに高級レストランのシェフとまではいかないが、それなりの料理が作れるようになったと自負している。

 今日のデザートはプディングだ。私が一番自信があるデザートと言っても過言ではないので張り切って作っているとメイド長がキッチンへ入ってきた。

「アリサ、ちょっといい?」

「すみません!今手が離せないのでこのまま伺ってよろしいでしょうか」

「あぁ大丈夫だからそのまま聞いて。どうやら星奈様なんだけどね、どうしてもデザートはチョコレートが食べたいらしいの」

「チョコレートですか?」

チョコレートの在庫か。一昨日のデザートで作った時の残りがあっただろうか。

 エリーゼが冷蔵庫を開けるが首を振る。

「チョコレートは切らしてますね」

「そうよね、じゃあ私が代わりにやるからアリサ、買ってきてくれないかしら」

「はいかしこまりました。それでチョコレートを買ってくるのはいいのですが、何用がよろしいのでしょうか」

 デザート用なのか、はたまた市販のお菓子なのか

「うーん、この後お食事だから、その後のデザートでお出しできるようにするとして、ブラウニーかムースか・・・。何がいいかしら」

「ムースは冷やすのに1時間はかかります。ブラウニーは焼くのに30分、冷やすのに30分どちらも同じくらい時間はかかると思いますが。今から買いに行くのであれば買い物にかかる時間も足すとなると・・・。」

 エリーゼが時計を確認しながら時間配分を考えていた。

 今は19時で、お食事が1時間だとしたらデザートまでの時間がやや空いてしまう。

「もっと時短できるクッキーなどはどうですか?」

「そうねぇ、でもわざわざチョコレートが食べたいとおっしゃられていたと考えると、チョコレートの風味が強いものがいいと思うのよねぇ」

「とりあえず市販のお菓子も、製菓用のチョコレートもどっちも買ってきます。その間に決めましょう」

「えぇ、そうね、じゃあアリサお願いね」

「はい、なるべく早く戻ってきますね」

 私はメイド長からお金を受け取るとメイド服のまま屋敷を出た。

 この時間ならまだスーパーマーケットが空いている。あそこなら市販のチョコレート菓子も種類は豊富だし、大丈夫だろう





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