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六話

魔法が打ち消されその場には楓華の姿は見えない。それどころではなく、目の前には先程まで対峙していたオークロードの姿はなく代わりに強大で凶悪なオーラを垂れ流す古龍がいた。

否、そこには邪龍がいた。

そして数秒後口を開き

「グハハハ!!!私の罠に引っかかったな下等生物共!彼奴さえ何処かに飛ばせばもはや貴様らに勝ちはない!畏怖しろ!絶望しろ!さぁ貴様らの国に帰るが良い!来る時までおねんねして待っていろ!」

喋り終わった直後古龍の前に竜巻が現れ数秒後龍の姿はそこになかった。


「おしまいだ…」

「クソ、楓華はどこに?」

「ローズ、あいつは空間系スキルを使えたはずだが?」

「なぜ戻ってこないんだよ!」

全員がその場に立ち尽くし、何が起きたかも理解することが出来ず仲間を失ったことに理解が追いつかなかった。


━━━━━空を見上げなさい


「「「「「?」」」」」

その場の5人全員が空を仰ぐとそこには亀裂が走っていた。《《空に》》である。

そしてその亀裂から光が溢れ出し、全次元神統括神 ルーナが現れた。


━━━━あなた達と会うのは久しぶりですね。元気にしていましたか?救世主達。

全てを統括する私でも今の出来事は予測できませんでした。が、あの邪龍はおそらくドンバスカに生息する奴でしょう。

そして西園寺・ローズベルク・楓華を飛ばした先は未だ発見がされていない大陸、

《《wood Island》》でしょう。

その大陸には名前の通り木が大量に生えている大陸でそのサイズはあなた達がいた地球の3分の1の面積をほこります。そしてそこには恐ろしく強い魔獣が跋扈しています。

あなた達が彼女を助ける方法は…無いでしょうね。


その場に再び沈黙と絶望、後悔が生まれた。


「ですが」


突如声が実物のものとなり、5人の前に両手を上にかざしたルーナが姿を現した。

その手の間には異空間があった。


「私個人の気持ちで、あなた達に手助けがしたいのです。」


と言いながらルーナはその異空間からひとつの神聖な光を放つ純白の衣、無機質だが紺色のオーラを纏った巨盾、全てを裂かんとする鋭利な短剣と真ん中にルーナのシンボル〈異空間〉の紋章が入った小盾、あらゆる拷問器具が入った黒縁の箱、豪華な金の装飾と中心に〈異空間〉の紋章が入った大きな旗を取り出した。


それらは全て神が作り上げた〈神器〉と呼ばれるものである。それは所持すればステータスがとてつもなく強化されるものであったり、ひとたび震えば全てを薙ぐものだったりと効果も様々である。


「これは?」

5人を代表して燈威が発言した。

「それは見ての通りあなた達への贈り物です。それさえあれば彼女がいない間も問題なく戦うことが出来るでしょう。私は他にやることがあります。では。」


ルーナは光の粉となりて空へと舞い上がった。


6人は動揺していたがしかし覚悟を決めていた。


「「「「「やるぞ…やるぞ!楓華がいない間またあのような襲撃が起きてももう被害は出させない!」」」」」


意気投合していた。


そして5人は報告を急ぎ帝国内へと帰って行った。


██████████████████


時は夜、場所は昼間6人のいた場所。


そこには軽装だが闇のオーラをこれでもかと垂れ流す真黒の装備を纏った男が1人。

彼の固有幻器【万物を屠りし斧】を振り回す度巻き起こる風が彼の纏うマントを靡かせる。

彼の名は「Tetuma」

同じく今回の召喚でこの世界へとやってきた地球人。


しかし救世主と呼ぶには相応しくないほどの姿。ちなみに彼が受け取ったスキルは狂戦士。明かされていなかったが実は楓華と同じく転生者。


彼はもう1人の転生者と行動を共にし、高みの見物を楽しむ強者である。


時はルーナの元に召喚されスキルを授かっている頃に戻る。


その中で1人の生徒がなにやら企んでいるようだ。

彼の名は「Tetuma」彼は楓華たちのクラスメイトであり、入学当初からいる人物だ。

これまで公開されなかったが、彼も楓華と同じように転移ではなく転生した人間。いや、現獣人だ。頭には銀色の立派な狼の耳が着いており、尻にはフサフサの荘厳なしっぽが着いている。

他にももうひとりいるが後ほど説明しよう。

それはさておき話を戻そう。

改めるが、彼の名は「Tetuma」名前が気になるだろうが彼はドイツ人の父と日本人の母の元に生まれで、好戦的な性格をしている。

そして彼は、誰に対してもそこそこスキンシップがあり、関西弁で話す。そして何より特徴的なのはその仕草。

彼は普段会話する時反り腰で腕を組み顎を少し上に向け右掌を天に向け人差し指を相手に向けるという仕草だ。

この仕草から分かるかもしれないが彼は人を上から見て愉しむ性格がある。

まぁ要するに〈高みの見物〉ってやつだ。

そんな彼には現世から行動を共にしていた相棒がいる。


その相棒は今ちょうどスキルを受け取ったところでこちらにやってきた。


彼女の名は「Re2」

先程から説明の中にも出ている「Tetuma」の相棒である。彼女も楓華と同じく転生した組なのだが非常に頭が良く、ルーナの元に飛ばされるた直後に異世界に行くのでは?と考え、自分が吸血鬼に生まれ変わっていることに音を超える速さで理解しその特徴的な翼や尻尾、角を、牙を隠した。

それ故に誰にも気づかれていないが彼女はれっきとした転生者。吸血鬼だ。しかし純粋な吸血鬼ではなく、ほんの少しだがサキュバスの血も入っている特殊な個体。

そんな彼女に着いても色々説明していこう。

「Re2」はあまり知らない人間に対しては敬語で話すが、Tetumaと話す時は基本的に関西弁。それもまぁまぁどぎつい下ネタトークをして笑っている。

そんな彼女は今前世に残してきた親友が気がかりなようだがそれを隠すようにステータスをTetumaに見せあっている。


そして彼らは今後ラルジュにおいて行動を共にし、すぐ2人の配下(ペット)を従えるのだがそれはまた先のお話。


ナレーションとしてこの話を別次元から見ている私もまた進展があればお話しよう。

ではまたいつか。


「ん?」

「どうした?Re2」

「なんかどこかから気配を感じた。それも強大な奴を」

「…気の所為では?」

「まぁいいや。」









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