表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/13

五話

翌日、食事の後別れるまではスカートにチューブトップのすごくやばいギャルみたいな格好をしていた楓華が青いゴスロリ服にフリルのついたレースの手袋、そして青い靴を履き、白うさぎの形をしたかけかばんを肩からかけて現れたため、当然みんな驚いていた。そして訓練の結果、私と中鳥、遊田、燈威、美帆、アイリスは今後同じパーティーの中で動くことになった。


構成はこうだ


前衛:楓華、中鳥、遊田

中衛:満帆、アイリス

後衛:燈威(指揮官)


基本的に中鳥が壁により攻撃を防ぎ、私と遊田が上から仕掛ける。

そして満帆は聖属性のスキルが使えるのでタンカーとヒーラーを担う

アイリスは防ぎきれなかった、もしくは取り逃した敵を倒す。

そしてそれらの動きを細かく指揮するのが燈威。


我ながらなかなかの兵法だと思うのだ。


速く外に出て戦ってみたいな。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

帝国アイラン・サイラル近郊、原初の草原


早速許可を貰い、組み立てホヤホヤのパーティで戦っていた。


しかし大天災が近い事が関係しているのかこの世界を知らない私でもわかるぐらい魔物の数が多い。


見える範囲だけでも2万はいる。


敵はゴブリン、ホブゴブリン、ゴブリンロード、オーガ、オーガロード。


面白い。この勝負、買って出よう。

すると同じことを考えていたのか、逃げるという選択を持たぬ指示が飛んだ。

「敵がどんな強さ変わらかないけど、僕達でどこまで倒せるか試そう!」

「中鳥!鎢の巨壁を展開しろ!」

「楓華!広範囲攻撃魔法を用意しろ!」

「遊田!神速で敵将をうて!おそらくうなじが弱点だ!」

「アイリス!2人が取り逃した敵の殲滅を!」

「満帆!聖属性魔法で支援を!」

「僕はここから指示を出す!さぁ、行くぞ!」


その言葉の直後戦場に轟音が響き渡り、中鳥が巨壁を作り出した。


更に楓華が広範囲魔法、「破壊をもたらす大岩《Meteor》」を発動した。


空が赤黒く染まった雲に覆われた刹那、その雲を引き裂いて巨大な隕石が現れた。

それはとてつもない熱を放ちながら大地へと向かい、直後耳をつんざく爆音と全てを吹き飛ばす爆風で鎢の巨壁に隠れていなかったほとんどものが消し炭になった。


しかし爆音と爆風が収まり立ち上る煙の中にはまだ一体のゴブリンロードが居た。


「くそ、人間共め、我が配下を殺し次はこの俺をも殺すか!舐めやがって!俺の渾身の秘技に消されて死ね!」


「火山神の怒り!」


突如ゴブリンロードの背後から幾千の噴石が溶岩を撒き散らしながら飛んできた。

あれはまずい!中鳥の鎢の巨壁でも満帆のバリアでも防げないぞ!


「創作魔法!Ice Dragon Blast!発動!」


私が手を前にかざしながらそう唱えると手のひらから数十cm先のところに白い冷気を纏った直径5mの球体が現れた。


「ウオオオオアアアアアアアアアッッッッ!!!!!」


そう叫んだと同時に大きく展開された極寒の吹雪が全ての飲み込んだ…が、突如楓華とオークロードの姿が消え、魔法が打ち消され衝撃波も消え去ったあと、立ち上る土煙の中に黒と紫が混じったような禍々しい姿をした龍がいた。


「フッフッフ、引っかかったな馬鹿ども!

お前らのお仲間さんは俺が転移魔法で遠くかなたへ飛ばした!戻ってくることは不可能に近いだろうな!ガッハッハッ!さらばだ!」


身勝手な行動で戦いに挑んだ結果、仲間が消えた。

この意味を彼らは深く噛み締めるのだった。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


ザワザワザワ

風の音が耳に入る。


ここは、森の中?


どこだここ。


混乱した頭で状況を整理しようと思考を働かせるが全く意味がわからない。


 私は、ついさっき帝国アイラン・サイラル近郊の原初の草原でオークロードの攻撃を凌ぐためにIce Dragon Burstを放って…。

 なぜこんなところにいるんだ?


 周囲を見渡す。


 四方八方に木々が見える。

 しかも空間魔法で元いた場所に戻ろうと考えても何故か使えない。

 試しに「創作魔法、テレポート、作製、実行」と唱えても何も起こらない。

 意味がわからない、なぜだ?何故こんなことになった?自分勝手に早く戦いたいと申出て、更には1万を超えるほどの敵に相対して腕試しに挑んだからか?


 クソ、早く戻らなきゃみんなが心配するんだぞ。


 なんでだよ!………。


 はぁ こんなこと考えても分かるわけないよね。


 泣いたって誰も助けてくれやしない。


 気持ちを入れ替えよう。


 少なくとも創作魔法は封じられていないからな。

「クリエイト、Fly、発動」

 フワリ

 楓華は空へ飛び上がり周囲を見渡した。

 しかし四方八方どこを見渡しても木、木、木。


 どうしろとぉ

 ━━

 ザッザッザッ

 歩き続けて何日がたっただろうか?

 どれだけ歩いても森の中。

 道中何度か魔獣にあったがどれも手こずるほどの強さだった。

 ふとステータスを確認してみた


 名前:西園寺・ローズベルク・楓華

 性別:女

 Lv:20/1000

 加護:成長速度上昇Lv.XV 美肌 誘惑 王者の覇気

 スキル: 創作魔法 空間魔法(使用不可の呪い1年) 他種族言語理解 全知全能 使役魔法

 魔道具 :無限使用可能スマートフォン(不壊)


 なにこれ、空間魔法(使用不可の呪い1年)

 ってことはさ、1年間どこにも行けないってこと?

 突きつけられる絶望、理解から逃げようとする脳、それでもおってくる現実。

 この頃何も食べていなかったしちょくちょく襲ってくる魔獣にも手こずって体力を削られしかもその体を休められる手頃な場所がなく体を回復させながらひたすら歩いていた。

 いくら体力があったってそんな現実受け止められるわけが無い。


 楓華の頬を大粒の涙が伝う。

 誰も助けてくれない状況

 ルーナ様、本当に助けてと思ったらなにか助けをよこしてくれるって言ってたじゃんか!

 この嘘つき!


 ザッザッザ

 ?

 その時森の奥から足音と声が聞こえてきた。オーラからして人間であろう。

「おーい誰か泣いてるのかい?」

「いたら返事してね、僕達は敵じゃないよね、仁兄ちゃん」

「は、はい!ここにいます」

 手を振る 必死に振る

 助けを求めた。

 数秒後その2人の姿が見えた。

 しかし楓華はとても驚いた。

「え、仁さんとにゃい?」

 ?????????頭の中が疑問だらけだ。

 何故ここに2人が?何故この森に?てかそもそも何故この世界に?この世界に来た理由は?てかなんでアバターと同じ姿なの?

 へ?

「え、あ!楓華さん!」

「ん?どゆこと?( ˙꒳ ˙ )」

 そりゃこんな状況だ。飲み込めるはずがない。

 え、いやど言うことまじで。


 こんな奇跡ある?やっぱりルーナ様は最高神だね。

 こんな出会いがあるとは。


「えーと、状況がまだ飲み込めないんだけど、楓華さん泣いてるようだね、あ、これハンカチ使って」

 ギュ

 にゃいは抱擁して心を休めてくれた。

 暖かい…更に涙が出た


 数分後 伝う涙も止まった

「ごめん、かなり頭が混乱して泣いちゃった」

「気にしないでよローズさん」

「そうだよ楓華さん」

「ありがとう。と、それよりも2人はなぜここにいるの?しかもアバターの姿で」

「それが僕達も分からないんだよね。

 ただここに来る前に全次元神統括神 ルーナとか言う神様が僕たちにスキルをくれてね、」

 と、2人がステータスを見せてきた。


 名前:仁

 性別:男

 種族:人間

 Lv:60/1000

 加護:武神の加護

 魔法無効(攻撃、防御、バフデバフ全て)

見た目 茶髪に少し髭を生やした兄貴。身長は高く、声はダンディでイケてる。


 名前:にゃい

 性別:男

 種族:半妖人

 Lv:60/1000

 加護:稲荷神の加護

 スキル:妖術師 (あらゆる妖術が使える)

見た目 紫髪で頭の右上には狐の面がついている。身長は低く声はショタボ。圧倒的癒し。


 どうやら攻めと回復の構成らしい。

 と、おや?種族名が書かれているぞ?

 ふと私のステータスも見直してみた


 名前:西園寺・ローズベルク・楓華

 性別:女

 種族:人間と天使のハーフ

 Lv:20/1000

 加護:成長速度上昇Lv.XV 美肌 誘惑 王者の覇気

 スキル: 創作魔法 空間魔法(使用不可の呪い1年) 他種族言語理解 全知全能 使役魔法 神建築

 魔道具 :無限使用可能スマートフォン(不壊)


 ん?人間と天使のハーフ?

 それに神建築ってなんだ?

 ???

 再び頭に疑問が押し寄せる。

「ふぁ?」

 暫し思考停止…


 その頃ルーナは

「ふふふ。」

「またですか…」

「ふふふ、やっぱり楓華ちゃんは天使よね、だからこっそり種族名を天使にしても誰も驚かないわよね、えへえへえへ」

「そういうイタズラは程々にしてください!ルーナ様がなにかやらかす度にこっちも大変なんですから!」

「ひぇっ」

「わかりましたか?!わかったなら返事!はい!」

「ご、ごめんなさい許して!わかりましたから!」

「ならよし。」

「で、でも楓華ちゃんは天使よね!」

 ギロリ

「なんでもないです…あ!代わりにさ、楓華ちゃん混乱してるみたいだから思考型の加護あげてもいいかな!」

「はぁ…いいでしょう。ただし!まともなものにすること!」

「おっけーあ、これも(ボソボソ)」

「?」

 今日も天界は平和だ。


場所は楓華たちのいる森の中に戻る

突如楓華が状況整理を済ませ平静を取り戻した事で3人は今後をどうするかを考えるため、とりあえず2人が拠点としている洞窟へと向かった。


「わぁ」

─それは洞窟と言うには厳しいようないえなようなものがあった。否、家である。

白い岩壁にいくつかの窓をつけ、右下には金属の縁が着けられた堅牢そうな木材でできた扉がある。

その家には御札が書いておりあらゆる敵対生物の侵入を防ぐ結界がにゃいの妖術によって張られている。

そしてその結界の前には大きな鳥居と2匹の狐の像が置かれている。


「これが拠点?えー…」

「驚いた?やっぱりか…」

「まぁ僕達この世界に来て感覚にして3年経つし、当然と言えば当然の完成度だよ。」

へへん。とにゃいが背伸びして胸を叩く。


「まぁ驚くのは、外だけじゃないぜ。さ、なかにはいって」


兄貴が重い扉を開ける。


うわぁ。これはすごい。広い、広いわ。

これが拠点?冗談でしょ…

こんなの、「こんなの城じゃん!?」


拠点(?)の中に入るとそこには整理された石畳の床の広間に金縁の赤いカーペットが敷かれ、その先には大きな玉座、長テーブルを挟んで少し小さな玉座が向かい合って置かれていた。


そしてそこにつくまでの両サイドの壁にはドアが2つずつ着いていた。


「空いた口が閉じないようだね。

説明しよう!まず正面にあるのが玉座。そして右にある1つ目の扉を開けると寝室がある。中にはダブルキングベッドがひとつあるよ。そして右の2つ目の扉を開けると前世の一般的な家庭のリビングをイメージして作った部屋がある。そして反対側1つ目にはトイレやお風呂、2つ目には訓練所がある。」


「凄い!」

これはもうここに住んでるとしか言い様がないよ。

これで拠点?2人が本気で家作ったらどうなるの?


「とりあえず夜も老けてきたことだしご飯食べよ」

「さ、こっち来て」

右の二番目の扉を開ける。

そこには明るい色の木の床の上に洋風のテーブル

木でできた椅子

そして白い壁紙に天井にはまさかのLEDの照明付き。

これヤバー

さっきからセリフこれしか出ないんだけど。


「さ、好きなところに座って」

「クッキング オムライス、ハンバーグ、 調理開始 成功」

「ジャーンさ、食べて」

「ゴクリ。いただきます!」

口の中に入れた瞬間広がるケチャップと白米、そして上にかかった卵のハーモニー。

ふうかの目から再び涙が流れた。

「うぅぅおいじいぃ」

もぐもぐ パクパク

2人も食べながら暖かく楓華を見守っていた。

そして食べきった楓華は疲れからか座ったままで寝てしまった。

「寝ちゃった。それにしてもすごい食べっぷり。嬉しいね」

「そうだねにゃい、とりあえずベッドへ運ぼうか。」

兄貴によってお姫様抱っこされた楓華はダブルキングサイズベッドの真ん中に寝かされ、上から毛布をかけられた。

スヤスヤと眠っているその寝顔はまさに天使。

天使と人間のハーフというのはその通りの事実のようだ。

「ふにゃぁもうたべれにゃいー。」

どんな夢を見ているんだろうか、すごくヨダレが垂れている。

「「可愛い」」

「一生見てられる」

「僕も」

「とりあえず寝るか」

「そうしよっか。」


そして2人は部屋の電気を消し、眠りについた。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ