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中学生の日常

作者: ポテチ大好き

皆さんこんにちは。私はポテチ大好きです。中学生の日常は私の初めて書いた小説です中学時代の自分や友達をモチーフにしています。是非楽しんで読んでくれるとうれしいです。

プロローグ

 南西中学校。一学年二百人以上、全校生徒は六百人を越える公立中学にしては大人数だが、ごく普通の中学校だ。日本では、中学までは義務教育だからこの中学校に通う生徒の中には小学校の頃から一緒に過ごしてきた友人がかなり多い。当然、別の小学校から進級してくる生徒も多くいる。俺は小学生の頃は親や習い事での人間関係が上手くいかず、毎日を楽しむことができなかった。だからこそ中学生活は思いっきり楽しもうと心に決めていた。

 今日は四月七日入学式。制服姿の新中学一年生の俺、谷颯真は雲ひとつない青空の下、満開の桜の木の横を通る。学校に到着すると、大勢の同じ制服の生徒が体育館に誘導され、体育館は同じ格好の生徒で満たされた。新入生も在校生も整列し、生徒会役員らしき生徒の司会進行により、入学式も始まった。

 その時ふと気づいた。

(俺の隣のやつ、私服なんですけど。)

校長のありがたい話も生徒会長の手短な話も全く内容が入ってこない。

(こいつぁー入学早々面白くなってきたぜ。)

とは思うものの、まずはもう少しまともそうな人間と仲良くなりたい。

「俺は中田光介。よろしく。」

(話しかけんな、お前目立つし、つーか声量もっと下げろや。)

こいつはそこそこ背が高く、外種目のスポーツをやってそうな日焼けをしていた。とりあえず挨拶くらいはしておくか。「はじめまして、俺は谷颯真。よろしく。」

(いきなりだけどお前何で私服?なんて聞くつもりはない。多分こいつ問題児候補筆頭だわ。中学生活を楽しむのと問題起こすのは違うってことくらい流石にわかる。つーかなんで教師も気づかないんだ?)

とか考えていると、生徒会役員の司会が耳に入った。入学式も手短に済ますようでだいぶ進行されていたようだ。

「それでは、新入生代表挨拶、新入生代表、中田光介さんお願いします。」

「はい!」

(ブフッ何を基準に選んでんだよ!何で私服のくせにククッ、そんな堂々と返事できんだよ!)

教員達も今さら私服野郎に気づいたようだ。そのままステージに上がり、マイクを手に取り話し始めた。何で私服なんだ?というざわめきの中で。

「本日は僕たち新入生のために…え、何で私服かって?間違えて女子の制服買っちゃったからですよ。いやー、朝制服来て鏡見たらスカートとブラウス着てる自分がいて笑い転げたわ。あはは。」

あははじゃねーよ。なんてツッコミを心の中でしているとなぜか私服野郎と目が合った。とりあえず教員達が動き出したことを仕草で伝えてみた。が、手遅れだった。まともな代表挨拶をすることなく教員に連行されていった。その際、アイツなりの道ずれという名の悪あがきなのか、本当にアホなのか、俺の名前を大声で連呼したもんだから羞恥心と殺意で心がいっぱいになった。司会が何とか式を回し、入学式は一人を除いて無事に終わった。


 四月

 自己紹介

 入学式も終了し、新クラスでの生活や部活動や委員会も始まる。この学校は一学年六クラスが普通で人クラスには約34人が在籍している。

(俺は…真ん中の席か。)

何人か既に来ていた。小学生の頃から知っている顔もいる。このクラスで1年間平和に楽しくやっていこう。

 とりあえず知ってる人に話しかけに行こうとした時、

「みんな、おはよう。僕は新入生代表を勤めた中田光介。一年間よろしく。」

そういえば入学式隣だったもんな。果たして一年後に俺の髪の毛は生存しているだろうか。っていうか何だその格好。スカートににブラウスだと!?女子の制服買っちゃったのは本当だったのか。その格好で歩いて登校してきたんですね。中学三年間本当にお疲れさまでした。君に与えられる称号は問題児では生ぬるいくらいすごいものになりそうだ。クラスのやつらはどんな反応だ?男子はー、おい、別に笑うの我慢しなくてもいいんだよ?お前ら肩震えてるよ?女子は引き気味だった。よし、こいつとは関わらない。

 先生も入ってきて、クラスは全員揃った。先生の自己紹介の後、生徒が自己紹介をする。ちなみに光介の席は俺の後ろだった。話しかけてきても全部無視する所存であります。  「……です。一年間よろしくお願いします。」

次は俺の番か。

(ぃよーし張り切っちゃお。全力で中学生活を楽しむなら自己紹介イベントはしっかり消化せねばなるまい。)

運良く俺含め八人の男子、このクラスの男子生徒の約半分が小学生の頃からの友達だった。

 やつらに目配せしてからやるぞって合図で

「ごほんごほんっ自己紹介ごほっごほっやるからげほっげほっお前らごほごほフォロー頼むごほごほっ」

と咳払いを入れる。

「ごほごほっ了解ごっっほごほ」

やつらの良い返事を確認した。今の咳払いで先生からガチめの心配された。何かスンマセン。

「俺の名前は谷颯真です。趣味は海外旅行です。一年間よろしくお願いします。」

当然嘘だよ。一度はこういう目立ち方したかったんだ。

「へぇー、今まで行った中でどの国が印象的でしたか?」

やつらの一人、山田創太が打ち合わせ通りフォローを入れた。

(ナイスだ。そして俺の株を引き上げるチャンスが早々に訪れた。ここでこいつ、ただ者じゃねえ感を出してみようと思う。)

「イタリアです。」

頼むからイタリアの話掘り下げんなよ?行ったことねーからわかんねーよ。

「イタリアで使える万能な言葉とかありますか?」

(は?てめぇ俺が何も知らねぇのわかってて質問してんだろ。後で覚えてろよマジで。やべぇどうしよ。あっ!)

読書好きな兄からイタリア語はこれだけは覚えておけと教わったのを思い出した。なぜか楽しそうに教えてくれていた兄の顔は鮮明に覚えている。このイタリア語の意味はわからないが、今使えるのはこれしかない。

「イ・ソノ・カッツォ。これだけは覚えておいてください。俺はイタリアに行って家族とはぐれて迷子になった時、この言葉で危機を脱しました。マジで万能ですよ。以上です。ありがとうございました。」

自信満々に言ってみたから嘘だなんて疑うやつはいないだろう。創太がやらかしたときはどうなるかと思ったけどどうにかなってよかった。なぜか先生は吹き出していたが、俺のイタリア語の発音がおかしかったのかな?

 俺の次は女子用の制服を身につけ、すでに全校にその異彩っぷりを示した男だった。その男は黒板の前でなぜかくるりと一周回ってから自己紹介を始めた。「僕の名前は中田光介です。先程自己紹介していた谷颯真くんとは親友です。みんなとも仲良くなりたいてす。一年間よろしくお願いします。」

(しまった。アイツにはその手もあったのか。女子と仲良くできなくなるじゃねーか。っていうか意外と普通な自己紹介だな。ツッコミどころは友達ですらないってところだけだ。ん?こいつまじか!)よく見たら制服のスカートにぼんやりと人の顔が印刷されてやがる!しかも光介の変顔だ。クッソー息できねー。面白すぎんだろこいつ。つまりさっき一周回ったのはスカートに注目してほしかったからで、公言しないのは先生にバレたら制服を無理矢理買い直すことになる恐れがあるからだな。俺も光介にはぜひ三年間その制服で過ごしてほしい。どうやらやつらも気づいているようで、とにかく先生に怪しまれないように静かに笑ったり下を向いて笑いをこらえるのに精一杯みたいだ。気持ちはわかる。俺もこらえるだけで精一杯だ。何で先生気づかないんだ?このパターンこれからもあるのかな?

「ねぇ、中田君のスカートに顔が印刷されてない?」

本当に突然だった。女子に話しかけるつもりはあったが、話しかけられるとは思ってなかった。。しかもかわいいだと!?

「あ、私は細井冬華よろしくね。」

このチャンス絶対モノにしてみせる。おや?やつらも俺のラブコメが始まったことに気づいたみたいだな。そこに座ったまま指を咥えて見ていろ。すまんなお前ら。俺達八人の中で一番早く彼女ができるのは俺みたいだ。

「ああ、よろじぐ~~」

「!?」

(クッッッソーーー。光介の変顔スカートにこれ程までの破壊力があったとは。おかげでかわいい女子とのファーストコンタクトで事故ったじゃねぇか。)

「どうしたの?大丈夫?」

(かわいいだけではなく優しさも持ち合わせているんですね。俺の姉ならキモッとか言った直後に蹴りをいれてくるところなのに。)

「いや、なんでもない。それより光介のスカートに印刷されてるのはたぶんアイツの変顔だよ。」

「男子の何人かはそれに気づいたから笑ったり下向いたりしてたのかー。私も黙っておくよ。」

(えぇーちょーかわいい。この子は俺達のようなバカどもへの理解もあるんですね。サイコーかよ。)

この中学校一番かわいいのは間違いなく細井冬華だ。冬華ちゃんが中学生活初めての推しになった。廊下では彼氏面して変な虫が付かないようにしよう。。

 そんなこんなで光介の自己紹介が何事もなく終わった。「光介、俺お前と親友になれて良かった。お前のおかげで人生変わったよ。これからもよろしく。」

「こっちこそよろしくな。スカート気づいた?」

「もちろんだとも。そのスカートで三年間頑張ってくれることを期待してるよ。」

「任せろ。」

こうして自己紹介は終わった。やつらの自己紹介はなぜか俺を睨み付けながら行っていた。

(いや、心当たりしかないけど。冬華ちゃんめちゃかわいい。しゃべっちゃったもんね。どうやらやつらの推しも冬華ちゃんみたいだ。)

 そして冬華ちゃんの自己紹介は俺とやつらの推し活が迷惑だったらしく、俺達八人が廊下に立たせてそれから行われた。

(なぜだ?冬華ちゃんという推しを輝かせるため、冬華ちゃんの笑顔を引き出そうとしただけなんだが。)

俺達八人は周囲への迷惑も考慮し、静かにそして全力で変顔をした。期待通り冬華ちゃんは最高の笑顔を見せてくれた。

(めっちゃかわいい。この笑顔をもっと見たいなぁ。)

という考えは俺達皆同じ。クラスメイト全員が冬華ちゃんの魅力に気づき始めただろう。そしたら先生がお前らの変顔のせいで細井さんが笑い過ぎて自己紹介できないでしょって。盲点だった~。全員が自己紹介を終えた後、みんなで土下座したら、冬華ちゃんがねぇ~、

「全然気にしてないよ。むしろ今までで一番楽しい自己紹介だった。」

って言ってくれたの。はぁ~、マジで一生推します。

 後で調べてみたらイ・ソノ・カッツォはとんでもない言葉でした。先生、気づいていたんですね。冬華ちゃんや他の女子達には本当の意味を知られたくなかったから何か対策を練ろうとしたが、やつらが先にクラス全員にイ・ソノ・カッツォがとんでもない言葉だと暴露してしまった。(あの直後の女子の空気感怖すぎたわ~。流石の冬華ちゃんも無言でございました。それはそれで何だか嬉しく感じるものがありましたよ。ええ、はい。)やつらは妄想のなかでシバいておいた。

 新クラス記念撮影

 中学校では普通、年度始めにクラスの集合写真を撮る。場所は南校門の大きな桜の木の下だ。一クラス十五分程で済むことだが、俺達八人と光介は考えることが同じだったらしい。カメラマンが写真を撮るのに合わせて何かするだけだ。この何かは九人それぞれ違うのだろう。写真の並び方はカメラマンから見て右端の前から三番の列に創太とやつらの一人、外川海人だ。海人は謎の特技をたくさん持っていて、今回はそのうちの一つを披露するらしい。そして俺以外の他のやつら、出淵大希、吉川愛斗、石元翔太、鈴木圭、石田孝希は最前列で並ぶように揃った。後で配布されたクラス写真を見て気づいたが、なぜかこの五人全員やることが同じだった。絶対擦り合わせしたろ。そして俺と女装男子は二列目の女子とも距離が近いクラス全体で言えば真ん中に揃って並んだ。そして目の前には一人の人間がいる。そう、先生だ。金村先生は少しぽっちゃりした優しい先生だが、怒ると怖いらしい。生徒指導も担当するくらいだ。しかし目が悪いらしく、一メートル以上遠いものは裸眼では見えないらしい。今は裸眼だ。何でそんなこと知ってるのかって?さっきカメラマンと目が悪い者同士頑張りましょう的な会話が聞こえたからだ。カメラマン目が悪くてもできるものなのか?光介のスカートに気づかなかったのはそれが原因でこれからもバレる心配は無さそうで無さそうで良かった。(そんなことより写真撮影の列先生目の前にいるんですけど。あとカメラマン、失明したとしても冬華ちゃんだけはかわいく撮れよ。)

「本番行きまーす。サーン、ニー、イーチ」

カシャッ。

カメラマンの陽気な合図とシャッター音が響いた。シャッター音の直前にいろんな音が一斉に響いていたのも聞き逃さなかった。カメラマンは写真を確認し、

「オッケーでーす。お疲れさまでしたー。」

と言ったので写真撮影は終了みたいだ。ちなみに先生はかなり不機嫌だ。カメラマンに取り直しを要求したが、カメラマンも別の学校で同じ仕事があるらしく、時間は取れないとのことだった。あの写真をオッケーにしてくれたカメラマンの視力には感謝しかない。そしてこれから先生にぶちギレられるであろう俺達八人と光介には憐れみしかない。

 先生に廊下で説教されながら写真撮影での出来事について振り返っていた。俺以外のやつは何をやらかしたんだろう。先生は目が悪いから一メートル以上離れていた俺と光介以外の七人はここで一緒に説教されているのはおかしい。つまり目が悪い人が遠くからでもわかるようなあからさまなことをしたのか。

(こいつらが何したのかちょっと気になってる。ホントにカメラマン写真オッケーだと思ったのだろうか?まぁ、本気で気にすべきは冬華ちゃんだけだな。)

 新クラス集合写真が配布された。みんな手元に来たクラス写真を見て一瞬の硬直した。その後この教室は笑いで満たされた。

(これはブフッ流石にやばいね。)

創太はこの日のために土下座してまで借りてきた妹の新品未使用パンツを被ってクラスで一番のキメ顔を作っていた。海人が披露した謎の特技は事前に海人自身が準備した金村先生の顔になれる特殊メイクによる金村先生の顔での変顔とわざわざ上裸になってサイドチェストをしていた。金村先生とは違ってムキムキだった。最前列のバカ五人はシャッターが閉じる直前に下に履いてるものをパンツごと脱ぎ、男の象徴真顔でを露にしたようだ。そして俺と光介はというと、やることが被った。アイツら五人と違って擦り合わせはしてないのよ。マジで。シャッターが切られる直前に二人同時に金村先生の頭をそれはもう気持ちの良さそうな顔でひっぱたいた。気持ちのいい音が響いていたなぁ。その直後驚いた先生がすぐに後ろに振り向いたからみんなバレたんだろうなぁ。

(おぉー!!冬華ちゃんちょーーーかわいい!!カメラマンの仕事っぷりがサイコーだわ。お、やつらも気づいたようだな。顔がニヤついてんぞ。)

明日から授業も部活も始まる。もっと友達も増やして中学生活楽しんでいこう。


小説はどうだったでしょうか。文章の勉強をしているわけではないのでひどい出来かもしれませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。今後続編や別の作品を投稿することがあった際は是非読んでくれると嬉しいです。

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