表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

文字の熱

作者: 紅坂 椿

体の中に熱い何かが燃え始めていた

その火種はいつからの物なのかは記憶にないが

弱々しく灯る時もあった

火柱のような時もあった

はたまた

消えかけた時もあった

燃え尽きた時もあった

それを経ても

この熱は消滅することは無かった


ある日、似た熱をもつ人に出会った

私よりも煌びやかに美しい鳳凰のような熱

その美しさに蛾のようにその人に近いたのである

熱は数多の人々を魅了する

既に周りは炎の精や新しい火種で溢れていた

温かいが熱く

熱いが静かであった


蛾は熱の周りを飛ぶ

徘徊したり、触れたり

羽を焦がしていることを無視して

蛾は熱に触れた

燃える中から火種が跳び

蛾に直撃した

ハラハラと落ちていく


蛾は負けたのだ

熱の熱さに

火種の熱さに

しかし笑っていたのだ

その羽が焦げたことでさえ

楽しいひと時だったと言って


熱が生まれた

違う熱が合わさった熱が

何かを生み出すことと

何かを変える火種に

なれると空想して

燃え尽きた蛾の灰を

眉間に皺を寄せながら飲むのだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ