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衝撃の発言

前回からかなり時間が空いてしまい、申し訳ありません…!

投稿に慣れていないのに、二つ同時に進めるのは無謀でした。自分の限界がわかりました。

本当にゆっくりと投稿していきますが、根気強く待って下さると非常に光栄です。

これからもどうかよろしくお願いいたします!

「フローレンス、アルジェント殿がいらっしゃっているのだが…。会えるか?」

「アルジェント様…?」


 私が記憶喪失のふりを始めた翌日。お父様が部屋にいらっしゃって少し心配そうにおっしゃりました。


 (思っていたより早いのですね…)


 私はアルジェント様に嫌われていますから、もっと時間がかかると思っていました。


「アルジェント・グラディウス殿だ。お前の婚約者の」

「…ええ、大丈夫です。あの、お父様。一つお聞きしたいのですが」


 一つだけ、気がかりなことがあったのです。これをはっきりさせなければ、落ち着いて話せない気がします。


「アルジェント様には記憶のこと…」

「ああ、まだ言ってないんだ。フローレンスに確認してからの方が良いと思ったからね」

「…ありがとうございます。自分で言えますから、大丈夫です」


 …良かったです。既に知っていらっしゃるとしたら、少しややこしくなりますから。


「それでは、行って参りますね」


 (いざ、婚約破棄していただきましょう!)


 ◇◇◇


 アルジェント様に公の場以外でお会いするのはいつぶりでしょうか。やっぱり少し憂鬱です。

 でも、きっとこれが最後ですから、しっかりお話しなくては。


 応接室の扉を僅かに開き、中を覗いてみました。そこにいらっしゃるアルジェント様は、今日もとても素晴らしく美しい出で立ちでした。


 (…今までこの方の隣に並んでいたことに驚きますね……)


 何度も思いますが、本当に何故私が婚約者だったのでしょう。せっかくですし、最後に尋ねてみましょうか。


 そんなことを考えていた私は、自分に近付いてくる人影に気付きませんでした。


「…フローレンス?そこで何をしているんだ?」

「え!?あ、アルジェント様…」


 いつの間にか、アルジェント様が扉を開け、私を見下ろしていました。どうして私に気付かれたのでしょうか…。


「す、すみません。その…」


 何を言えば良いのかわかりません。まだ心の準備ができていないのです。

 思わず俯いてしまった私の耳に、アルジェント様の気遣わしげな声が届きます。


「……怪我は、大丈夫なのか」

「え?あ、はい。大丈夫、です」


 まさか心配してくださるなんて、驚きました。…いえ、これは流石に失礼ですよね。


 一瞬だけアルジェント様の顔を見てみると、彼は何処か苦しそうな表情に見えました。本当に一瞬だけだったので、気のせいかもしれませんが。


「あ、あの!少し、よろしいでしょうか…?」

「ああ、何だ?」


 きちんと言わなくてはいけません。勇気を出してアルジェント様の目を見ながら、心なしかいつもよりはっきりとした声で伝えました。


「怪我は大丈夫、なのですが…。その、私、記憶がなくて」

「……記憶が、ない?」

「は、はい。これでは、アルジェント様のご迷惑になってしまいます。だから、婚約破棄してほし───」

「その必要は無い」


 (…何故か食い気味に拒否されたのですが?)


「ええっと…?婚約破棄した方がお互いの為かと」

「……俺も実は、記憶喪失なんだ」

「……え?」


 …私の聞き間違い、ですよね?ええ、絶対にそうです。


 衝撃の発言に我が耳を疑いながら、私の思考は固まってしまいました。

感想、評価を頂ければ幸いです。よろしくお願いします!

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