『若気のいたり』を考える
皆さん、『若気のいたり』を経験したことは?
私は山ほどあります。
こないだなんて、押入れから謎のエロ本が出てきちゃって。
「なんや、これ??」
とよくよく思い返せば、大学生の頃、親友(女子)と急に『月一でエロ本を読む会』を発足しましてね。
で、初日、二人でエロ本をそれぞれ購入。
親友の部屋でひたすら読んだ所、もうなんかお腹いっぱいになり、「もう、いいわ」と、会はその日が最終日になってしまったんだ。
で、その時のエロ本が出てきた、と。
なんで、エロ本を趣味にしようとしてしまったんだ、二十歳の私達よ……。
そんなこんなで、お久しぶりです。
今は『知将』の中でえろ教を発足!鋼鉄のざるです。
少し話は変わりますが、この前、いつも素敵なFAをくださる絵師であり、琉球を舞台とした歴史作家様の割烹にて、グアムの思い出をちらりと書き込んだんです。
それで、色々思い出しましてね。
そういえば、グアムでも散々『若気のいたり』をやらかしたんでした。(遠い目)
そこで、また記憶の底に埋没する前に、あのグアムで起きた、激しく馬鹿ばかしい夜の事を、書き残してみようと思い立ったわけです。
というわけで、結局いつもの独白エッセイ。
今日は『若気のいたり』について、昔語りしてみようかと思います。
(以下のお話は、危機意識ゆるゆるのおバカな若者が出てきます。そういうのが許せないお方は、Uターンをお勧めします)
今は昔、大学四年だった我々は、卒業旅行に行こうって話になりましてね。
仲良し女子三人で、一週間ほどグアムに行ったんですよ。
とりあえず、登場人物の名前を仮に設定しておきますね。
友人A……信長子
友人B……秀吉子
私……家康美
え?『武将の名前も謎だが、どういう意味で作者=家康なんだ?』って?
まあ、あれです。単純に、体型がね。言わせんなっ……///
とにもかくにも、私達は日本を脱出し、グアムの地に降り立ったわけです。
私達が泊まったホテルの部屋は、コンドミニアムで台所がついているタイプ。
「自分達で料理したいね!」なんて言って、この部屋にしたんですが、結局初日にコーンスープのお湯を沸かしたくらいで、ほとんど使わなかった。(笑)
何故かというと、すぐに私達のホテルに勤める現地の男子と仲良くなって、一週間のうち半数以上は、たいがい彼に連れられて、誰かの家のパーティーに紛れこんだり、バーベキューに誘われたりしてたからです。
それ以外の日も、大体向こうで知りあった人とご飯を食べてたから、全然キッチンを使わなかったんだよね。
バーベキューといえば、誘われてお家に食べに行ったら、ガチで肉とビールしか無くてさ。
「野菜はないのか?」と聞いたら、冷蔵庫から「はい」とキムチを出された思い出。
アメリカの奴ら、おかしいんだ。
さてさて。そんな感じで向こうでお世話になった現地人、仮に名前を『江戸ワード』としよう。
その江戸ワード君が、その日は友達を二人呼んできた。
恐らく、3ON3したかったんだな……
一人は『七三』(仮)君、もう一人は、『?』(仮)君。
すまん。『?』君は名前を覚えてないので、もじりようもなかったわ。
で、最初は『みんなでご飯食べに行こう』って話になって、グアムで一番美味しい店に連れてってもらったよ。
ベトナム料理店にね。
アメリカの料理じゃないんかい……
まあいいや。
ベトナム料理は美味しかった。
現地人用のメニューと日本人用のメニューで、料金が違ってたのは、グアムあるある!
その後、「イルカ見に行こうぜ!」と江戸ワード君が言い出して、そういうイルカスポットの海に行ったものの、夜で真っ暗なため全然見えない。
アホや……。
で、みんなで私達が泊まってるホテルの部屋にやってきた。
少しの間みんなで話してたら、そのうち何故か別行動しようって話になってた。
……え??まじで?
江戸ワードと信長子は、江戸ワードの車でどこかへgo!
七三と秀吉子は、ホテルの駐車場に停めた七三の車でtalk!
?と私は、ホテルの部屋にstay!
こ・れ・は!!
あれです。3ON3が、1ON1に!
彼らは攻城戦、我らは籠城戦!
ぶおおおお~!!
私の中で、開戦のほら貝が鳴らされた。
ガハハハハッ!
我とて伊達に女子校、女子大で過ごしておらぬわ。
数多の合コン、ナンパで培ってきた力量を、今こそ見せん!!
部屋に二人きりになり、私と?は、ソファに座っている。
「なんか、眠いなあ」
というようなことを英語で言いながら、?が私の肩に頭を乗せた。
せ、攻めてきおったあっ!
「あ、じゃあ、コーヒー入れるね」
私は、さくっと席を立ち、コーヒーを作るためキッチンに向かった。
で、コーヒーを持ってソファに戻ると、カップを置いて、少し距離をとって座る。
すると、?はコーヒーを少し飲んでから、またこちらに寄ってきて、
「なんか、眠いなあ」
と言いながら、再度私の肩に頭を乗せた。
わ、ワンパターン過ぎやろ、こいつ……!
まあ、強引に力任せに来るような危険な男でなかったのは、ありがたい。
一応海外ということで、私も武器を肌身離さず隠し持っているものの、刃傷沙汰は避けたいものだ。
とりあえず、「あ、テレビつける?」などと言いながら、リモコンを取りに立ち上がる。
そして、立ったまま、ザップして、謎のアニメチャンネルにした。
「カートゥーン好き?いやあ、私はドラ○ンボールが好きでさ!」
そんな、適当なことを言ってまた距離をとって座った。
その時だ。
電話が鳴った。
とると、信長子からだった。
「ねえ、秀吉子、戻ってきた?」
「いや、まだだけど?」
「探して!」
「は?なんで?」
「江戸ワードが、『七三はAIDSだと思う』とか言い出したんよ。秀吉子なら、絶対やると思うから、その前に探しだして!」
「秀吉子の信用無さすぎでしょ!!あ、でも部屋に?が……」
「いいよ。貴重品は持ってるし、あとは服とかでしょ?」
「まあ、いっか。了解!信長子は?何してんの?」
「今、江戸ワードの家。マッサージしてもらってた。私も今から戻るわ」
「いや、あんたも何やってんの?!てか、マッサージだけで済ますその手練手管、流石信長さんだよね!!」
私は電話を切った。
信長さんは、とんでもなくもてるから、対男戦におけるその力量たるや、いつだって『三方原』な私とは段違いなんだ。
私は、?に「ちょっと秀吉子と七三を探しに行くから、そこで寝てていいよ」と言い残し、貴重品と共に部屋を飛び出した。
その夜、ホテルのロビーを爆走してフロントマンを驚かせたのは、私です。
さて、駐車場に出た私は、だだっ広い駐車場に停めてある無数の車を、一台一台、覗いて回った。
そうして、半分ほど見終えた時、車の中でtalkingしている秀吉子と七三を無事発見したのである。
私は、秀吉子に「今から信長子が戻ってくるらしいから、部屋に戻ってってさ。あと、七三にAIDS疑惑がある」と話し、二人を部屋に連れて帰るミッションを無事に果たすことができた。
?はどうなったのかって?
部屋に戻ったら、ソファで寝てたよ。
なんか、ごめんな!
名前も、こいつだけ覚えてないし。
その後は信長子達も戻ってきて、試合終了。
解散となった。
まあ、七三がAIDSかどうかは、結局わからない。
江戸ワードが、何故七三をAIDSだと思ったのかというと、以前海で知りあった、AIDSらしき女(江戸ワードが言うには)と七三が関係を持ったからだとか??
うん。全く意味がわからん。
だが何にせよ、今なら言える。
登場人物、全員アホや!!と。
もし、今の私がグアムに行ったなら、もっと慎重に行動できる。
でも、当時は無理だった。
あの頃私達は、オールウェイズ・アホだったんだ。
ただね、よく、『若気のいたり』とか『若さゆえの過ち』とか『坊やだからさ』とか言うけど、じゃあ、『若気のいたり』はマイナスなことばかりなのか、というと、それも違う気がする。
例えば、若い時の無謀さがいろんな経験を生む。そしてそれが重なり、思考や行動が成熟するとしたら。
『若気のいたり』は、必要だったんじゃないかなあと思う。
そう。
若い頃はさ、アホでいいんだよ。
たくさん突っ走って、黒歴史作ってもいいんだ!
だって、それが、経験になるのだから。
そして私の昔のエロ本や、グアムでの経験、中学一年のある日の自習中、どこかで縄をみつけてきたK君が急に「縛ってもいい?」などと言い出し、「ええよ!」と許可した私を椅子に縛りつけ、ボンレス状態にしたことも……。
今、私の作品に生かされている。
『若気のいたり』。大事な経験値。
黒歴史は、なろう作家の財産かもしれない。