表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4  炎の巨人 後

さくっと戦闘

動き始めた『炎の巨人(スールート)』に向かって武器を構える7人。


「では、いつものように――――」

「じゃあ、僕はお先に。『隠れ身(ハイド)』」


シャルが配置の指示を出そうとするが、弓を背負っているアッカが自身にとって有利な場所を得るために、スキルを使ってモンスターからヘイトを向けられないようにし、走り出す。そんな勝手な行動にため息をつくシャル。そんなシャルの様子を見て、


「全くもう!アッカ君はいつも仕方ないですね!」


とノースリーブの涼しげな修道服に着替えたまりあが声を掛ける。


「・・・まぁ、役割としては合ってるからいいんですけどね。はぁ・・・」

「アッカ殿はあれできっちりと仕事はこなすので助けられている拙者達からはあまり言えんのでござる。」

「って言ってもほとんどシャルちゃんに良いとこ見せたいからやってるもんね~あれ。」


のんびりと先行したアッカへの愚痴を言うシャルとそれに同意するアイデハルト、からかうように言うパペマペ。その間にも『炎の巨人(スールート)』は巨体を動かし、地響きを起こしながら近づいてきている。

項垂れていたシャルは顔を上げ、指示を出す。


「では、ガルーとボクで前衛の攻撃役アタッカー。イサジさんは攻撃役アタッカー属性付与エンチャント支援サポートを、アイデハルト君は壁役タンクを、まりあさんは支援サポート回復役(ヒーラー)を、パペマペさんは後方から魔法で攻撃役アタッカーをお願いします。」

「よしっ!つまりいつものってわけだな」

「・・・まぁそうです。」


ガルーから横槍をいれられまたがっくりしてしまうシャル。しかしボスからは目を離さず、すぐに切り替える。


「では、今回こそあのつんつん頭に一泡吹かせてあげましょう」

「「「「「はい(おう!)(そうじゃな)(承知した)(は~い)」」」」」





「『幸運の水(ハッピーウォーター)』!『氷の衣(アイスベール)』!『全能力向上(オールアップ)』!」


炎の巨人(スールート)』の炎属性に対抗するため火炎耐性を得る魔法と能力値を全体的に上げる魔法を唱えるまりあ。ふわりと薄い水色のオーラを纏ったシャルとガルーは巨人に向かって走り出す。前に出たガルーは両手に爪のような棘がついたナックルダスターを振りかぶり、『炎の巨人(スールート)』に殴り掛かる。


「『岩砕きの拳(ロックナックル)』!!」


赤くオーラを纏った拳で殴った先の岩が砕け、『炎の巨人(スールート)』がバランスを崩し腕をつく。

そこに遅れてきたシャルが小さな体に見合わないほどの大剣を振りかぶり斬りかかる。


「『秘技・国割り』!!」


刀身に白いオーラを纏い、大剣が見えないほどの速度で振り切るシャル。大剣が通ったあとの腕には美しい白い残像が生まれ、爆発する。

足の一部と片腕を失った『炎の巨人(スールート)』はたまらずといった様子で無茶苦茶に残った腕を振り回し、体から炎を撒き散らす。

しかし、それらの攻撃は何一つ6人には届かなかった。攻撃した後、引いたシャルとガルーの代わりにアイデハルトがその巨体よりも大きな盾を構え6人の前に立ち塞がり、全ての攻撃を受け切ったからだ。


「『吹雪ブリザード』!『炸裂水スプラッシュウォーター』!」

「なんで弱い魔法も唱えてるんですか、パペマペさん」


その間にも、『炎の巨人(スールート)』にちょっかいをかけ続けるパペマペ。魔法の強さ的には第5深度の『吹雪ブリザード』は弱点属性も突きダメージが入るだろうが、第2深度の『炸裂水スプラッシュウォーター』は効かないのではないかと思いシャルはパペマペに問う。しかし、


「えっ、だって暑いじゃん。涼みたくない?」


と、なに言ってんのというような顔で見られてしまった。




そんなふざけたことも交えながら着実に『炎の巨人(スールート)』のHPを削っていった7人。しかし、HPを一定以上削ったところで、『炎の巨人(スールート)』が行ってきた大爆発によりガルーが一度死んだりと苦戦はしていた。

戦い始めてから1時間が経とうとした時、シャルが放った一撃で遂にキラキラとした輝きに変わっていく『炎の巨人(スールート)』。


「早く、お城に帰って休みたいです。」


まりあが言うように固い、熱い、でかいのめんどくささ満開のボスを倒した感想は喜びよりもまず疲れが先に来る勝利であった。

戦闘シーンをうまく表現できる人しゅごい・・・


ブックマーク圧倒的感謝っ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ