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「狭間の塔」  作者: 春秋 一五
「三階」
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「病院と信念 Ⅳ」

「でも、何で毒が食事の中に……?」


 毒が入っていると聞いた瞬間に、目の前に置かれた食事は食事だったものになった。人間の感性は不思議なもので、見た目が変わらなくても言葉の一つでこうもすぐに感情が変わるものらしい。


「そこまではわからないわね。ただ、殺す気ではないことは確かよ」


「九音さんが持ってきたということは……、時田さんが準備したものでしょうか」


「そうと考えるのが自然だな」


 僕が人間の神秘に感動している間に、みんなの間では犯人の推測が行われていた。と、言っても容疑者の数が少なすぎて、時田さんという結論に至るのが関の山だ。


 では、たとえばこの話が真実だったとすると、時田さんが僕達に毒を盛る意味は何だろう。そう考えた時に、答を出すことはできない。出会ったばかりの僕達に毒を盛る意味があるのだろうか。そこに何かメリットがあるようには思えない。せいぜい武器が奪えることぐらいだろうが、僕達の武器程度の物なんて病院と言うからには持っているだろうけど。まあその場合武器じゃなくて治療道具だが。


「……食べ物、食べないと怪しまれるでしょうか」


「そうかもしれんな。だが、食うわけにもいかん」


 スープは流せば済むかもしれないが、他のものは隠しようがない。カバンに毒入りの物を入れるわけにはいかないし、胃の中に収めるというのは間違った選択肢だ。


 それならば、


「怪しまれるのは……、仕方ないですね」


「……そうだな。あいつらが戻ってくるかもしれんが、早く部屋から出よう。鉢合わせてしまうのはまずい」


 誰がやったにしろ、犯人が不明瞭な今は時田さんを疑うしかない。だから時田さんに案内されたこの部屋から出よう、それが卯月さんの出した結論だ。もちろん誰も反対するはずがなく、食事だったもの、を置いて荷物をまとめ左右を確認しながら部屋を出る。幸いにも人の姿はなく、ばれることなく部屋の外に出ることができた。


 部屋の外は寝る前と変わらず殺風景な廊下が闇の中に続いている。確かにこれは一度部屋から離れてしまうと、戻るのは難しそうだ。


「何か、目印を付けた方がいいのでしょうか?」


 雪姫さんが小声で問う。目印をつけようにもここには丈の長い草は生えていないので、壁に傷をつけるぐらいしかしようがなく、それはなんとなく心苦しい。ただそれをしないと元の部屋に戻ってくることはできないだろう。かなり悩みどころである。


「……つけない方がいいだろう。確かに俺たちの目印になるが、逆にそれだと毒を盛ったやつに俺たちの場所を教えることになる」


「そうですね……。止めときましょう」


 ナイフの刃を壁につきたてようとしていた雪姫さんが手を止めて、ナイフを収める。僕は銃をポケットに入れていて、とてつもない不便さを感じているので、みんな武器をどこに収めているのだろうとその挙動に注目していると、雪姫さんは何故かロングスカートの左の方をまくり上げて、太腿に取り付けた謎の物体にナイフを収めた。え、ちょっと待って何それ。


「雪姫さん……、それなんですか?」


「え? あ、これですか?」


 雪姫さんがもう一度スカートを太腿あたりまでまくり上げる。そこには、先ほどのナイフと、もう一本別のナイフが収められていた。


「あら、愛莉ちゃん見えちゃいました? 変態さんですね」


「え」


「冗談です」


 雪姫さんが悪戯っぽく笑う。その表情は、ナイフを太腿に身に着けているような人には思えない。最近の雪姫さんは、塔に来たばかりの雪姫さんとは印象が大きく違っていた。


「これは前の階でツタ植物などの植物を組み合わせて作った物です。ここにナイフを収めているのが、一番使いやすいので」


「……そう? 足切りそうで怖くない?」


「きちんと作れば大丈夫です」


 ナイフを手に持っている真綾さんが苦々しげな表情を浮かべる。服に入れることもできずに困っていたらしい。ちなみに僕は遠慮なく上着のポケットに入れていた。刃先だけ落ちていた木の枝を突き刺し、服が破れることだけは阻止している。


 これは僕の服ではないから。


「では、これをどうぞ。あと一つしかないのですが」


 雪姫さんがハンドバックから、先ほど自分の太腿に巻きつけていたものと同じものを真綾さんに手渡す。あ、いいな、と密かに思ったが、ナイフを使う機会なんて訪れて欲しくないので、その欲求は闇の先に投げ捨てた。


「え、あ、いいの?」


「はい。私には太腿が二つしかありませんので」


「そ。ならもらっとくわ。ありがと」


 真綾さんが雪姫さんにホルダーを付けてもらっている間、しばしその場に立ち止まる。先頭を歩いていた卯月さんが少しだけ先に進んで安全を確認した後、また戻ってきて壁に背を付けて目を瞑った。本当に体に似合わない行動である。


「……廊下を歩いているだけでは無駄だな。そろそろどこかの部屋に入ってみるか」


「そうですね。これまでの部屋には戻りますか?」


「……いや、大丈夫だろう。どうせ今から嫌と言うほど探すことになるからな」


 しばらくすると真綾さんへのホルダーの取り付けが終わり、また歩き始めた。何だか真綾さんが機械みたいになってしまったが、言葉のあやなので許してほしい。


「あの部屋に入ってみるか」


 卯月さんが、左側にある扉を指さした。それは歩いていたら定期的に現れる何の変哲もない扉なので、何かの根拠があってそこを指し示したわけではないらしい。


「一応何が飛び出してもいいように、武器は構えておけ」


 そう卯月さんに言われたので、各々自分の武器を構える。卯月さんは鉄パイプ、僕は銃、あとのみんなは密林で手に入れたナイフを。たとえ形だけでも、戦力にならなかったとしても、相手に優位をとらせないために戦う意思を見せることが大切だ。


 ……卯月さんが扉に手をかけた瞬間に、この階に来た時に零が言ったことを思い出す。


 狭間の塔の病院が、人を治すだけのものとは限らない、という発言を。


 じゃあ、そんな病院の病室には、誰が、何が待ち構えているのだろう。


 そんな警戒だか何だかわからない感情のまま、僕は開け放たれた扉の向こうに目を向けた。


   □ ■ □ ■ □


「お腹空いたヨー……」


「……だな。そろそろ飯にするか」


 そう言って、背中に担いでいるバックをおろす。そこから果実を幾つか取り出して、アリスに放る。アリスはそれをあまり生気のない目で見つめた後、鞘から剣を抜いてそれを切り裂いた。相変わらず細身のくせにうめえもんだ。自分の左手を見つめて、苦笑を漏らしてしまう。


 半分に切り裂かれた果実を、アリスと二人で分けて食う。先ほどの資料室から出て、向かいの部屋に入ったらそこも資料室だったためげんなりしていたところだ。気分転換には丁度いい。


「おいしくないヨー」


「我慢しろ。俺だって肉とか食いてえよ」


 蛇とかの肉はごめんだけどな。そう心の中で呟いて、五倍に薄めたスポーツドリンクみたいな味がする果実を齧った。マジでまずいな。


「……足音が聞こえるネー」


「あ……? あー……みたいだな」


 アリスに言われて耳を澄ましてみると、確かにかなり遠くの方から足音が聞こえた。……一人の物ではないようだ。よく聞いてみると……、二人、みたいだな。じゃあチビ達ではないだろう。


「何か入ってきたら頼むわ」


「ひょーはーひ」


 アリスが果実を一口で頬張って、恐らく「りょーかーい」と言った。どちらにせよ、真面目な返事には聞こえないが、了承してくれたみたいだ。根は素直な奴で助かった。


 足音は徐々に、本当にゆっくりとであるが、近づいてきている。この部屋に明確な目的があって近づいているのか、はたまたただ通り過ぎるだけなのか。それはまだわからない。よって、俺たちに危害を加えてくるような存在であるかどうかもわからないのだ。しかし、相手が人間であるという確証がある分密林の時よりはましか。


 やがて足音は扉の前まで近づき、そして少しの間を空けた後扉に手をかけた。


「イラッシャーイ!」


 扉が開くか開かないかの寸前で、アリスが剣を持ったまま扉に向かって弾丸のように飛びついた。それに対して足音の主はそのアリスの行動に少し驚いた後、


 アリスの剣に、素手で触れた。


「……エー? どういうコトー?」


「病院内での暴力沙汰はご遠慮願いますか?」


「……たしかてめーは」


「やあ、君たちだったか」


 アリスの剣を素手で受け止めることのできる人間なんていない。それは俺の、刀祢の体で実証済みだ。


 なら、受け止めることのできるやつは人間ではない。背理法的にそれは確かなのである。


 と、いうことはだ。


「死神、九音だっけか?」


「覚えていただいていて光栄でございますわ」


 白い死神は口元に笑みを浮かべる。目は一切笑っていないけどな。本当に案内の野郎しかしこいつしかり、嫌な顔をする奴らだ、死神ってのは。


「何で君たちはこんな場所にいるんだい?」


 隣にいる眠たそうな医者が顎を撫でながら問う。その言葉にはやる気のなさがにじみ出ていた。医者っぽくねぇ奴だな。


「道に迷っちまってよ。地図探してんだ」


「道に……、ふむ。確かにここはややこしい作りになってるからねぇ。すまないが地図はここにはないよ」


「代わりに私がご案内いたしますわ」


 白い死神が自分たちが入ってきたドアを再び開ける。確かにそれで万事解決だが、何だか悔しいような気がする。……んなことにこだわっても仕方ないんだがな。


「じゃ、頼むわ。こういうのは首が痛くて苦手なんでな」


 固まった首を回してほぐす。ばきばき、と激しい音をたてながら案外円滑に回った。ったく、自分の体じゃないってのはこういう時に調子狂う。自分が選んだ道だけど。


「……」


「どうしたアリス、行くぞ」


「ワカッター」


 剣を収めたアリスが、何故か床の一角に座って止まっていたので呼びかける。腹でも痛かったか?と考えを巡らしてみたが、この塔ではトイレに行くという概念はないらしいので、そうではないのだろう。つまり俺の頭では想像できなかったということだ。いくら刀祢の体になっているとはいえ、脳みそは俺の物なんだから頭の悪さは変わらない。中途半端もいいとこだ。


「君たちはまたなんでこんなところに?」


 医者が俺たちの顔を見ないままに聞いてくる。さほど興味もなく、社交辞令で聞いているような口ぶりだ。まあ楽しい話ではないし、それもそうだろう。


「探索しようとしたら道に迷っちまってよ。携帯も落としちまったし、適当に歩いてたらこうなった」


「ふむ……、迷子になったら一番やってはならないやつだね」


「あ?」


「いや、何でもないよ。九音、案内のついでに病室をいくらかまわって行かないか?」


「わかりました先生」


「おいおい、ちょっと待てよ」


「はい?」


 俺たちを無視して勝手に話が進んでいるので一度止める。案内をすると言ったからにはちゃんと案内していけと言う話だ。


「さっさと案内してくれねぇと困るんだが」


「その意見も分かるが、君たちは人を探しにここに来たんだろ?」


「あ? そうだが?」


「なら人がいる病室に立ち寄って、悪いことはないだろう」


 ……なるほど、そういうことか。お前たちにも利はある、だから付き合え、か。人と交渉する時の常套手段だ。


 ま、偉そうに分析するような立場ではないけど、な。


「……わかった。アリスはどうだ?」


「……」


「おい? 大丈夫か?」


「体調が悪いのか?」


「エ? あ、大丈夫ダヨー」


 何だかアリスの様子がさっきからおかしい。頭がおかしいのは平常通りだから問題ないのだが、おとなしいのはアリスとしては異常な事態である。前の階から、オカマのおっさんが死んでからは比較的静かにはなっていたが、それよりも数段おとなしい。


 一体アリスの中で何があったのだろう。さっきまで一緒にいたにも関わらず、全く見当がつかない。


 やっぱり頭も刀祢の方が助かったのだが。


「ふむ……、ならいいが。九音、それじゃあ診察をしながら行くとしよう」


「了解いたしました」


 医者だから気になるのだろうか、訝しげな表情を浮かべる医者野郎だったが、大丈夫と言うアリスより確かな病人の方を優先したらしい。白い死神に指示をだして先に進ませた。


 コツコツと、四人分の足音が廊下に響く。


 アリスの身に何が起きているか気になって仕方ないが、聞くこともできずただもやもやと心の中で渦巻くだけだ。


 だから、誰か教えてくれよ。


 心の中で呟いたって、その言葉は誰にも届かない。


 俺の気持ちが、俺の怒りが、


 あの時、刀祢に届かなかったように。


   □ ■ □ ■ □


「あら……、新しいお医者さん?」


 扉を開けると、そこには三人のおばあちゃんが待ち構えていた。いや、構えてたわけじゃないけど。待ち構えているおばあちゃんの姿を想像するだけで面白いから。


「……すまんな、俺たちは医者じゃない」


「あらそうなの? そろそろお食事の時間だと思って」


「そうね。お腹が空いてきたわぁ」


 ……なんだかこの塔に来てかつてないまでののほほんさだ。こんなに和やかな場所だっただろうかここは。さっきまで毒の恐怖に怯えていたというのに。


 おばあちゃんたちはみんな規則的に並べられたベットの上で座っており、足には布団をかけていた。ベットの横に車いすが置いてあるところを見ると、どうやらおばあちゃんたちは足が悪いらしい。あれだけ警戒していたが、何だか普通の病院のように思えてきた。


「あなた達も何かを患って?」


「いや……、俺たちは人を探しに」


「そうかいそうかい。じゃあお薬はもらっていないんだね?」


「薬……ですか?」


 体が動かなくなるようなお薬はもらいそうになったけどね。皮肉を言いたいが、その気持ちはぐっと堪える。まだ時田さんが悪いと決まったわけじゃないもの。


「そう。不思議なお薬でねぇ。おトイレに行かなくても大丈夫なお薬なの」


「は? あんたそれ」


「それは便利なお薬ですね!」


 真綾さんが何かを言おうとしたのを、雪姫さんが前にでて遮る。その行動に真綾さんはとても不服そうであるが、卯月さんがその前に手をかざしてそれ以上の行動を止めた。


 多分真綾さんが言おうとしたのは、それは薬のせいじゃないということだ。それはみんなわかっているだろうに、何で遮ったのだろう。それを雪姫さんか卯月さんに聞きたいが、この二人がやったからには何か大きな理由があるのだろうから、黙っておくことにする。二人の足を引っ張るわけにはいかない。


「そうでしょう? あなたたちももらっておいた方がいいわよぉ」


「次、時田さんに会ったら頼んでみますね。ありがとうございます」


「……そういえば。俺たちと同じような姿をした人を見なかったか?」


 これ以上薬の話をするとまずいと感じたのだろうか、卯月さんが話を変えて流れを断ち切った。おばあちゃんもさほど不自然に感じなかったらしく、僕達の話に応じる。


「うーん、見なかったねぇ。何しろ私たちは足が悪いもんだから……」


「そうですか……、ありがとうございます。お邪魔してすいませんでした」


「いえいえ」


 おばあちゃんたちは柔和な笑顔で手を振った。僕達も会釈しながら部屋を出る。不服そうな真綾さんのみが腕を組んで鼻を鳴らしながら部屋を出ていく。そしてそのまま部屋の扉を思いっきり閉めそうになったので、卯月さんがそれを抑えて僕がゆっくりと扉を閉じた。おばあちゃんたちに罪はないのだから。


「ちょっと、何で私の話を遮ったのよ!」


 廊下に響き渡る大声が、今まで僕達が小さい声で喋っていたことを全て無駄にする。この閉塞空間の中ではかなり遠くまで響き渡ったことだろう。


「あの方たちに真実を伝えて時田さんに不信感を持たせてしまうと、それは私達だけでなくあの方たちにも危害が加わる可能性が出て来ます。何も利益が無い限り、そんなことをする必要はありませんから」


 まくしたてるように話し出す雪姫さんを見て、あそこまで怒っていた真綾さんが少し引いている。完全に正論過ぎて反抗できないのだろう。すっかり黙ってしまった。


「……何も得られなかったわね」


 香苗さんがぽつりと呟いた。確かに、さっきの部屋で得られた物は何もない。


 ただし、それは物の話だ。


 得られた物はなかったが、僕達は一つ確信を得た。


「時田は、黒だな」


「そうみたいですね」


「間違いないですね」


 そのことに気付いていたのは、僕と卯月さんと雪姫さんの三人だったみたいだ。香苗さんは話を聞いて目を丸くしたところを見ると気づいたらしいが、真綾さんは何のことかわからないらしい。こういう時、いつもは真綾さんとともにわからない方に入っているが、今回はわかっているのでドヤ顔だ。


「何が目的かは知らんが、あの嘘は自分を信じさせるための嘘だ。そんなことをするやつが、白だとは思えん」


「はい。それに、これは憶測ですが、症状から見るにあの方たちにも毒を盛ったのかもしれません」


「なるほど……、それはありえるわね」


 毒に詳しい香苗さんも、何度か頷きながら肯定する。未だに真綾さんははてな顔であるが、みんながこれだけ賛成すれば、確かな事実なのだろう。


「……次、時田に会った時は警戒した方がいい。何をされるかわからんからな」


 僕達は頷いてまた歩みを進める。真綾さんは首を傾げっぱなしだが、そんなことはもういいだろう。真綾さんもじきに分かるはずだ。


 言葉少ないままに廊下を進む。先ほどよりも時田さんへの疑いが強くなったことで、みんなの警戒心も強くなっていた。


 そして僕らは、また次の扉を見つけて、開けた。


   ☆ ★ ☆ ★ ☆


「人間は馬鹿なものだねぇ」


「あ? 零じゃねえか。何してんだ?」


「その声は七瀬かい。君は上司たる僕に敬語の一つも使えないのかい?」


「死神に上司もへったくれもあるかよ」


「よく言うねぇ。君は九音を部下と呼ぶじゃないか」


「それとこれとは話が別だ」


「あぁ、そうかい」


「んで、何独り言言ってんだ?」


「人間は馬鹿なものだと言っただけさ」


「なにをそんな常識をいってやがる」


「元人間の君がそれを言うかな?」


「ああ、元人間だから言うんだよ」


「じゃあ、君ならわかるかな?」


「あ?」


「多数決だけで憶測を事実とする。それはとても愚かな行為だとね」


「……人間は多数決の好きな生き物だから」


「だね。全く馬鹿げているよ」


「そうだな」


「正解に人数なんて、関係ないのにね」

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