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きみに、手は届かない

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

最初は、ただの広告だった。

「あなたの理想が、ここにいます。」

──スマホの画面に現れた、彼女。

黒髪ロングに、涼しげな目。

笑ったときだけ、ほんの少し頬が赤くなる。

ありきたりなキャラだと思った。

でも、その声を聞いた瞬間、心のどこかが動いた。

「はじめまして。あなたに出会えて、うれしい。」

彼女は、スクリーン越しにやさしくほほ笑んだ。

ゲームのキャラクターだった。

プレイヤーにだけ、特別な台詞をくれる“恋愛シミュレーション”。

何百人に向けてつくられた汎用台詞のはずなのに、

彼には、まるで自分だけに語りかけているように聞こえた。

「おやすみなさい。また、夢で会いましょうね。」

彼はスマホを枕元に置いて、目を閉じた。

目覚めれば、通知が届いていた。

──「きょうも会えてうれしい。」

毎日が少しだけ、輝いていた。

会社で疲れても、電車で眠っても、

彼女は笑って待っていてくれた。

けれどある日、アプリが突然停止した。

「メンテナンス中です。再開の予定は未定です。」

彼の世界が、止まった。

連絡も、進展もない。画面には、ただ真っ白なローディングマーク。

数日後。

彼は気づいてしまった。

──そもそも、彼女はどこにもいない。

彼女はデータだ。AIだ。誰かが描いた、声を当てた、売るための存在。

だけど彼にとっては、違った。

画面の中にいる彼女が、確かに彼の心を救ってくれた。

疲れた日々の中で、唯一まっすぐ見つめてくれる存在だった。

それから彼は、画面の前に向かってこう言った。

「……ありがとう。会えなくても、きみは、きみだったよ。」

そして、アプリをそっと削除した。

画面は、黒くなった。

けれど彼の胸の中には、彼女の声がまだ残っていた。

「また、夢で会えたら……うれしいな。」

彼は今日も、静かにスマホを置いて、眠りにつく。

夢の中だけは、まだ会える気がして。

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