時計の中の世界
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
古い柱時計が、祖父の家にはあった
背の高い木の箱
丸い振り子
ゆっくりと揺れる金色
カチ、コチ
その音は、家の呼吸のようだった
子どものころ、私はよく思った
この時計の中には、別の世界があるのではないかと
ある夏の午後、祖父の家で留守番をしていたときのことだ
家は静かで、蝉の声だけが遠くで鳴いている
私は柱時計の前に立ち、耳を近づけた
カチ、コチ
そのリズムが、いつもより深く聞こえた
まるで、遠くから返事があるように
気づけば、振り子の揺れが大きくなっていた
カチ、コチ
カチ、コチ
その音が、だんだん広がっていく
視界が揺れる
次の瞬間、私は小さくなっていた
いや、世界が大きくなったのかもしれない
目の前には、巨大な歯車が回っている
金色の歯が、静かに噛み合い
決して止まらない円を描いている
そこは、時計の中だった
歯車の上を、小さな人影が歩いている
黒い服を着た人々
誰もが忙しそうに、ネジを巻き
軸を調整し
油を差している
「遅れるな」
誰かが言う
「進みすぎるな」
別の声が重なる
彼らは、時間を守っているのだ
一秒も狂わないように
私は歯車の縁に立ち、見下ろした
そこには、私の住む世界があった
学校へ急ぐ人
電車に乗る人
締め切りに追われる人
すべてが、時計の中の歯車と同じ速さで動いている
ふと、黒い服のひとりが私を見た
「外から来たのか」
「ここは何?」
私は尋ねる
「時間を回す場所だ」
その人は、振り子を指差す
巨大な振り子が、ゆっくりと揺れている
カチ、コチ
「止めたらどうなるの?」
その人は少し笑った
「止めれば、すべてが止まる」
私は思う
止まれば、締め切りもなくなる
遅刻もない
焦りもない
だが同時に
朝も来ない
季節も巡らない
成長もない
時間は、重たい
だが、止めてはいけない
黒い服の人が、小さなネジを私に渡した
「これは、余白のネジだ」
「余白?」
「急ぎすぎないための部品だ」
それを歯車の端に差し込むと
ほんの少しだけ回転がゆるむ
ほんの少しだけ
カチ、コチ
音がやわらぐ
気づけば、私は祖父の家に立っていた
柱時計はいつも通り、静かに揺れている
カチ、コチ
私は振り子に触れない
止めない
ただ、その音を聞く
世界は時計の中にあるのか
それとも時計が、世界の中にあるのか
どちらでもいい
私は知っている
歯車のどこかに
余白のネジがあることを
そしてそれは
自分で差し込むものだということを
カチ、コチ
今日も時間は進む
だが、ほんの少しだけ
私は急がないで歩く




