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お嬢さん、風になる

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

──春風に生まれ、風そのものとなったひとひらの命──

わたしは、生まれたときから風を知っていた。

母のぬくもりのそば、草の匂いが揺れる丘の上。

朝露を踏んで駆けるたび、頬を撫でる風が、わたしの名を呼んでいた。

ヒトはまだ、わたしを何者とも知らなかったけれど。

わたしは、走るために生まれてきたと知っていた。

しなやかな脚、真っすぐな背中、光を弾く栗色のたてがみ。

彼らはやがて、わたしを「お嬢さん」と呼ぶようになった。

その響きが、好きだった。

誇らしくて、少し、くすぐったくて。

わたしは、ヒトが思うよりもずっと、ヒトのことが好きだったのだと思う。

桜が咲くころ、初めての大きな舞台に立った。

たくさんの声が、空を埋め尽くしていた。

でも、怖くなかった。

だって、風がいたから。

わたしのそばに、いつも風がいた。

わたしは、風と一緒にゴールを越えた。

それから幾度も、花咲く季節を走り抜け、

金色の陽を浴び、紅葉の道を駆け、

わたしは「三つの冠」をその身に戴いたらしい。

でも、冠なんて見たことがない。

わたしの目に映るのは、いつも“前”だけだった。

遠い国にも行った。

砂漠の空、知らない匂い、異国の風。

そこでもわたしは走った。勝たなかったけれど、

風はちゃんと、わたしを忘れてはいなかった。

最後に訪れたのは、海の向こう。

緑の芝、遠い水平線。

ヒトたちは言っていた。

「このレースを、あの子と一緒に夢見たんだ」

わたしはそれを知らない。

でも、その夢の中にわたしがいたのなら、きっとそれは幸せだった。

レースの途中で、脚が音を立てて崩れた。

わたしは立てなくなった。

ヒトの声が泣いていた。

誰かの手が、顔を撫でてくれた。

そのぬくもりの中で、わたしは小さく呼吸した。

「ありがとう。お嬢さん……」

風が吹いた。

懐かしい、牧場の風。

もう、走らなくてもいい。

もう、誰かを喜ばせなくてもいい。

わたしは、わたしのままで、風になる。

名もいらない、冠もいらない。

ただ、風の中に、わたしがいる。

ずっと、どこかで、誰かの夢の中で──

お嬢さんは、風になった。

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