ふくらんで、消えた。
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
わたしは、駄菓子屋の風船ガム。
棚のいちばん端っこ、少し日焼けした箱の中で、もう何年も過ごしている。
昔は毎日のように誰かの手に取られ、子どもたちのポケットに忍び込んでいたけれど、
今は、ほとんど見向きもされなくなった。
隣には、ピカピカ光るグミ。
その隣には、スマホみたいなゲームがついたチョコ。
時代は変わったって、わかってる。でも、それでも、どこかで思ってしまう。
「もしかして、誰かがまだ――わたしのこと、覚えてるんじゃないか?」って。
ある日、がらんとした店に、小さな女の子とおばあちゃんが入ってきた。
「おばあちゃん、これなあに?」
「ふふ、それはね……風船ガムっていうのよ。昔、よく食べたの」
女の子はわたしをじっと見つめた。
そして、迷ったあと、そっと手に取った。
「これ、ふくらませてみたい!」
包みがほどかれ、わたしは久しぶりに世界へ出た。
口の中に入れられ、くちゃくちゃ、くちゃくちゃ。
そして──ぷぅっ、と、ふくらんだ。
夕暮れの光のなか、ピンク色のわたしは、丸く、空に浮かぶ月のようにふくらんだ。
「わあ……!」
女の子の目がきらきらしていた。
おばあちゃんも笑ってた。
それだけで、わたしはうれしかった。
……次の瞬間、ぱちん!
はじけて、わたしは消えた。
でも、いいんだ。
たった一度だけでも、誰かの笑顔に溶けられたのなら。
だって、風船ガムってそういうものだろ?
──ふくらんで、消えて、笑顔が残る。
それが、わたしのしあわせだった。




