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ブルームーン・ファイト

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

夜空には、大きな満月が浮かんでいた。

冷たい青白い光が街を照らし

人気のない路地はまるで静寂を宿した舞台のように、息をひそめている

──ズゥゥン……と低く響く唸り声

暗がりから、形を持たない影の怪物がにじみ出てきた

揺らぐ黒煙のようなその姿は、月光を拒むように光を吸い込み

獰猛な眼光だけを鋭く放っていた

その影に立ち向かうのは、ひとりの少女

手にしているのは古びた小さな ハーモニカ

銀色のボディは傷だらけだが、月明かりを浴びてかすかに輝いた

少女はゆっくりと唇に当て、深く息を吸い込む

──そして静寂は破られた

「ヴゥゥオォ……ヒィイイ……オォォォォン……」

低音は地を這う呻きのように

高音は鋭く泣き叫ぶ悲鳴のように夜空を裂く

ベンドでしなった音は、魂の叫びそのものだった

怪物が爪を振り上げ、壁を砕きながら襲いかかる

だが少女は退かない

吹き込む息は強くなり、音色はさらに鋭く響いた。

「フウウゥゥ……ビィイイイィ……ヒュオオォォ……」

その旋律はただの音ではなく

光へと変わり、月の光と溶け合いながら影を切り裂いた

瓦礫が崩れる音も、金属のきしむ音も、戦いのリズムに取り込まれていく

即興のセッションのように、街全体が一つのブルースを奏でていた

最後の一息

少女は震える指でハーモニカを押さえ、息を吐き出した

「ヒュオオオオォォン……!」

鋭い閃光のような音が夜を貫き

怪物は悲鳴をあげる間もなく光に飲み込まれ、霧のように消えていった。

──再び訪れる沈黙

だが少女の耳には、不思議な声だけが残った

「君の音は、この世界を繋ぐ“青”の一部だ」

見渡しても誰もいない

ただ、夜空に浮かぶ月だけが青白く微笑んでいた

少女は胸に手を当て、握ったハーモニカを見つめた

吹けば孤独は旋律へと変わり

吸えば心臓の鼓動と重なり合う

その音はきっと、自分だけではなく、誰かのもとに届く

夜風に流れる旋律は、未来へ繋がるブルースの始まりだった

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