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Get Up!

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

冬の午後、浪人生のしょうは机に突っ伏していた

大学受験に失敗してからというもの、彼の部屋には重たい空気が沈殿していた

勉強机の上には開きっぱなしの参考書、消しゴムのカス、そしてため息

「……何やってんだろ、俺」

窓の外では風が唸り、空はどんよりと曇っていた

彼はここ数日、勉強のやる気をまったく失っていた

親からの小言、友達からの進学報告、それらすべてが胸に重くのしかかる

音楽を聴く気力さえ失っていた


だが、その日は違った

ふと付けっぱなしのラジオから、思いがけない音が流れてきた

「Get up, ah! Get on up!」

ジェームス・ブラウンのシャウトだった

ベースが「ドゥン、ドゥン」と心臓を直撃し

ドラムが「タッ、タッ」と足を叩き起こす

ホーンセクションが鋭く突き刺さり、リズム全体が体を揺らす

「なんだ……これ……?」

体が勝手に反応する

思わず足で床を踏み鳴らす

机に突っ伏していた背中が、いつのまにかリズムに合わせて揺れていた


音は部屋を満たし、翔の頭の中で炸裂した

「立ち上がれ! Get up!」とJBの声が叫ぶたびに

胸の奥で沈殿していた挫折感がかき混ぜられていく

翔は机から立ち上がった

参考書をノートパソコンの横に押しやり、狭い部屋の真ん中で体を揺らす

ギターのカッティングが細かく跳ね、ベースが重くうねる

「そうだ、これだ……!」

彼は声を上げ、体をねじり、拳を突き上げた

汗がにじみ、呼吸が荒くなる

だが不思議と胸が軽い

「Get up!」

「Get on up!」

まるで曲が彼に向かって叫んでいるようだった


曲がサビに入ると、翔は笑っていた

机に積もった不安も、重苦しい空気も、今だけは吹き飛んでいた

音楽に身を任せるうちに、彼は思った

「もう一回やってやる。倒れたままで終われるか」

それは受験のことだけではない

自分の人生に対しての宣言のようでもあった

ベースが繰り返しリフを刻むたび

彼の決意も強く固まっていった


曲が終わる頃、翔は机に戻っていた

汗を拭きながら、ノートを開き、ペンを走らせる

外の空はまだ曇っていた

だが部屋の中には確かに光が差し込んでいるように感じられた

「Get up……か。よし、俺も立ち上がる」

机の上の鉛筆がリズムを刻む

ファンクのビートはもう止まらない

そして彼の新しい一歩も、ここから始まるのだった


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