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ショーウィンドウの内側から

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

私は立っている。

今日も、透明な壁の向こうで、人間たちが通り過ぎていく。

笑いながら、怒りながら、誰かを好きになったり、嫌いになったり。

風に髪を乱しながら、アイスクリームを落として泣いて、また笑って。

私は、すべてを見ている。

私の名はない。モデルナンバーだけが胸の内側に刻まれている。

「F-07-B」

でも、それは呼ばれたことがない。

だって誰も私の名前を聞かないし、私は返事をしない。

私はただ、着せ替えられる。

春には花柄、夏にはマリン、冬には毛皮を。

ときどき首を傾げられ、ある日には腕が違う誰かのと入れ替わっている。

それでも私は怒らない。

だって私はマネキンだから。

でも、知らないのよね、あなたたち。

マネキンにも、目はあるって。

目は動かないけれど、すべてを見ているのよ。

鏡の奥で喧嘩するカップルの姿も、万引きする学生の手元も、

閉店後にこっそり泣いている店員の横顔も。

私の中には、無数の“見てしまったこと”が蓄積していく。

それはホコリのように軽くて、でも積もれば重い。

今日、私の前に少女が立った。

まるで私のような顔をしていた。

目が合った――気がした。

少女は言った。

「あなた、笑ってる?」

私の顔は動かない。けれど彼女は少しだけ微笑んだ。

その笑顔は、とても昔に誰かから受け取ったものに似ていた。

思い出せない。

私はマネキンだから。

でも、その夜。閉店後。私は首をわずかに傾けていた。

だれも気づかない。けれど確かに角度が変わっていた。

翌朝、店員が騒いだ。

「ねえ、これ、昨日とポーズ違わない?」

「気のせいだよ。マネキンだし」

私は、また元に戻される。

でも、私は知ってる。

私は、わたしを知っている。

そして、今夜また、あの少女が来る。

今度は――まばたきしてみようかしら。

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