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星降る夜に 

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

深夜、郊外の小さな野外ステージ

観客席は空っぽだった。

照明も点けられず、ただ満天の星が天井代わりに広がっていた。

一人の老トランペット奏者が、銀色の楽器を手にして佇んでいる。

その指は震えていたが、胸の奥に燃えるものは衰えていなかった。

彼の目の前には、亡き娘の面影がある。

もうこの世にはいないはずの少女が、星明かりの中に浮かんでいた。

彼は楽器を持ち上げ、息を吹き込む。

静かに、テーマの旋律が夜空に溶けていく

それは「子守唄」のように優しく、しかし切なさを帯びた響きだった。


「君が初めて泣き止んだのは、このトランペットの音だったね」

老人は心の中で語りかける。

「揺れるベッドの横で、何度も何度も吹いた

あのときの僕は、父親としては頼りなくても、音だけは届けられると信じていた」

旋律はやがて速く、力強くなる

彼の記憶が、リズムに乗って舞い上がる

「小学校の学芸会で、君がピアノを弾いたときのことを思い出す。

君は僕に似て不器用だったが、一音一音を丁寧に奏でていた

終わったあと、君は僕にこう言ったね――『パパ、音楽って星みたいに光るんだね』」

星々が瞬くたび、トランペットの音が呼応するように震える

老人の胸には、ドラムソロのように激しい思い出が押し寄せてきた。

「病室で眠る君の手を握りながら、僕は吹けなかった

音楽は奇跡を起こす力なんて持っていなかった

ただ、静かに寄り添うことしかできなかったんだ……」

トランペットは嗚咽のように揺れ、まるでサックスの叫びにも似て、

夜空に悲しみを叩きつける

それは父親としての悔恨であり、同時に愛そのものだった。


やがて音は静まり返り、再び最初の旋律が戻ってくる。

やさしい子守唄のようなテーマ

だが今は、涙のしみ込んだ旋律として響いていた

老人は最後の一息を吹き込む

澄んだ音が夜空を駆け上がり、星の海に吸い込まれていく

その瞬間、彼の目には、娘が笑いながら手を振る姿が映った。

ほんの一瞬の幻影――けれど確かにそこにいた。

「ありがとう」

老人はトランペットを抱きしめ、小さくつぶやいた

星空は黙って彼を見下ろしていた

演奏は終わった。

だがその余韻は、風に乗り、夜を越え、どこか遠い場所で響き続けている。

深夜の野外ステージに残されたのは、銀色の楽器と一人の老人、

そして――星降る夜に囁くように響く最後のテーマの残響だった。


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