枯葉の囁き
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
秋の並木道に、乾いた風が吹き抜ける
足もとを埋める落葉が、さらさらと寄せ集まり、また散っていく、まるで誰かがトランペットで柔らかなテーマを奏でているように、規則正しく、しかしどこか切なく
そこを歩く一組の老夫婦
長い歳月を共に過ごしたはずなのに、ふとした瞬間に、互いを「かつての恋人」として見つめ直すことがある。今日が、まさにそうだった
「覚えてるかい、あの頃を」
男が口を開いた。声は低く、まるでベースのように道の奥底へ沈み込む
「君を初めて見たとき、まだ学生服で、並木道に咲いていた花よりも眩しかった。あのときの風の匂いも、いまでも思い出せる」
女はふっと微笑んだ。彼女の声は、クラリネットの柔らかな音色に似ていた
「ええ、覚えてるわ。あのときは、あなたがあまりに緊張していて、私の名前を二度も聞き直したのよ」
二人は笑った。
笑い声が、シンバルのブラシがすれるように軽やかに響き、枯葉のざわめきと混ざり合う
やがて女は、目を閉じた。思い出の奥へ、ピアノのアドリブのように沈んでいく
「戦後間もない頃、私たちは何も持っていなかった
でも、あなたが古いラジオで流れるジャズに合わせて口笛を吹いてくれた夜……
あれは、どんな宝石よりも嬉しかった。あの旋律がなければ、
私は不安に押しつぶされていたかもしれない」
男は頷く、彼の胸の奥に、サックスの自由な旋律が湧き上がる。
「君は、あのときの僕の唯一の観客だった。いや……観客なんかじゃない、君こそが僕の音楽そのものだったんだ」
風が強く吹き、並木の枝から一斉に葉が舞った。
無数の音符が空に散るように、黄金色と茶色の紙片が旋律を描く
二人は手を取り合い、しばらく言葉を失った。
沈黙の時間さえも、フリージャズのソロのように自由で、そして意味深い
再び歩き出すと、足もとで葉が囁いた。
「もうすぐ冬が来る」と
それでも二人の耳には、どこかでトランペットが甘く、切なく「枯葉(Autumn Leaves)」を奏でているように聞こえた。
男が小さくつぶやく
「君とこうしてまた、この並木道を歩けるとは思わなかった」
女は彼の腕にそっと寄り添い、枯葉の上に足跡を重ねる。
「私たちの時間も、葉っぱと同じ。散っていくけれど、その音が音楽になる。ねえ、そうでしょう?」
男は深く頷いた
まるで演奏の最後に、もう一度テーマに戻るように
落葉は風に舞い、やがて遠くへ消えていく
それは終わりを告げるのではなく、音楽が静かにフェードアウトするような、
余韻に満ちた別れだった。
二人の歩みは、もう音楽そのものだった。
ジャズがそうであるように、決められた楽譜はない
ただ、その瞬間を生き、旋律に身を委ねるだけ
秋の並木道に残ったのは、二人の足跡と――
枯葉が囁く、やさしいテーマの余韻




