泡が消えても
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
おれは、ビール。
居酒屋の冷蔵庫で冷やされ、ジョッキに注がれては、
誰かの喉を駆け抜けていく、それが役目だ。
昭和の時代――
おれは、主役だった。
「とりあえずビール!」
その一言から夜は始まった。
ネクタイを緩めた男たちが、声を張り上げて笑い、語り、怒鳴り、泣いた。
グラスをぶつける音、灰皿の煙、皿が割れても気にしない。
肩がぶつかっても「おう、すまん!」で済む。
熱があった。騒がしさがあった。命の匂いがあった。
昭和の人間たちは、みんな“くたびれて”いたけど、
くたびれた分だけ、陽気で、あたたかかった。
そして今――
おれは、もう叫ばれない。
「とりあえず」は、別の飲み物の合図になった。
現代の若者は、静かだ。
顔を突き合わせても、話し声は小さく、
グラスは丁寧に持たれ、写真を撮られ、タグがつく。
注文もスマホ、会話もスマート。
「糖質が…」「重くて飲みきれない」「苦いのが苦手」
そんな言葉を、泡の向こうで聞いている。
気遣いに満ちていて、洗練されていて、でも――少しだけ、冷たい。
彼らはあまり怒鳴らないし、泣かないし、酔いつぶれもしない。
きれいな夜。静かな夜。
でも、なんだか“ひとり分の温度”が足りない夜。
それでも、おれは知っている。
たまに――ほんとうにたまに――
そんな若者のひとりが、迷ったようにおれを頼むことがある。
「……今日は、ビール、もらおうかな」
その一杯に、ほんの少しだけ“声にならない何か”が混じっている。
それを泡がそっと受け止める。
若者がジョッキをぐいっと持ち上げ、喉を鳴らして飲み干す。
「ぷはーーっ!!!」と豪快に笑う、その顔を見て――
おれは、かつての騒がしさと熱を、思い出し、懐かしむ…
時代は変わった。
昭和の騒がしさは遠くなった。
でも、ビールはまだ、あの熱を知っている。
そして、誰かが一口、豪快に飲み干すたびに、
おれはもう一度だけ――あの時代の泡を、立てることができる。